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第十話

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 数ヶ月が経って、私とレイン様は幸せな日常を送っている。
 あれから妹クーナスとジェード様は喧嘩が絶えず、評判が落ち続けているようだ。

 そして私とレイン様の評判が徐々に上がっていき、今までのジェード様の功績は全て、私によるものだと判明したらしい。
 そして婚約破棄と新たにクーナスが婚約したことから、妹クーナスが酷いことも判明していた。

 ジェード様とクーナスはこれから、周囲に蔑まれながら生きてくことになる。

「これで一件落着だな」

 嬉しそうなレイン様の発言を聞いて、私は頷く。

「はい……レイン様は、かなり上機嫌ですね」

「ああ。ジェードがやって来てアイリスに婚約を申し込んだとき、即断で断ってくれたのが嬉しかった」
 
 どうやら私がジェード様とクーナスの話をすると、レイン様はあの時のことを思い返すらしい。

「ジェード様とはもう関わりたくないですし、レイン様と婚約できて幸せです」

「私もだよ……あの時勇気を出して、アイリスを呼んだのは正解だった」

 そう言いながら、私とレイン様の時間は過ぎていく。

 レイン様と一緒なら、どんな出来事があったとしても乗り越えることができそうだ。
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