魅了魔法を使っていると疑われた私は、国から出て行くことにしました

第２８話

　私がドグニテ国から出て行き、数ヶ月が経っていた。

　魅了魔法については、冒険者ギルドが調査している。
　何度か報告は聞いているけど、ミーファを捕える時が迫っているようだ。

　今日は依頼を終えて――屋敷の居間で、私はリックに尋ねる。

「もう数日後には、ドグニテ国の城に潜入してミーファを捕らえるようですね」

「冒険者が魅了されている可能性があるから、時間がかかったようだ。魅了された冒険者がトラブルを起こしているらしい」

　リックの話を聞いて、私は魅了魔法の恐ろしさを再認識していた。
　時間がかかるとドグニテ国の戦力が増すけど、魅了魔法で冒険者を操って妨害されてしまう。
　それでも準備は整えているから、何も問題はないはずだ。

「魅了魔法を解く方法は、リックの方法で大丈夫でしょう」

「ああ。準備はできているし、いつでも城に乗り込めそうだ」

　私とリックは、ドグニテ国に乗り込む準備を終えている。
　そして――私達より先に、ミーファの用意した刺客達が屋敷へ向かっていた。