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第22話
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時間は3年前に遡り――私フィーレは、自らを封印した。
意識を取り戻した時、私は何もない真っ白な空間にいて……どこか見覚えがある。
ここは――時々夢の中で謎の声に導かれ、聖女の魔法を覚えるための空間だ。
意識してこの空間に来ることは今まで一度もできなかったけど、眠ったことでやって来たのだろうか。
「これが……封印魔法の力なのかしら?」
今までなら声が聞こえて、私は聖女の魔法を覚えることになる。
その声が一切聞こえないのは……私が自ら封印魔法を使い、この場所に来たからなのかもしれない。
私は今頃クリスタルの中にいるはずだけど、この真っ白く広大な空間で魔法が使える。
肉体の感覚もあって問題なく魔力の操作もでき、夢の中だということに驚くしかない。
「封印するものだと思っていたけど……修行用の魔法でもおかしくないわね」
本来は敵を封印するはずだけど、ここなら魔法を鍛えることができそうだ。
様々な疑問が浮かぶけど……自らを封印するなんて私ぐらいのものだから、おかしなことが起きてもおかしくはない気がする。
――きっとリカルドは今頃、1人で私の為に行動している。
私の思いつきの行動に、当然のように付き合ってくれたリカルド。
感謝するしかなくて……封印が解けた後、私はリカルドのために生きたい。
「リカルドの力になるためにも……この空間で、私は力をつけるわ!」
そして――私は3年もの間、何もない夢の世界で魔法を扱っていく。
魔力が強くなり、新たな魔法を編み出したりすることで、自分の成長がよくわかった
リカルドの力になるためなら、長い時間1人でも耐えられる。
その後、3年の時が流れて――私の封印が解けようとしていた。
意識を取り戻した時、私は何もない真っ白な空間にいて……どこか見覚えがある。
ここは――時々夢の中で謎の声に導かれ、聖女の魔法を覚えるための空間だ。
意識してこの空間に来ることは今まで一度もできなかったけど、眠ったことでやって来たのだろうか。
「これが……封印魔法の力なのかしら?」
今までなら声が聞こえて、私は聖女の魔法を覚えることになる。
その声が一切聞こえないのは……私が自ら封印魔法を使い、この場所に来たからなのかもしれない。
私は今頃クリスタルの中にいるはずだけど、この真っ白く広大な空間で魔法が使える。
肉体の感覚もあって問題なく魔力の操作もでき、夢の中だということに驚くしかない。
「封印するものだと思っていたけど……修行用の魔法でもおかしくないわね」
本来は敵を封印するはずだけど、ここなら魔法を鍛えることができそうだ。
様々な疑問が浮かぶけど……自らを封印するなんて私ぐらいのものだから、おかしなことが起きてもおかしくはない気がする。
――きっとリカルドは今頃、1人で私の為に行動している。
私の思いつきの行動に、当然のように付き合ってくれたリカルド。
感謝するしかなくて……封印が解けた後、私はリカルドのために生きたい。
「リカルドの力になるためにも……この空間で、私は力をつけるわ!」
そして――私は3年もの間、何もない夢の世界で魔法を扱っていく。
魔力が強くなり、新たな魔法を編み出したりすることで、自分の成長がよくわかった
リカルドの力になるためなら、長い時間1人でも耐えられる。
その後、3年の時が流れて――私の封印が解けようとしていた。
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