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第28話
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リカルドに屋敷の中を案内してもらい、私はとにかく驚いていた。
魔法道具によって生活に困ることはなく、大地に宿る魔力を使っている。
説明を聞き一度外に出て、森の中にある豪華な屋敷に驚くしかない。
ここまで見事な屋敷を準備しても、リカルドは不安だったようだ。
もしかしたら……まだ改善の余地があったと考えているのだろうか?
封印されてから驚いてばかりだけど、ようやく冷静になりつつある。
不安だった封印された後の生活は大丈夫だったから、私は3年間で何が起きたのかが知りたくなっていた。
■◇■◇■◇■◇■
屋敷を案内してもらうと数時間が経って、昼食をとることにしていた。
封印されたばかりで不安だったけど、魔力が増加している以外は体に変化はない。
リカルドが用意してくれた食事は美味しいけど、明日から私が用意してみよう。
これからはリカルドのために動きたいと想っているけど、納得してくれるかどうかになりそうだ。
食事を終えて――私は足元の契約獣クロを撫でながら、リカルドに尋ねる。
「リカルド、聞きたいことがあるの」
「……あっ、はい。なんでしょうか」
リカルドは私が撫でたクロの柔らかい表情に癒されている私が、気になった様子だ。
茫然としていたけど、そんなにおかしな顔をしていたのだろうか?
聞きたいことがあった私は、リカルドと話をする。
「この3年間で、ローノック国に変化はあったの?」
ローノック国に聖女の私は不要なのか必要だったのかは、真っ先に確認しておきたい。
どちらにせよもう聖女には戻らないけど、これは自らを封印した理由でもある。
尋ねると、リカルドは頷く。
「フィーレ様を失ったので当然ですが、ローノック国は崩壊寸前です」
もし私が必要なら平和ではなくなっていそうだと思ったけど、崩壊寸前になっているのは予想外だ。
リカルドから話を聞くと――今のローノック国は平和な国ではなくなり、国王と王子達は苦しんでいるらしい。
私は自らを封印したことで、無能でも不要でもないことを実感することができていた。
魔法道具によって生活に困ることはなく、大地に宿る魔力を使っている。
説明を聞き一度外に出て、森の中にある豪華な屋敷に驚くしかない。
ここまで見事な屋敷を準備しても、リカルドは不安だったようだ。
もしかしたら……まだ改善の余地があったと考えているのだろうか?
封印されてから驚いてばかりだけど、ようやく冷静になりつつある。
不安だった封印された後の生活は大丈夫だったから、私は3年間で何が起きたのかが知りたくなっていた。
■◇■◇■◇■◇■
屋敷を案内してもらうと数時間が経って、昼食をとることにしていた。
封印されたばかりで不安だったけど、魔力が増加している以外は体に変化はない。
リカルドが用意してくれた食事は美味しいけど、明日から私が用意してみよう。
これからはリカルドのために動きたいと想っているけど、納得してくれるかどうかになりそうだ。
食事を終えて――私は足元の契約獣クロを撫でながら、リカルドに尋ねる。
「リカルド、聞きたいことがあるの」
「……あっ、はい。なんでしょうか」
リカルドは私が撫でたクロの柔らかい表情に癒されている私が、気になった様子だ。
茫然としていたけど、そんなにおかしな顔をしていたのだろうか?
聞きたいことがあった私は、リカルドと話をする。
「この3年間で、ローノック国に変化はあったの?」
ローノック国に聖女の私は不要なのか必要だったのかは、真っ先に確認しておきたい。
どちらにせよもう聖女には戻らないけど、これは自らを封印した理由でもある。
尋ねると、リカルドは頷く。
「フィーレ様を失ったので当然ですが、ローノック国は崩壊寸前です」
もし私が必要なら平和ではなくなっていそうだと思ったけど、崩壊寸前になっているのは予想外だ。
リカルドから話を聞くと――今のローノック国は平和な国ではなくなり、国王と王子達は苦しんでいるらしい。
私は自らを封印したことで、無能でも不要でもないことを実感することができていた。
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