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第67話

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 私はジェノス様から、世界の敵である元賢者カオスのことを聞いている。
 倒すなら早い方がよさそうだと考えていると、リカルドがジェノス様に尋ねる。

「ジェノス様がここに来たのは……カオスについて、私達に教えるためですか?」

「そうなる。俺はフィーレ様とリカルドがいるのか確認して、どうするのかを聞いておきたかった」

 どうするのか……それは、戦うか関わらないか。
 私は戦うと決めているけど、ジェノス様の話は続く。

「もしカオスを倒したいと言うのなら協力するし、断るのなら俺が1人で差し違えてでも奴を仕留める」

 それは――カオスの話を聞いて、この国が滅ぶだけでは済まないからだ。

 カオスは大昔に、幾つもの国を滅ぼしたことがあるらしい。
 これはもうローノック国だけの問題ではなく、野放しにしておけば他国に間違いなく被害が出てしまう。

「ジェノス様が相打ち覚悟なら倒せる相手なら、私1人で問題ない気がします」

「兵士長になってから、そんなことを言われたのは初めてだぞ……俺ではカオスに勝つことはできないだろう」

 それでもカオスの行動を知ってしまったから、止まることはできないようだ。
 私も同じ気持ちで――これからジェノス様と一緒に、私達は王都に向かおうとしていた。
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