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第28話

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 数ヶ月が経過して――ズドラとロゼスは処刑されている。
 パーティが終わってから一切問題は起きず、平和で幸せな日々だった。

 私はゼアンの屋敷に呼ばれて、部屋で楽しく話をしている。

「ゼアン様のお陰で、私はこの場にいます……本当にありがとうございます」

 堕天のナイフは王家で調査した結果、聖女の力を数十秒だけ無力化できるらしい。

 ロゼスの毒は強力だったから、その数十秒の間で私は消えていたに違いない。

 私としては危険で関わらせたくなかったけど……ゼアンがズドラを調査してくれたから、毒を無力化することができていた。

「私はシルフの婚約者として、当然のことをしただけです」

「ゼアン様が婚約者で、本当によかったと想っています」

 本心を話すと――ゼアンが笑顔を浮かべて話す。

「私も同じ気持ちです。私はシルフ様に相応しくなる為に、これからも傍で守ってみせます」

 そう断言してくれるゼアンを眺めて、私は顔が赤くなってしまう。

 私が聖女という立場になっても――ゼアンは何も変わらなかった。
 それが嬉しくて、思わず私は呟く。

「その言葉は、聖女でも効きますね」

 私も笑顔を浮かべて――今が幸せだった。
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