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第70話
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マリウス視点
王都は元賢者カオスによって、完全に支配されていた。
魂のない操り人形となった陛下が命令を出し、王都の人々は従うしかない。
王都からは出ることも許されず、負の感情を糧に力をつけていく。
城の兵もカオスによって力を得た兵隊で、ローノック国を完全に支配した後は、他国に支配を広げるらしい。
玉座に座る角の生えた青年カオスを、俺は立ちながら眺めている。
聖女アビリコは幽閉されて、俺はカオスから力を与えられていた。
膨大な力を受けたときは苦しみ死を覚悟するも、乗り越えることに成功する。
今の俺はジェノスより遙かに強くなったと確信しているが、カオスに逆らえなくなっていた。
「……ふん、奴が何かやっているようだな」
玉座でカオスが呟き、俺は動揺しながら尋ねる。
「だ、誰のことですか?」
「ジェノスのことだ……奴が国の外に出ようとするのなら、俺が自ら阻止してやろう」
カオスは一度魔力を確認した者が、どこにいるのかを把握することができるようだ。
未だに警戒している様子のカオスを眺めていると、気になったのか尋ねてくる。
「どうした?」
「いえ……ジェノスの位置を、把握しているのですね」
「奴はこの国でも随一の強さだ……地図をよこせ」
「はっ、はいっ!!」
強くなれたが――カオスの機嫌1つで、俺は命を落す。
力を得た代償か、俺はカオスの命令を必ず聞くようになっていた。
王都は元賢者カオスによって、完全に支配されていた。
魂のない操り人形となった陛下が命令を出し、王都の人々は従うしかない。
王都からは出ることも許されず、負の感情を糧に力をつけていく。
城の兵もカオスによって力を得た兵隊で、ローノック国を完全に支配した後は、他国に支配を広げるらしい。
玉座に座る角の生えた青年カオスを、俺は立ちながら眺めている。
聖女アビリコは幽閉されて、俺はカオスから力を与えられていた。
膨大な力を受けたときは苦しみ死を覚悟するも、乗り越えることに成功する。
今の俺はジェノスより遙かに強くなったと確信しているが、カオスに逆らえなくなっていた。
「……ふん、奴が何かやっているようだな」
玉座でカオスが呟き、俺は動揺しながら尋ねる。
「だ、誰のことですか?」
「ジェノスのことだ……奴が国の外に出ようとするのなら、俺が自ら阻止してやろう」
カオスは一度魔力を確認した者が、どこにいるのかを把握することができるようだ。
未だに警戒している様子のカオスを眺めていると、気になったのか尋ねてくる。
「どうした?」
「いえ……ジェノスの位置を、把握しているのですね」
「奴はこの国でも随一の強さだ……地図をよこせ」
「はっ、はいっ!!」
強くなれたが――カオスの機嫌1つで、俺は命を落す。
力を得た代償か、俺はカオスの命令を必ず聞くようになっていた。
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