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第46話
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今後の行動を決めてから、1週間が経っていた。
私達は週2回のペースで街に向かっているけど、モンスターの襲撃はまだない様子だ。
街は安全になったから近くの村や街の人々を治し、真の聖女様だと言われてしまう。
どうやら現聖女アビリコの評判は相当悪いようで、聖女になって欲しいと何度も頼まれるけど断っている。
人々を治してから、私達は森から一番近い街に向かっていた。
リカルドが街の外れに住む錬金者と話がしたいようで、まだこの国にいる様子だ。
モンスターの部位を買い取る青年が話してくれて、もういないと考えていたリカルドは驚いていた。
何か理由があり、詳しいことを知っているかもしれないからと街に向かって……私が話す。
「本当にアビリコは、何もできていないみたいね」
「人々を回復魔法で治すのは軽傷者だけ、それもすぐに魔力が尽きて逃げ去っていくようですね」
重傷者は回復魔法で使う魔力が大きく、精神力も使う。
私は問題なく皆を治してきたけど、アビリコとしてはやりたくないのでしょう。
それよりも、私は街の人達から聞いたモンスターの行動が気になってしまう。
「防衛できなかった時のモンスターは家を破壊して人々に危害を加えるけど、痛めつけているだけ……か」
死者は数人しか出ていないようで、だからこそ国が滅んでいないのだと思う。
加減しているのは間違いなくて、モンスターはどこかに撤収していくようだ。
「今から会う錬金者の人なら、詳しいことを知っているかもしれません」
そう言ったリカルドが驚いた表情を浮かべて、私は乗っている契約獣クロの毛が逆立っていることを知る。
街の門の前で冒険者の人達がモンスターと戦っていて……どうやら、襲撃を受けたようだ。
「あれが強化されているモンスターね」
「はい。行きましょう!」
見た感じ森で戦ったモンスターより弱そうだけど、相当強く数も多い。
街の冒険者達で厳しいのも頷ける戦力を感じながら、私達は戦うことにしていた。
私達は週2回のペースで街に向かっているけど、モンスターの襲撃はまだない様子だ。
街は安全になったから近くの村や街の人々を治し、真の聖女様だと言われてしまう。
どうやら現聖女アビリコの評判は相当悪いようで、聖女になって欲しいと何度も頼まれるけど断っている。
人々を治してから、私達は森から一番近い街に向かっていた。
リカルドが街の外れに住む錬金者と話がしたいようで、まだこの国にいる様子だ。
モンスターの部位を買い取る青年が話してくれて、もういないと考えていたリカルドは驚いていた。
何か理由があり、詳しいことを知っているかもしれないからと街に向かって……私が話す。
「本当にアビリコは、何もできていないみたいね」
「人々を回復魔法で治すのは軽傷者だけ、それもすぐに魔力が尽きて逃げ去っていくようですね」
重傷者は回復魔法で使う魔力が大きく、精神力も使う。
私は問題なく皆を治してきたけど、アビリコとしてはやりたくないのでしょう。
それよりも、私は街の人達から聞いたモンスターの行動が気になってしまう。
「防衛できなかった時のモンスターは家を破壊して人々に危害を加えるけど、痛めつけているだけ……か」
死者は数人しか出ていないようで、だからこそ国が滅んでいないのだと思う。
加減しているのは間違いなくて、モンスターはどこかに撤収していくようだ。
「今から会う錬金者の人なら、詳しいことを知っているかもしれません」
そう言ったリカルドが驚いた表情を浮かべて、私は乗っている契約獣クロの毛が逆立っていることを知る。
街の門の前で冒険者の人達がモンスターと戦っていて……どうやら、襲撃を受けたようだ。
「あれが強化されているモンスターね」
「はい。行きましょう!」
見た感じ森で戦ったモンスターより弱そうだけど、相当強く数も多い。
街の冒険者達で厳しいのも頷ける戦力を感じながら、私達は戦うことにしていた。
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