婚約者が毒を使って私を消そうとするけど、聖女だから効きません

第１４話

　ゼアンは、私の為に行動した方がよかったかもしれないと考えている。

　それは何も知らなければあまりにも危険な行為だから……私は、ゼアンの為にも全てを話すことにしていた。

「ゼアン様には、話しておきたいことがあります」

「なんでしょうか？　なんでも話してください」

　そう言ってくれるゼアンに安堵しながら、私は今までの出来事を話す。

「実は、私は聖女のスキルを持っています――そして聖女でなければ、私はロゼスが用意した毒でここにはいません」

　そう言って――私は今まで起きた出来事を話していく。

　聖女のスキルを手に入れて、ズドラとロゼスが強力な毒を使ってきたこと。

　私は聖女の力で無力化し続けていて、ロゼスはまだ諦めていなかった。

　このままだと結婚になるから、ロゼスの指示でズドラは私との婚約を破棄した。

　ズドラは前からロゼスのことが好きだったこと――今までの出来事を全て説明すると、ゼアンは頷く。

「そうでしたか……私の為に教えてくださり、ありがとうございます」

　ゼアンはそう言うけど、私は聖女になったと言って信じてくれることに驚いていた。