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六章

40話【初めての共同クエスト】

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 スレインたち一行は最初に出会った食事処“赤い林檎亭”で卓を囲んでいた。

 青年は惚れ込んだフーガ名物のアップルパイを齧って、珍しく頬を緩める。
 ノエルはキングトラウトの入ったグラタンに、いつ迄も息を吹き掛けていた。
 クルルはぶ厚いカツの入ったサンドイッチを二口で平らげ、一気に南瓜ポタージュスープを飲み干し、ボナゴンのフィレ肉が入ったシチュー掛けオムライスを頬袋に詰める。

「はっはっは!相変わらず良い食いっぷりだよこの子たちは…」

 テーブルの前を横切った店主の妻が豪快に笑った。

『ほんほ、わいーほおもっへふ』

「なーに言ってるのか分かんないよ。喉に詰めないように、ゆっくり食べな」

 無一文の彼らに朝食を出してくれたのだ。

 冒険者ギルドからの帰りに、通りで買い物途中の店主と偶然鉢合わせた。朝食はまだ摂っていないと言う3人に、店主は気軽に「食べて行かないかい」と誘ってくれた。

 ペナルティーの支払いも未納、かつてない貧困に見舞われているスレインは金が無いと遠慮したが、店主は「代金は気にしなくて良い。そうだな…出世払いのつもりでツケにしといてあげるよ」とウィンクして悪戯っぽく笑ったのだった。

 丁度その時クルルのお腹も鳴り、青年は遠慮するのを止めた。唯一の常識人ノエルも夫婦のご厄介になると腹を括り、今後店が建つ方へ足を向けて寝ないと誓うくらいに感謝した。

 先程彼らは冒険者ギルドで、あるクエストを引き受けた。

◆◇◆◇◆◇

 ――早朝、冒険者ギルドを訪ねたスレインたちは、カウンター越しに受付員に呼び止められた。

 前回のクエストの聴取をされ、依頼主ウィリアムズ子爵が任務失敗を大変御立腹だと告げられる。スレインの態度も粗暴なものだったとしてペナルティーの発生を言い渡された。

『一方的じゃね?』

「依頼主あっての冒険者ギルドですからね…」

 青年の小言にノエルがコソコソと声を潜める。

 更にウィリアムズ子爵家は衰退しているとはいえ帝国貴族だ。面倒を避けたいギルド側からしたら当然の処置なのだろう。
 
 罰金10万シェル。まだブロンズ級のスレインとしてはかなり痛い金額だ。
 返済期限20日。遅延すると料金が嵩むので期限内の納品が理想とされる。
 その間、通常なら身を粉にしてクエストを達成するのだとノエルが助言した。

『かったりぃ…ふわぁあ…』

「あのー…」

 やる気なく欠伸を零した青年の背後から、遠慮がちに声を掛けられた。

「良かったら僕たちの話を聞いてみない?上手く行けば、クエスト1つで帳消しに出来るかもしれないよ」

 物腰の柔らかな茶髪の青年。吊り目で笑っているような印象を受ける。プラチナ製の、つまりB級のタグを胸に付けていた。

 サングラス越しに鋭い眼差しを向けるスレインは、青年の姿を吟味する。彼の後方には彼らと同じように呼び掛けられたと思われる冒険者が数人控えていた。


 
 冒険者ギルドの談話スペースに、4つのパーティーが集まっていた。
 テーブルを囲んだ高級感のある椅子に座るのは、その内4人のリーダーだ。

 【三本の杖】B級。先程スレインに話を持ってきたリーダーの所属するパーティー。他、男女の魔術師が左右に立っている。

 【光の弓矢】D級。中年5人全員が男で弓矢を装備している。黒髪短髪、無精髭のがさつそうな男がリーダーを務める。

 【鋼の剣】D級。若い男女で構成された4人のチーム。黄金の長髪を1つに結んだ男がリーダーだ。

 【    】F級。ド派手なサングラスをした男が恐らくリーダーだと思われる。最低ランクにも関わらず態度がデカく、少女を侍らせていた。

 スレインたちは言うまでもなく浮いている。まだチーム名が無く、名無しノー・ネームとして扱われていた。
 更に椅子に座るスレインの膝に、当然のようにクルルが乗っているので、見事絵に描いた悪役のボスになっている。

『パーティー名って決めねーといけねーの?』

「いいえ、厳密には必要はありませんが、他のチームとの差別化に名前を決める冒険者が多いんです」

 背凭れの後ろに目配せするスレインは小声で尋ねた。ノエルは口元に手壁を作り、同じく小声で返答する。

「カッコイイですし」

『カッコイイか?』

 すると、3つのパーティーを集めた張本人、茶髪の青年は軽く咳払いをして「――では、まずは話を聞いてくれて感謝する。B級の【三本の杖】リーダーのゼンだ。宜しく」と笑顔を浮かべた。

「挨拶はいい。こっちゃぁ忙しいんだ。早く本題に入ってくれ」

 【光の弓矢】のリーダー、モーデカイが急かした。これにはスレインも同意する。

「あはは、そうだね」

 苦笑したゼンはテーブルの上にクエストの羊皮紙を広げた。
 全員で覗き込んだ先に【フィン大平原調査依頼】と書かれている。

「フィン大平原…!?」

「聖なる大地じゃねぇか!」

 フィン大平原とはフーガの街から約300マイル離れた広大な平原だ。帝国でも稀有な土地で、常に雨が降っている不思議な場所である。

 嘗て魔女を討ち滅ぼしたとされる大地。平和の始まりの場所、聖地として多くの人々に語られている。
 凄まじい戦闘の末、そこは平原と言うにはあまりに奇形な土地になった。

 今や大地に亀裂が走り地層が剥き出しになって、雨が滝のように流れている。魔術によって出来た巨大なクレーターが幾つもあり、そこへ雨水が溜まって池になっていた。

 そんなフィン大平原の調査。【光の弓矢】は始まりの聖地を前に、子供のように目を輝かせた。

 ゼンが続ける。

「僕たちはこのクエストを一緒にこなしてくれるパーティーを探している。なんせ、帝都オルティシアが5つは入ってしまう広闊な土地…僕らだけでは何年も掛かってしまう」

「………報酬はどうするつもりです?」

 黙って羊皮紙に視線を落としていた【鋼の剣】のリーダー、グランベルドが口を開いた。

「ああ、当然の疑問だ。報酬は均等に4等分を予定している」

 報酬金額は50万シェル。ただのD級の調査依頼にしては高額だ。
 一同が見返した羊皮紙の1番下に皇帝を象徴するドラゴンのシンボルマークの印があった。

 身震いしたゼンは「これは皇帝が出した調査依頼だ」と挑戦的な危うい笑みを浮かべる。

「俺たちは乗ったぜ」

「いいでしょう。私たちもご一緒します」

「お前たちはどうするんだぁ?」

 モーデカイが口角を上げて問い掛けた。彼が見遣る先にはスレインが頬杖をついている。

『おい、国が調査を依頼するならそれ相応の何かがあんだろ?』

「あ、嗚呼…、君たちは冒険者になって間もないんだな。皇帝は定期的に、冒険者ギルドにフィン大平原の調査を依頼するんだ」

 フィン大平原では魔物が凶暴化したり、突如強大な魔物が現れたりと未だ妙な事が度々起こる。
 定期的に国が調査に出向いていると聞けば国民は安心するのだ。
 
『ふーん…』

「どうします?」

『行こうぜ。俺たちが受けれるクエストの中では条件が良い。魔物が居やがったら全部狩り尽くして、持ってくりゃぁギルドが買ってくれんだろ?』

 魔物の討伐や殲滅は彼の専売特許だ。薬草採取や行方不明の人間の捜索よりも向いている。

「スレインさん、まーた悪い顔をしてますよ…」

『しゃーない。生まれつきだ』

 スレインは皮肉を込めて鼻を鳴らした。
 ノエルの方に逸れた青年の顔をクルルが引き寄せ甘える。白い指先が彼の唇をゆっくりなぞり、激しく誘惑した。

「クルルもスレインの、役に立つ」

 観念したスレインは場も弁えず応えようとする。縮まる距離を敏感に察知したノエルは「公共の場です」と呆れて手を差し入れた。

「むぐッ」

『…ン…。…ノエル…テメーなぁ』

 物理的に遮断された手に互いにキスをしてしまった。2人に睨まれたノエルは毅然と「ダメです」と睨む。

「ノエル…?まさかノエル・フランチェスカ!?」

 周囲に居た冒険者が騒めいた。ノエルを中心に遠巻きに「本物か…?」「ノエルさんだ」と口々に囁いている。

『何、お前有名人なん?』

「え、あはは…。そのようですね…」

 ヘアバンドを押さえながら少女は笑った。

「ノエルさんになんて口を聞いてるんだ新人が!」

「ノエル・フランチェスカ…彼女はソロでありながらダイヤ級を筆頭する強さの冒険者だぞ!【双銃のノエル】聞いた事ないのか!?」

「S級昇格も時間の問題だ!」

 【鋼の剣】の若い面々がノエルを担ぎ上げる。彼女は満更でもないらしく、ニヤニヤと頬が動いた。

『へぇー?【双銃のノエル】?【転倒のノエル】の方がよっぽど似合ってるぜ。いて』

 小馬鹿にした青年の足をノエルが歪んだ笑顔のまま踏ん付ける。
 スレインを傷付けたとして、クルルは頬を膨らませノエルに咎めるような視線を投げた。

「ノエル、スレインを虐めたらダメ」

「うぐ、クルルさんは私がスレインさんを虐めてるように見えるんですかっ!?」

「…ちがう?」

「寧ろ逆ですよッ!私が虐められてますッ!」

 白い髪を揺らしたクルルは首を傾げる。悪戯っ子のように笑う青年を見上げると『クルルは俺の味方だもんな』と頭をぽんぽん撫でられた。
 当然の如く「ん、」と短く返事をしてスレインの胸筋に顔を埋める。

「――皆、共同クエストを承諾してくれて嬉しく思う。出発は3日後、東側外壁門の前で!」

 ゼンの言葉を合図に各々は解散した。

 スレインは立ち上がって大きく伸びをする。そこへノエルが忍び寄り耳打ちをした。

「スレインさん、命に関わる非常事態を除いて魔術を使用しないようにして下さい。今回のクエストでは他の冒険者の目があります」

『はぁ?何で…』

「言ったじゃないですか!隠さないと剥奪もありえるって…!少しは人の話をちゃんと聞いて下さいよぉ!」

『あ?あー…。考えとくワ』

 そう言えばそんな事を…と、やっと思い至ったスレインはその場凌ぎの返事をしたのだった。

◆◇◆◇◆◇

 3人で冒険者ギルドを後にして、大通りを歩いていたところ店主に声を掛けてもらい今に至る。

『でも【双銃のノエル】ってのは笑えたぞ』

「ムキーーッ!スレインさんも今に【暴君】とか【極悪人】とかぴったりのアダ名が付きますよ」

 スレインの頬が僅かにピクリと動く。『学習しねーなテメーは…』と指の関節を鳴らす青年に、ノエルは慌ててクルルの後ろへ隠れた。

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