18 / 37
第18話
しおりを挟む
ザノーク王子視点
俺はカルラとの婚約を破棄した夜――部屋で日課となっている日記を書きながら呟く。
「楽しい日々を記録したいから日記を書いていたが、まさか婚約破棄と書くことになるとはな……」
柄にもないことをしている自覚はあるから、ルドノにも言っていない秘密の日記だ。
ルドノと出会う前の俺は、どうすればいいのかわからなかった。
精神的に追い詰められていた俺は、ルドノと出会ったことで生活が変わる。
その嬉しさから日記を書いてしまい、読み返すとやはりカルラが悪いだろう。
日記に書かれたルドノは優秀で、カルラの方が上なのはありえない。
確信することができた俺は、部屋で1人叫ぶ。
「これで明日から、ルドノが1番優秀と誰もが知るだろう!」
カルラが不正をしていたせいで、ルドノは常に2位だった。
婚約破棄を言い渡し、不正をしていたとパーティ会場で話した。
先生から警戒されるのは間違いなくて、不正をしていないカルラの実力が判明するだろう。
そうすれば、ようやくルドノが1位になれる――婚約破棄してよかったと、この時の俺は考えていた。
俺はカルラとの婚約を破棄した夜――部屋で日課となっている日記を書きながら呟く。
「楽しい日々を記録したいから日記を書いていたが、まさか婚約破棄と書くことになるとはな……」
柄にもないことをしている自覚はあるから、ルドノにも言っていない秘密の日記だ。
ルドノと出会う前の俺は、どうすればいいのかわからなかった。
精神的に追い詰められていた俺は、ルドノと出会ったことで生活が変わる。
その嬉しさから日記を書いてしまい、読み返すとやはりカルラが悪いだろう。
日記に書かれたルドノは優秀で、カルラの方が上なのはありえない。
確信することができた俺は、部屋で1人叫ぶ。
「これで明日から、ルドノが1番優秀と誰もが知るだろう!」
カルラが不正をしていたせいで、ルドノは常に2位だった。
婚約破棄を言い渡し、不正をしていたとパーティ会場で話した。
先生から警戒されるのは間違いなくて、不正をしていないカルラの実力が判明するだろう。
そうすれば、ようやくルドノが1位になれる――婚約破棄してよかったと、この時の俺は考えていた。
30
お気に入りに追加
1,701
あなたにおすすめの小説
『絶対に許さないわ』 嵌められた公爵令嬢は自らの力を使って陰湿に復讐を遂げる
黒木 鳴
ファンタジー
タイトルそのまんまです。殿下の婚約者だった公爵令嬢がありがち展開で冤罪での断罪を受けたところからお話しスタート。将来王族の一員となる者として清く正しく生きてきたのに悪役令嬢呼ばわりされ、復讐を決意して行動した結果悲劇の令嬢扱いされるお話し。
婚約破棄する王太子になる前にどうにかしろよ
みやび
恋愛
ヤバいことをするのはそれなりの理由があるよねっていう話。
婚約破棄ってしちゃダメって習わなかったんですか?
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/123874683
ドアマットヒロインって貴族令嬢としては無能だよね
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/988874791
と何となく世界観が一緒です。
悪役令嬢は、いつでも婚約破棄を受け付けている。
ao_narou
恋愛
自身の愛する婚約者――ソレイル・ディ・ア・ユースリアと平民の美少女ナナリーの密会を知ってしまった悪役令嬢――エリザベス・ディ・カディアスは、自身の思いに蓋をしてソレイルのため「わたくしはいつでも、あなたからの婚約破棄をお受けいたしますわ」と言葉にする。
その度に困惑を隠せないソレイルはエリザベスの真意に気付くのか……また、ナナリーとの浮気の真相は……。
ちょっとだけ変わった悪役令嬢の恋物語です。
【短編完結】婚約破棄なら私の呪いを解いてからにしてください
未知香
恋愛
婚約破棄を告げられたミレーナは、冷静にそれを受け入れた。
「ただ、正式な婚約破棄は呪いを解いてからにしてもらえますか」
婚約破棄から始まる自由と新たな恋の予感を手に入れる話。
全4話で短いお話です!
婚約破棄したくせに、聖女の能力だけは貸して欲しいとか……馬鹿ですか?
マルローネ
恋愛
ハーグリーブス伯爵家には代々、不思議な能力があった。
聖女の祈りで業務の作業効率を上げられるというものだ。
範囲は広いとは言えないが、確実に役に立つ能力であった。
しかし、長女のエメリ・ハーグリーブスは婚約者のルドルフ・コーブル公爵令息に婚約破棄をされてしまう。そして、進めていた事業の作業効率は計画通りには行かなくなり……。
「婚約破棄にはなったが、お前の聖女としての能力は引き続き、我が領地経営に活かしたいのだ。協力してくれ」
「ごめんなさい……意味が分かりません」
エメリは全力で断るのだった……。
婚約破棄されました。あとは知りません
天羽 尤
恋愛
聖ラクレット皇国は1000年の建国の時を迎えていた。
皇国はユーロ教という宗教を国教としており、ユーロ教は魔力含有量を特に秀でた者を巫女として、唯一神であるユーロの従者として大切に扱っていた。
聖ラクレット王国 第一子 クズレットは婚約発表の席でとんでもない事を告げたのだった。
「ラクレット王国 王太子 クズレットの名の下に 巫女:アコク レイン を国外追放とし、婚約を破棄する」
その時…
----------------------
初めての婚約破棄ざまぁものです。
---------------------------
お気に入り登録200突破ありがとうございます。
-------------------------------
【著作者:天羽尤】【無断転載禁止】【以下のサイトでのみ掲載を認めます。これ以外は無断転載です〔小説家になろう/カクヨム/アルファポリス/マグネット〕】
婚約破棄された令嬢が呆然としてる間に、周囲の人達が王子を論破してくれました
マーサ
恋愛
国王在位15年を祝うパーティの場で、第1王子であるアルベールから婚約破棄を宣告された侯爵令嬢オルタンス。
真意を問いただそうとした瞬間、隣国の王太子や第2王子、学友たちまでアルベールに反論し始め、オルタンスが一言も話さないまま事態は収束に向かっていく…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる