平民を好きになった婚約者は、私を捨てて破滅するようです

第１９話

ジェイク視点

　陛下との話を終えて、俺と父上は屋敷に戻っていた。

　父上は憔悴していて――陛下もセリスを聖女にするつもりでいる。

　もしセリスが聖女に選ばれれば、その時はヴィーオ家が終わるだろう。

　部屋で１人になり、俺は怒りのまま叫ぶ。

「セリスの奴……俺達に対する当てつけか！」

　どうやら侯爵家が絡んでいるようで、セリスを見下した貴族以外の領地で活動しているようだ。

　王都、ヴィーオ家の領地は酷いままで、魔法道具を使っているも長くは保たない。

　貴族達は俺達を恨み……王家やヴィーオ家の信頼は地に落ちつつある。
　もうセリスを聖女にするしか方法はないと提案が出ているようで、破滅の時は迫っていた。

　頭を抱え、俺は焦りながら呟く。

「このままだと確実に破滅する……ローナは一生懸命頑張っているが、それでもどうにもならない……」

　それならばもう、婚約者のローナを切り捨てた方がいいのかもしれない。

　俺達ヴィーオ家は、聖女ローナを切り捨てる選択をとろうと決意する。
　最悪の選択をとった結果――王家とヴィーオ家は、滅びることとなっていた。