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第10話

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アシェル視点

 魔法薬を飲ませると、テリナの姿が変貌する。
 体重は変わらないのに急激に太り、俺は取り返しのつかないことをしてしまった。

 そして――ラーミカの話を聞き、俺は強く後悔することとなる。

「ラーミカよ、貴様は今なんと言った!?」

「テリナ様はもう、2度と元に戻りません。元に戻す魔法薬は、存在しなかったようです」

 この時ラーミカは謝罪するが、最初から元に戻る魔法薬など存在しなかった。
 俺は激昂すると、ラーミカの発言を聞いて驚くこととなる。

「テリナ様は醜くなってしまいました……私が、ラドン様の婚約者となりましょう」

「……ラーミカは、何を言っている?」

「私の推測ですけど、テリナ様はこれから魔法の実力が落ちていきます。それなら、私を婚約者にした方がいいに決まっています」

 実際は見た目が変わったショックと、魔法薬の効力によるものだ。
 それでも俺はラーミカの推測を聞いて、その後テリナの魔法の性能が下がったことで確信する。

 魔法薬を飲ませるよう提案したのはラーミカで、責任をとり俺に尽くすようだ。
 それなら――もうテリナを捨ててラーミカを婚約者にしようと、俺は決意していた。
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