25 / 48
第25話
しおりを挟む
私達はギルドマスターから、ガルク国の現状を聞いていた。
私の作った武器が壊れるようになって、武器を作れるシーラを連れ戻すべきと提案する貴族が出ているらしい。
ゼロアの言う通りになって、私を国外追放した国王とレヴォクは非難されているようだ。
「それは当然のことだと思いますけど、愚かすぎることとはなんですか?」
「そのことだが……ガルク国はシーラの作った優れた武器があったから、クリスタルタートルの捕獲を考えたようだ」
「クリスタルタートル、ですか?」
「それは、愚かなことをしたものです」
聞いたことのない名前に私が困惑したけど、ゼロアは知っているようだ。
私を眺めて、ギルドマスターが説明してくれる。
「魔石を甲羅に宿した巨大な亀型モンスターで、本来なら鉱山の奥に複数生息している」
「クリスタルタートルの好む魔石を利用すると、1体だけ鉱山の外に誘導することが可能だと聞いたことがあります」
鉱山の中だと、鉱山の中にある魔石の力で倒すことができないらしい。
複数生息しているようで、クリスタルタートルは強すぎて冒険者ギルドでも討伐することができないようだ。
「どうやら半年程前から、ガルク国はクリスタルタートルを国内まで引き寄せる計画を立てていたようだ」
「……えっ?」
「地上に出たクリスタルタートルは、とにかく人々の魔力を吸収していく。シーラの武器があれば、勝てると考えていたのだろう」
ギルドマスターの話を聞いて、私はガルク国の行動に呆れていた。
欲を出した結果――ガルク国は、大変なことになるようだ。
私の作った武器が壊れるようになって、武器を作れるシーラを連れ戻すべきと提案する貴族が出ているらしい。
ゼロアの言う通りになって、私を国外追放した国王とレヴォクは非難されているようだ。
「それは当然のことだと思いますけど、愚かすぎることとはなんですか?」
「そのことだが……ガルク国はシーラの作った優れた武器があったから、クリスタルタートルの捕獲を考えたようだ」
「クリスタルタートル、ですか?」
「それは、愚かなことをしたものです」
聞いたことのない名前に私が困惑したけど、ゼロアは知っているようだ。
私を眺めて、ギルドマスターが説明してくれる。
「魔石を甲羅に宿した巨大な亀型モンスターで、本来なら鉱山の奥に複数生息している」
「クリスタルタートルの好む魔石を利用すると、1体だけ鉱山の外に誘導することが可能だと聞いたことがあります」
鉱山の中だと、鉱山の中にある魔石の力で倒すことができないらしい。
複数生息しているようで、クリスタルタートルは強すぎて冒険者ギルドでも討伐することができないようだ。
「どうやら半年程前から、ガルク国はクリスタルタートルを国内まで引き寄せる計画を立てていたようだ」
「……えっ?」
「地上に出たクリスタルタートルは、とにかく人々の魔力を吸収していく。シーラの武器があれば、勝てると考えていたのだろう」
ギルドマスターの話を聞いて、私はガルク国の行動に呆れていた。
欲を出した結果――ガルク国は、大変なことになるようだ。
14
お気に入りに追加
1,742
あなたにおすすめの小説
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
(完結+閑話追加)婚約破棄? いえ、そもそも貴方の家は先日お取り潰しになっていますよ?
にがりの少なかった豆腐
恋愛
同じ学園に通う婚約者に婚約破棄を言い渡される
しかし、その相手は既に貴族ではなくなっていた。それに学園に居る事自体おかしいはずなのに
とっくに婚約は破棄されているのに、それに気づいていないのかしら?
07:10と21:10の投稿になります(12:10は未確定です。たぶんこの時間も更新します)
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!
ユウ
恋愛
10歳の頃から伯爵家の嫁になるべく厳しい花嫁修業を受け。
貴族院を卒業して伯爵夫人になるべく努力をしていたアリアだったが事あるごと実娘と比べられて来た。
実の娘に勝る者はないと、嫌味を言われ。
嫁でありながら使用人のような扱いに苦しみながらも嫁として口答えをすることなく耐えて来たが限界を感じていた最中、義妹が出戻って来た。
そして告げられたのは。
「娘が帰って来るからでていってくれないかしら」
理不尽な言葉を告げられ精神的なショックを受けながらも泣く泣く家を出ることになった。
…はずだったが。
「やった!自由だ!」
夫や舅は申し訳ない顔をしていたけど、正直我儘放題の姑に我儘で自分を見下してくる義妹と縁を切りたかったので同居解消を喜んでいた。
これで解放されると心の中で両手を上げて喜んだのだが…
これまで尽くして来た嫁を放り出した姑を世間は良しとせず。
生活費の負担をしていたのは息子夫婦で使用人を雇う事もできず生活が困窮するのだった。
縁を切ったはずが…
「生活費を負担してちょうだい」
「可愛い妹の為でしょ?」
手のひらを返すのだった。
【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜
高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。
フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。
湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。
夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる