他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません

第３４話

　ガルク国が許せず、私は錬金魔法で武器を作るべきだと考えていた。

　私の作る魔法道具を、ギルドマスターが購入している。
　これからすぐにクリスタルタートルの討伐に向かいそうだから、私はこの場で提案することにした。

「あの……私が錬金魔法で武器を作り、冒険者の人達の力になることは可能ですか」

　私が提案すると、ゼロアとギルドマスターは驚いている。
　そしてギルドマスターは、思案しながら話す。

「それは嬉しいが……間違いなく、ガルク国に知られてしまうだろう」

「冒険者ギルドの戦力なら問題ないと思いますけど、シーラはバーレツ国を守りたいのですね」

　ゼロアの発言に、私は頷く。

「はい。冒険者の人達が私の作る武器を持てば、犠牲者が出ないかもしれません」

　それは理想だけど、私の作る武器なら可能かもしれないと思ってしまう。
　私の決意を聞き、ギルドマスターが頭を下げる。

「ありがとう――シーラには、武器を作って欲しい」

「はい。バーレツ国を守るため、私はできることをしていきます」

　ガルク国に知られたとしても、私はバーレツ国を守りたい。
　そう決意して――私は再び、錬金魔法で武器を作ろうとしていた。