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第28話

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ジェイク視点

 俺が城に到着した頃には、全てが終わっていた。
 陛下や王子を全て消し飛ばしたようで、警備の者も消したようだ。

 玉座の前にローナが待っていて、俺を見て満面の笑顔を浮かべる。

「私は聖女として相応しい力を得ることができました。ジェイク様の障害になる存在は、私が全て排除致します」

「そ、そうか……ローナ、ありがとう」

 生存者がいない棺の魔法道具を使い、ローナは俺の嘘を信じていた。
 俺の為に全力で行動していたのは嘘ではなく、その精神力で魔法を極めることができたようだ。

「ジェイク様の為なら、当然のことをしたまでです……次は、セリスを排除しようと考えています」

「セリスか?」

「はい……私から聖女の座を奪おうと行動している、邪魔な存在です」

 ローナは聖女になる前から、俺の婚約者という部分でセリスを敵視していた。
 聖女になって立場が変わったと喜んでいたこともあり、力を得たことで消したいと考えているようだ。

 セリスを始末すれば聖女はローナだけになるから、この国の者は俺とローナに従うしかなくなる。

 この状況下で助かる方法は、聖女になり得る存在のセリスを消す以外にない。

「わかった……俺も同行し、セリスの最期を見ようではないか」

 流石に王家とヴィーオ家を滅ぼしたから、俺が新たな王になるのは難しいだろう。
 その時はローナと一緒に生きればいいと考えているが、この国にはやり残したことがある。

 それは憎き存在と化したセリスの処分で――俺とローナは、行動に出ようとしていた。
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