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第32話

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 私が冒険者ギルドの部屋で泊まれるようになって、1ヶ月が経とうとしていた。
 ポーションを作り続けていく毎日で、部屋が近いマルクスは受けた依頼の出来事を話してくれる。

 この日常が幸せで、この時までザライン国のことはどうでもよくなっていた。
 それでも――今日はギルドマスターの呼び出しを受けて、ザライン国で何が起きているのかを聞くこととなる。

■◇■◇■◇■◇■

 私とマルクスは部屋に案内されて、そこにはギルドマスターが待っていた。
 挨拶を終えると、ギルドマスターが本題に入る。

「ここ最近、エトラス国に魔物の大群による襲撃があった」

「はい。マルクスから聞きました」

「その理由が判明してな……どうやら魔物達は、隣のザライン国から来ているようだ」

 そう言って、ギルドマスターが話してくれる。
 魔物の被害を受け続けてザライン国は人が減り、魔物は新たな獲物を求めて別の場所に向かいたくなったらしい。
 ザライン国を襲うことで魔物は力をつけたようだけど、エトラス国は私のポーションの力で対処することはできているようだ。

「エミリーのポーションで、エトラス国は守られている。ありがとう」

「いえ、私はできることをしているだけです」

 ギルドマスターにお礼を言われて、私は返答する。
 そして私は、ザライン国で何が起きたのかを詳しく聞こうとしていた。
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