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第9話

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 半月が経過して――時間が戻ってから、約1ヶ月経っている。

 テルマが何か言ってきても、私は全て否定することにしていた。

 ミュノが賛同してくれることもあって、今のテルマはもう何も言ってこない。

 そして――私は、時間が戻る前とは違い、ベネサを上回る成績になっている。

 今日は試験の結果が張り出される日で、私の名前はベネサより上だ。
 その後――休み時間に、焦った様子でテルマが私に尋ねる。

「あの、リーゼ様。どうして急に成績がここまでよくなったのですか?」

 これは恐らく、ベネサに聞いてくるよう指示が出ているのでしょう。
 
「ダーロス王子に相応しくなるため、今まで以上に熱心になった結果です」

「そ、そうですか……凄いと思います」

 実際は時間が戻っている1年分の知識があるからだけど、それをベネサ達が知ることはない。

 時間を戻す前はベネサは私を上回る成績だったけど、今は私の方が上だ。

 私はまず、ベネサを焦らせることにしていた。

 ベネサの思い通り動かず、更にベネサにとっては嫌なことをしていく。

 そうすることで――ベネサは今まで隠していた敵意を、私に見せるようになっていた。
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