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第16話

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エドガー視点

 数日が経ち――部屋で俺は1人になって、現状に憤っていた。

 あれからユアンは、俺にルクルが優秀と話しかけてくる。
 ユアンとしては、指導したルクルを褒めているだけだ。
 ルクルの婚約者の俺に話しかけるのはおかしくないことだが――俺としては、ルクルの評判を落としたかった。

「クソッッ! ユアンの奴は余計なことばかりしてくる!!」

 俺が激昂しているのは、ドリスが不安になっていたからだ。
 ドリスはルクルの評判が戻り、愛人になれないのではないかと考えてしまう。
 俺は励まして、ドリスとこれからも一緒にいたいと本心を話していた。

 ユアンに対する苛立ちと、ドリスを励ましたいと想っていた。
 その結果、俺は感情が抑えきれず、ドリスと頻繁に関わってしまう。
 ドリスと一緒にいる時だけは、憎いユアンのことを忘れられて――ドリスを城に呼ぶ回数が増えていた。

 流石に城にドリスを何度も呼ぶと、仲のよさを怪しまれてしまうかもしれない。
 そんなことを考えると、前のように休日以外は毎日会える学園内で関わりたくなってしまう。

「周囲を警戒していれば、学園内で関わっても大丈夫だろう」

 俺は呟き、これからもドリスと関わることを変える気はない。
 学園内でもドリスと関わるようになった結果――俺は更に、絶望することとなる。
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