上 下
17 / 53
二章

16話【退廃の味】

しおりを挟む


 レインは頭を振る。とうとう目までイカれたか。大昔の出来事を思い出すどころか、幻視している。恰も目の前で繰り広げられてるかの如く、当時を目撃した。
 湿地の粘ついた湿気や、水飛沫まで確かに感じたのだ。

 これが極度のストレス、又は睡眠不足による幻覚だとしてもタチが悪い。

 今度は右側に少年が蹲っていた。先程より少し成長している。場面は移り変わり、そこはスペトラード伯爵家の庭だった。真新しい調度品が目に付く。

 ダリアの花が咲き誇る花壇の脇に、召使の少年はしゃがみ此方に背を向けている。

 レインは奴隷商に売られ、帝国に流れた。

 人間の子供は比較的売れやすい。直ぐに買い手が現れ、商談は円滑に進んだ。
 帝国の子爵貴族に売られたレインは、まず礼儀作法を叩き込まれた。
 言葉を間違えると手鞭で叩かれ、失敗すると杖で脛を小突かれる。度を超えた熱心な教育により、完璧な礼儀作法マナーを覚えるのに時間は掛からなかった。

 そして転機が訪れる。

 当時仕えていた子爵家が、伯爵夫人の懐妊祝いに献上品としてレインを差し出したのだ。
 奴隷として使い潰しにされると身を縮めたが、マルグリットはその様な事はしなかった。

「レイン」

 優しい声が響く。燃えるような赤毛の、髪の長いドレス姿の女性が歩いて来た。

「何をしているのです?」

 凛とした淑女は屈み込む少年に尋ねる。彼は「小鳥が…」と困った顔をした。
 見れば1羽の鳥がレインの掌でもがいている。

『申し訳ありません、マルグリット様…。飛べるようになるまで、面倒を見ても宜しいでしょうか』

 窺いを立てる少年に、伯爵夫人は「レインは優しい子ですね」と目を細めた。

 “優しい子”。

 両親がそう願い、名付けた本源。
 慈雨のように優しくあれ。いつしかそれはレインを縛る呪いになった。

 優しく在らねばならない。

 身を挺して庇い、生かしてくれた両親の為にも。
 2人が願った通りに、2人のようにいつでも謹厚に、懇切に、柔和に。

 レインは目立ちたがり屋で恐れ知らず、活発な性格から、穏やかでひたすら優しい青年に成長した。

 朝日に溶けてしまう程に存在が希薄。それは奴隷の彼が身を守る為、無意識に気配を殺していたからに他ならない。

 レインは自我を晒さないし、話さない。属性を隠すがあまり秘密主義が身に付いた。
 悟られぬよう常に気を張っている。しかしそれを微塵も、態度に出したりしない。
 どんな時も笑って愛想を忘れず、一歩引いて見ていた。それは謹厚に似た、ただの自己防衛だった。

 世界が音を立てて砕ける。

 足元が崩落し、暗闇の中に落ちた。砕けた世界の破片と共に下へ下へと堕ちていく。

 フと気付けば、また悪辣な貯蔵庫へ戻っていた。

 いつの間にか眠って、夢でも見ていたのかと思い返す。満開に咲くダリアの香りが、まだ残っている気がした。

 今度は、レインが座っている左側で物音がした。顔を向ければあの少年が、また花壇の脇で座り込んでいる。
 小さな背中が頻繁に動いて、懸命に何かをしていた。

 暫く考え、レインは立ち上がった。少年の横に並び、彼の手元に視線を落とす。レインには少年が何をしているのか、見る前に既に分かっていた。

 小箱に花が敷き詰められ、その中に小鳥が入っていた。献身的な看護も虚しく、小鳥は命を落としたのだ。

 少年は鳥の為に墓を作っていた。
 
『優しくして何か得られたか?』

 レインが少年に向けた言葉は、自分でも驚く程に冷めていて鋭利だった。

「何かを得たくてしてるんじゃないんだ。これは、…2人が望んだ事だから」

 穴を掘る手は止めず、少年は小さく笑う。

『馬鹿か?それを口癖にしていた2人の最期を見た筈だ。尽くしていた村に密告された。奴らに殺されたようなもんだ』

「見返りを求めてるんじゃないよ。これは、僕の自己満足さ」

 哀愁満ちた様子で箱を撫でて、少年は掘った穴に小箱を入れた。
 土を被せている小さな身体を、多少の苛立ちを覚えて見ていると、世界が割れる。

 非現実的な光景。見ている全てが粉々に砕ける。少年は勿論、鳥の死骸や囲む花々、噴水など順番に崩れ去って暗闇に飲まれていく。

 目を開くと、そこは屋敷の廊下だった。その通路を今までに何度も往復した記憶が蘇る。
 近くで諍いの声が聞こえたので、足は自然にそちらを向いた。物置の中から激しい物音がする。

「奴隷が!貴様など生きてる事が国の汚点だ!」

 同世代の使用人に囲まれた少年が、尻餅を突き頬を抑えていた。殴られたようだ。
 少年は「申し訳ありません…」と力無く謝る。

「奴隷の癖にマルグリット様の召使だと?俺達を差し置いて…ふざけるな!」

「申し訳ありません…」

 がなり立てる召使たちに対し、額を地面に付けて頭を垂れた。その顔に唾を吐き掛けられる。

「思いあがるなよ愚民が…貴様はその顔で床を掃除しているのがお似合いだ」

 上等な革靴で頭を踏まれる。その様はあの日――団長に食い下がった日を彷彿とさせた。

「縮こまって生きていけ!」
「奴隷は奴隷らしく肥溜めでも攫ってろ」
「魔法の1つも使えねー癖に!」

 少年が袋叩きにされている様子をすぐ近くに座り、頬杖を突いて静観する。
 誰もレインに気付かない。当たり前だった。あの時、他には誰も居なかったのだから。

 殴られ、蹴られる度に押し殺したような声が漏れた。

 疲れた使用人達が散った後、虫の息の少年に声を掛ける。

『ホラ、弱ければ淘汰されるだけだ』

 搾取されている今の自分のように。

「…、でも……きっと」

 少年の口が小さく動いた。
 彼の考えている事が手に取るように分かる。いつか分かり合えると、まだ希望を持っている少年の思考に嫌気がさした。
 無性に苛立って目の下が痙攣する。

『正しい解を愚かなお前にくれてやる。全ての答えは今の俺だ』

 小さな少年は腫れ上がった顔でレインを見上げた。

『ホラ、無様に這いつくばって目の奥の俺を見ろ』

 青年は、倒れる少年の目を無理矢理こじ開けて、双眸を覗き込む。
 ガラス玉のような琥珀に、血塗れで椅子に座る男が映り込んだ。

『この世は弱肉強食だ。弱ければ死ぬか、尊厳を踏み躙られる。慈悲を期待しても無駄だ。救いは無い。優しさなんて、何の意味も無い』

 身をもって体現していた。少年の腫れた目から一筋涙が零れる。

 世界が歪んだ。

 辺りが闇に飲まれ寸分の光も届かない。空気の中を揺蕩うような感覚。闇に包まれているのか、それとも自分自身が闇なのか境界が分からなくなる。上も下も左右もない。あるのは広がる漆黒だけだ。

 急に、存在を引っ張られる。無かった身体が形成され、気付けば自室に立っていた。

 屋敷の中に与えられた居場所。元々物置きだった部屋を改築して作られた、彼の心の安らぎ。
 自室を与えられた。まるでそれは此処に居ても良いと、必要なのだと言われているようで…。

「げほ、げほ」

 ベッドに横たわる青年は苦しそうにしている。肌は汗ばみ、顔が赤い。サイドテーブルに乗った洗面器には吐血の跡が窺える。
 主人の毒味で死に掛けている青年を一瞥したレインが、無遠慮にベッドに腰掛ける。使い古された薄くて固いマットレスは重さも吸収しない。

『気が済んだか?周りにどれだけ優しくしても、お前が死に掛けてる時には誰も優しくしてくれない』

「はぁ、…はぁ…。良いんだ。僕がしたいだけなんだから」

 薄弱の笑みを浮かべる。それを聞いたレインは舌打ちをした。

『お前は偽善の塊だ。虫唾が走る』

「…」

 嫌悪感に眉を寄せ、立ち上がる。
 その途端、瞬き程の刹那の間に再び場所が変わった。

 扉が並ぶ客人用のトイレ。小窓の近くにバケツと箒が置かれている。
 目前に、掃除に精を出す青年の後ろ姿があった。
 
「頑張っていればきっと」

『無駄だ』

「いつか」

『お前が何をしても』

「生きてる意味が見つかる」

『報われない』

 吐き捨てると、青年がゆっくりと立ち上がり此方を振り返る。レインを真っ直ぐに見詰め、微笑みを浮かべていた。

「奴隷でも幸せになれる」

 あの時、母が泣きながら紡いだ言葉を鮮やかに思い出す。

 いつか幸福に満たされたいと願う、忌々しい考えに吐き気を催す。レインは髪を揺らし、直ぐに『黙れ』と言い捨てた。

「居場所があるだけで充分だ」

『そんな物はない。ただのまやかしだ』

 知っていた。自室を与えられたのは体裁を整える為だと。
 毒素を取り込んだ際、他者に感染らぬようにとられた措置なのだと。…知っていたのだ。

『言っただろう?お前には何の価値もない』

「…」

 初めて、青年が悲しげな表情をする。

『散々奪われて嘲られて、終いには蝿と蛆に塗れて死んでいくのさ』

「…」

『お前は全てを受け入れて大人しくくたばるのか?』

 世界がバキバキと音を立てて罅割れた。

 崩れたそこから現れたのは、蠅と蛆、ゴキブリが蔓延るあの地獄。
 襲い来る腐臭と死臭に頭が冴え渡る。

「君は強欲で醜悪で、本当に僕にそっくりだね」

 小さな少年が目の前に居た。今までの柔和な笑みではなく、嗤笑が張り付いている。

『当たり前だ』

は君で、」

はお前だ』

 レインの首に手を回した少年の体温を確かに感じた。抱き付いて来た少年の背を撫でる。

『後は全部俺が引き受けてやる』

「君は優しいね。…でも忘れたの?僕は君だ」

『…』

「全てを壊して踏み越えて、その先に何があるの?」

 少年は問い掛けた。

『…自由だ』

 レインの答えに瞠目する。そして静かに笑って、吐息した。

「…嗚呼、そうだね。それこそ僕達が求めていたモノだ」

 遠い昔に失ったモノ。諦めていたモノ。

『俺は、俺を支配しようとする奴らには容赦はしない。邪魔する奴らは皆殺しにして喰らい尽くしてやる』

 自由に焦がれていた彼が出した解。

『だから、もうお前は休め』

 最後に少年に目を向ける。背を撫でていた手が頭へ移動し、髪を引き掴む。
 レインは少年のか細い首に噛み付き、その肉を貪った。生温かい血液が迸り、顔を汚す。咀嚼される少年はいつまでも微笑みを携えていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

平山和人
ファンタジー
かつては伝説の魔法使いと謳われたアークは中年となり、衰えた存在になった。 ある日、所属していたパーティーのリーダーから「老いさらばえたおっさんは必要ない」とパーティーを追い出される。 身も心も疲弊したアークは、辺境の地と拠点を移し、自給自足のスローライフを送っていた。 そんなある日、森の中で呪いをかけられた瀕死のフェニックスを発見し、これを助ける。 フェニックスはお礼に、アークを若返らせてくれるのだった。若返ったおかげで、全盛期以上の力を手に入れたアークは、史上最強の大賢者となる。 一方アークを追放したパーティーはアークを失ったことで、没落の道を辿ることになる。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

KeyBow
ファンタジー
 日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】  変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。  【アホが見ーる馬のけーつ♪  スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】  はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。  出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!  行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。  悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!  一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ユウ
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜

KeyBow
ファンタジー
 世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。  いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。  その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。  富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。  そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。  その中の強化と鑑定がヤバかった。  鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!  強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。  タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・

S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 主人公ライルはブリケード王国の第一王子である。  しかし、ある日―― 「ライル。お前を我がブリケード王家から追放する!」  父であるバリオス・ブリケード国王から、そう宣言されてしまう。 「お、俺のスキルが真の力を発揮すれば、きっとこの国の役に立てます」  ライルは必死にそうすがりつく。 「はっ! ライルが本当に授かったスキルは、【トカゲ化】か何かだろ? いくら隠したいからって、【竜化】だなんて嘘をつくなんてよ」  弟である第二王子のガルドから、そう突き放されてしまう。  失意のまま辺境に逃げたライルは、かつて親しくしていた少女ルーシーに匿われる。 「苦労したんだな。とりあえずは、この村でゆっくりしてくれよ」  ライルの辺境での慎ましくも幸せな生活が始まる。  だが、それを脅かす者たちが近づきつつあった……。

拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~

荒井竜馬
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。 ========================= <<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>> 参加時325位 → 現在5位! 応援よろしくお願いします!(´▽`) =========================  S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。  ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。  崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。  そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。  今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。  そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。  それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。  ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。  他サイトでも掲載しています。

処理中です...