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前兆
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本当は、今日もレベル上げをする予定だった。
マルチに声を掛けて、ガンダルにも声を掛けた。
そしていざ行こうとした時、何故か王国兵士に捕まったんだ。
捕まったと言っても拘束された訳じゃないからね!
・王国兵士
「ライオット殿、申し訳ありませんが国王との謁見をお願いしたい。」
そんな風に言われたんだ。
てか、普通は国王との謁見をお願いする事はあってもお願いされる事は無いんじゃない?
俺、ただの一般ピーポーなんですが、、、
とりあえず呼ばれたので、仕方なく行く事にしたのだが、ぁぁ、、、レベル上げしたかったなぁ~
~オルドラ王国・国王の間~
・国王
「分かってくれミズキよ。
この服を孤児達に配る事は出来ない。」
・ミズキ
「何故ですか?これから寒くなる季節です。
この服があれば凍死してしまう孤児たちを減らす事が出来るのですよ?
昨年、凍死した子供たちの数は報告書で知っているはずです。それでも反対なさるのですか?」
いつもなら「御意」の一言で終わってたのだが、ライオットの嫁となり王国隠密から離れ気味のミズキは国王の決定に反対していた。
自分も孤児出身であり、隠密として拾われなければ凍死していただろう。
そう思うと反対の意見を言ってしまっても仕方ないのかもしれない。
・オーランド
「ミズキよ、国王の決定に意見したい気持ちは解る。だが、何も考えなしにこの様な決定をした訳ではないぞ?
その辺りは理解しているのだろう?」
・ミズキ
「勿論です。
でも、凍死していく子供たちを救う手立てがあるのに、その手立てを手放してしまう事が私にはどうしても納得いかない、、、」
国王自身もミズキの言い分は理解している。
孤児たちを守りたい、その気持ちは国王にもある。
守りたいからこその、この決断だという事がどうしても伝わらない。
堂々巡りの話し合いは、昨夜から続いていたのだ。
一旦、時間をおいて再度話し合いを始めた今朝もこの調子だった。
そして、国王はライオットに助け船を頼んだのだった。彼ならいい意見を出してくれるかもしれない。
些細な期待を胸に、ライオットの到着を待つ。
・王国兵士
「ライオット殿が到着いたしました。」
・国王
「おぉ、来てくれたか。」
・ミズキ
「夫を呼んだのですか?」
・国王
「即答で夫と言われると少し寂しい気もするが。
私達では話し合いの決着がつかない。
彼なら良い意見が聞けるかもと思ってな。」
・ミズキ
「なるほど、、、流石、国王様です。
素晴らしい考えだと思いますわ。」
ミズキが完全に王国よりもライオット寄りだという事に寂しさを覚える国王。
実はミズキの事を実の娘の様に可愛がっていた。
常に国の為に、民の為に、国王の為に動いていたミズキ。今ではライオットと言う人物が中心となってしまった。
やっぱり寂しいと感じてしまう国王であった。
・「おはようございます、何か御用でしょうか?」
なんとなく不機嫌そうなライオットが現れた。
営業スマイルで表に出さない辺りが大人っぽい。
若く見えるのに大したものだ。
・国王
「朝早くからすまんな、、、
実はミズキが持ってきたこの服に関して意見が聞きたくてな。」
国王さんが指さした先には、昨夜ハッスルして作りまくった『奇跡の服』があった。
そう言えばミズキが持って行くって言ってたな。
て事は、この他にもまだ大量にあるのか、、、
・ミズキ
「私は、この服を孤児たちに渡したいのです。
もうじき寒い季節が到来いたします。
すると毎年孤児たちが凍死してしまいます。
この服があれば、凍死を避ける事が出来る筈。
だから、孤児達に配りたいとお願いしたら国王に反対されたのです。」
ミズキ、、、国王に様をつけなさい様を。
そうか、あの服が原因ね、、、
・国王
「この服を孤児たちに配る事は出来ぬと言った。」
・ミズキ
「だから、何故ダメなのですか!」
ミズキと国王さんが言い合っている。
昨晩もこんな感じだったと首を振るオーランド
・「ふむ、、、、成る程ね、
国王さんも理由を言わなきゃだめじゃない!
ミズキ、悪いが俺も孤児に配るのは反対だ。」
驚いた様子で俺を見るミズキ。
・ミズキ
「そう、、、ですか、、、
貴方がそう言うのなら、私は従います。」
悲しそうな素振りをしながら、ミズキは俺の発した一言で折れた。
そんなミズキの姿を見た国王も何故か心が折れた。
・国王
「そんなにあっさり承諾するなんて、、、
ワシの立場が無い。」
あ、、、王様泣きそうだ。なんかごめんね。
・「ミズキの意見は素晴らしいと思う。
だが、考えてみてくれ。
孤児たちがこの服を着ていたとしよう。
この服を着て貧民街を歩いたらどうなる?」
・ミズキ
「あ、、、、」
・「国王さんが言いたい事はそういう事だろ?」
王様が頷いてる、てか最初から説明してたらこんな事にならなかったよね?
くっそ、俺のレベル上げが、、、、
・「王様もしっかりと伝えなきゃダメじゃない!
報告・連絡・相談、『報・連・相』は大事だよ?」
一般ピーポーの俺が王様を叱っている。
その場にいる王国首脳陣はタジタジだ。
だが、そんな事は知らん!
・国王
「『報・連・相』か、、、成る程、重要な事だ。
しっかりと報告しなかった事、謝罪しよう。」
・ミズキ
「いえ、私も熱くなりすぎていました。
冷静になれば直ぐに解ったものを、今年は孤児たちを助けられると思い、浮かれていました。」
お互いに仲直りをする。
しかしミズキの表情は晴れない。
結局、今年も孤児の見殺しが決まっただけだしね。
・「んで、孤児問題はどうするんだい?国王さん」
・国王
「うむ、その件は毎年話し合いはしているのだ。
しかしな、莫大な資金が掛かるが故に、貴族達の反対意見が毎年通ってしまう。
如何に国王と言っても全ての権限がある訳じゃないからな、、、、」
どの世界でも同じだな、、、、
結局は権力と財力を持つ者が支配する世界だ。
同じで当然か。
・ミズキ
「あなた、、、どうにかならないのでしょうか?」
本当に困り果てた様子のミズキが俺に助けを求めてくる、なんとかしてあげたいけどね。
・「悪いが俺はただの冒険者だ、何も出来ない。
さらに、行政に顔を突っ込めば必ずしっぺ返しを食らうだろう。
『長いものには巻かれろ』と言う言葉がある。
平穏に生きるならその言葉が正しいだろう。
それにな、此処にはこの国を造り上げてきた多くの貴族が居る。
その人達が作り上げてきた経済を一般市民が壊す訳にもいかないだろう?」
その言葉を聞いた首脳陣達は大きく頷いている。
中には手を叩く者もいた、、、
国王は残念そうな顔をしているが、あんたもその一人だからね?
・ミズキ
「そうね、、、その通りだわ。
無茶な事を言ってごめんなさい。」
少し涙目のミズキが項垂れる。
・「すまない、人には必ず限界がある。
俺には俺の、国には国のやり方がある。
一般人が介入して良い問題ではないよ。」
・国王
「少し期待していたが、、、、
いや、其方のいう事が正解だ。
回答としては100点だろう、、、、
朝早くから呼び出して済まなかったな。」
どうやら話は着いた様だ。
これで国王も俺に対しての関心を薄めただろう。
首脳陣には俺に対する見方が変わった者も出てくるんじゃないかな?
こうして、俺はミズキと共に国王の間を出る。
貴族達に対しては高評価の謁見であった。
部屋を出たミズキは涙を流し、国王の間の外に居たマルチに慰められていた。
終わったらレバら上げに行こうかと言ってついて来てもらっていたのだ。
・ガンダル
「何があった?どうしてミズキ殿がこのような事になっているのだ?」
・「ん~、、、一言でいえば、大人の世界があったって所かな。」
首をひねるガンダル。
俺はミズキの元に向かう。
・「ミズキ、悪いが泣いている暇はないぞ?
孤児たちを救いたいんだろう?」
・ミズキ
「え、、、、、?」
ミズキが顔を上げ俺を見つめる。
、、、、、、可愛いな、じゃなかった。
・「一般人の俺では何も出来ない。
だがな、一般人には一般人のやり方がある。
はっきりと言う、上手くいく可能性は薄いぞ?
それでもやるか?」
ミズキは涙を拭き、俺に向かって大きく頷く。
オーケー、覚悟は決まった。
どこまで出来るか解らんが、、、
どれ、、、、この世界に一石を投じてみるかな。
俺たちは屋敷に戻った。
まずは作戦会議からだ!
・「今からメンバー招集を掛ける。俺は用意する物があるから3人で手分けして集めてほしい。」
・ミズキ
「御意!」
・マルチ
「分かった。」
・ガンダル
「了解だ!」
3人は元気よく飛び出していった。
ミズキがいつも通りに戻ったのが嬉しい。
目の前の机には『奇跡の服』がある。
ミズキが孤児に配ろうとしていたものだ。
城を後にする際に、「そんな訳でもうこの服必要ないよね?」更には「元々は俺のだから誰も文句は言えないよね」と言ってパクって来た。
まずはこの服の価値を確かめる必要がある。
後は類似品の大量生産だな。
いわゆるレプリカを造る。
ふふふ、楽しくなってきたぜ。
まずはプレゼン資料造りからだ。
ある程度の筋道を説明できる程度で良いだろう。
しっかりと決め過ぎると、歯車が合わない時に対応出来ん。
あくまでも異世界だという事を忘れずに行こう。
しかし、、、、、何だ?何か変だな。
しっかりしろ、孤児たちの命が係わっている。
まずは道筋、そして大きな後ろ盾の確保。
信頼を捥ぎ取れ、勝ち取れ、上手く騙す程度に。
、、、くそ、何だ?頭が痛い、、、、
俺は資料作成に入る。
時々来るこの頭痛は何なんだ?
だが、弱音を吐いている場合ではない。
時間が無い、急いで、正確に、解りやすい資料を、
、、、何故、こうも頭痛がするんだ?
痛みを堪えつつ資料を作る。
完成する頃には屋敷の食堂に、招集を掛けたメンバーが集まっていた。
先に自己紹介をしながら食事にしよう、その後ゆっくりと話し合いだ。
高鳴る心臓の音を感じつつ、俺は決戦に向かう。
どこか懐かしい、、、、、感覚を感じながら。
~登場人物~
・ライオット「主人公」
国のあり方を目の当たりにして当然だと納得する。
しかし、胸の内では自分でも解らない感情が芽生え始めた。
・ミズキ「ライオット婦人達の1人」
孤児を助けたい一心でライオットにすがる。
今まで黙認するしかなかった現実を変えてくれそうなライオットを見て心底惚れ直す。
・マルチ「ライオット婦人達の1人」
何があろうともライオットの力になりたいと願う
・ガンダル「ライオットの仲間」
ライオットの右腕的な存在になりつつある。
マルチに声を掛けて、ガンダルにも声を掛けた。
そしていざ行こうとした時、何故か王国兵士に捕まったんだ。
捕まったと言っても拘束された訳じゃないからね!
・王国兵士
「ライオット殿、申し訳ありませんが国王との謁見をお願いしたい。」
そんな風に言われたんだ。
てか、普通は国王との謁見をお願いする事はあってもお願いされる事は無いんじゃない?
俺、ただの一般ピーポーなんですが、、、
とりあえず呼ばれたので、仕方なく行く事にしたのだが、ぁぁ、、、レベル上げしたかったなぁ~
~オルドラ王国・国王の間~
・国王
「分かってくれミズキよ。
この服を孤児達に配る事は出来ない。」
・ミズキ
「何故ですか?これから寒くなる季節です。
この服があれば凍死してしまう孤児たちを減らす事が出来るのですよ?
昨年、凍死した子供たちの数は報告書で知っているはずです。それでも反対なさるのですか?」
いつもなら「御意」の一言で終わってたのだが、ライオットの嫁となり王国隠密から離れ気味のミズキは国王の決定に反対していた。
自分も孤児出身であり、隠密として拾われなければ凍死していただろう。
そう思うと反対の意見を言ってしまっても仕方ないのかもしれない。
・オーランド
「ミズキよ、国王の決定に意見したい気持ちは解る。だが、何も考えなしにこの様な決定をした訳ではないぞ?
その辺りは理解しているのだろう?」
・ミズキ
「勿論です。
でも、凍死していく子供たちを救う手立てがあるのに、その手立てを手放してしまう事が私にはどうしても納得いかない、、、」
国王自身もミズキの言い分は理解している。
孤児たちを守りたい、その気持ちは国王にもある。
守りたいからこその、この決断だという事がどうしても伝わらない。
堂々巡りの話し合いは、昨夜から続いていたのだ。
一旦、時間をおいて再度話し合いを始めた今朝もこの調子だった。
そして、国王はライオットに助け船を頼んだのだった。彼ならいい意見を出してくれるかもしれない。
些細な期待を胸に、ライオットの到着を待つ。
・王国兵士
「ライオット殿が到着いたしました。」
・国王
「おぉ、来てくれたか。」
・ミズキ
「夫を呼んだのですか?」
・国王
「即答で夫と言われると少し寂しい気もするが。
私達では話し合いの決着がつかない。
彼なら良い意見が聞けるかもと思ってな。」
・ミズキ
「なるほど、、、流石、国王様です。
素晴らしい考えだと思いますわ。」
ミズキが完全に王国よりもライオット寄りだという事に寂しさを覚える国王。
実はミズキの事を実の娘の様に可愛がっていた。
常に国の為に、民の為に、国王の為に動いていたミズキ。今ではライオットと言う人物が中心となってしまった。
やっぱり寂しいと感じてしまう国王であった。
・「おはようございます、何か御用でしょうか?」
なんとなく不機嫌そうなライオットが現れた。
営業スマイルで表に出さない辺りが大人っぽい。
若く見えるのに大したものだ。
・国王
「朝早くからすまんな、、、
実はミズキが持ってきたこの服に関して意見が聞きたくてな。」
国王さんが指さした先には、昨夜ハッスルして作りまくった『奇跡の服』があった。
そう言えばミズキが持って行くって言ってたな。
て事は、この他にもまだ大量にあるのか、、、
・ミズキ
「私は、この服を孤児たちに渡したいのです。
もうじき寒い季節が到来いたします。
すると毎年孤児たちが凍死してしまいます。
この服があれば、凍死を避ける事が出来る筈。
だから、孤児達に配りたいとお願いしたら国王に反対されたのです。」
ミズキ、、、国王に様をつけなさい様を。
そうか、あの服が原因ね、、、
・国王
「この服を孤児たちに配る事は出来ぬと言った。」
・ミズキ
「だから、何故ダメなのですか!」
ミズキと国王さんが言い合っている。
昨晩もこんな感じだったと首を振るオーランド
・「ふむ、、、、成る程ね、
国王さんも理由を言わなきゃだめじゃない!
ミズキ、悪いが俺も孤児に配るのは反対だ。」
驚いた様子で俺を見るミズキ。
・ミズキ
「そう、、、ですか、、、
貴方がそう言うのなら、私は従います。」
悲しそうな素振りをしながら、ミズキは俺の発した一言で折れた。
そんなミズキの姿を見た国王も何故か心が折れた。
・国王
「そんなにあっさり承諾するなんて、、、
ワシの立場が無い。」
あ、、、王様泣きそうだ。なんかごめんね。
・「ミズキの意見は素晴らしいと思う。
だが、考えてみてくれ。
孤児たちがこの服を着ていたとしよう。
この服を着て貧民街を歩いたらどうなる?」
・ミズキ
「あ、、、、」
・「国王さんが言いたい事はそういう事だろ?」
王様が頷いてる、てか最初から説明してたらこんな事にならなかったよね?
くっそ、俺のレベル上げが、、、、
・「王様もしっかりと伝えなきゃダメじゃない!
報告・連絡・相談、『報・連・相』は大事だよ?」
一般ピーポーの俺が王様を叱っている。
その場にいる王国首脳陣はタジタジだ。
だが、そんな事は知らん!
・国王
「『報・連・相』か、、、成る程、重要な事だ。
しっかりと報告しなかった事、謝罪しよう。」
・ミズキ
「いえ、私も熱くなりすぎていました。
冷静になれば直ぐに解ったものを、今年は孤児たちを助けられると思い、浮かれていました。」
お互いに仲直りをする。
しかしミズキの表情は晴れない。
結局、今年も孤児の見殺しが決まっただけだしね。
・「んで、孤児問題はどうするんだい?国王さん」
・国王
「うむ、その件は毎年話し合いはしているのだ。
しかしな、莫大な資金が掛かるが故に、貴族達の反対意見が毎年通ってしまう。
如何に国王と言っても全ての権限がある訳じゃないからな、、、、」
どの世界でも同じだな、、、、
結局は権力と財力を持つ者が支配する世界だ。
同じで当然か。
・ミズキ
「あなた、、、どうにかならないのでしょうか?」
本当に困り果てた様子のミズキが俺に助けを求めてくる、なんとかしてあげたいけどね。
・「悪いが俺はただの冒険者だ、何も出来ない。
さらに、行政に顔を突っ込めば必ずしっぺ返しを食らうだろう。
『長いものには巻かれろ』と言う言葉がある。
平穏に生きるならその言葉が正しいだろう。
それにな、此処にはこの国を造り上げてきた多くの貴族が居る。
その人達が作り上げてきた経済を一般市民が壊す訳にもいかないだろう?」
その言葉を聞いた首脳陣達は大きく頷いている。
中には手を叩く者もいた、、、
国王は残念そうな顔をしているが、あんたもその一人だからね?
・ミズキ
「そうね、、、その通りだわ。
無茶な事を言ってごめんなさい。」
少し涙目のミズキが項垂れる。
・「すまない、人には必ず限界がある。
俺には俺の、国には国のやり方がある。
一般人が介入して良い問題ではないよ。」
・国王
「少し期待していたが、、、、
いや、其方のいう事が正解だ。
回答としては100点だろう、、、、
朝早くから呼び出して済まなかったな。」
どうやら話は着いた様だ。
これで国王も俺に対しての関心を薄めただろう。
首脳陣には俺に対する見方が変わった者も出てくるんじゃないかな?
こうして、俺はミズキと共に国王の間を出る。
貴族達に対しては高評価の謁見であった。
部屋を出たミズキは涙を流し、国王の間の外に居たマルチに慰められていた。
終わったらレバら上げに行こうかと言ってついて来てもらっていたのだ。
・ガンダル
「何があった?どうしてミズキ殿がこのような事になっているのだ?」
・「ん~、、、一言でいえば、大人の世界があったって所かな。」
首をひねるガンダル。
俺はミズキの元に向かう。
・「ミズキ、悪いが泣いている暇はないぞ?
孤児たちを救いたいんだろう?」
・ミズキ
「え、、、、、?」
ミズキが顔を上げ俺を見つめる。
、、、、、、可愛いな、じゃなかった。
・「一般人の俺では何も出来ない。
だがな、一般人には一般人のやり方がある。
はっきりと言う、上手くいく可能性は薄いぞ?
それでもやるか?」
ミズキは涙を拭き、俺に向かって大きく頷く。
オーケー、覚悟は決まった。
どこまで出来るか解らんが、、、
どれ、、、、この世界に一石を投じてみるかな。
俺たちは屋敷に戻った。
まずは作戦会議からだ!
・「今からメンバー招集を掛ける。俺は用意する物があるから3人で手分けして集めてほしい。」
・ミズキ
「御意!」
・マルチ
「分かった。」
・ガンダル
「了解だ!」
3人は元気よく飛び出していった。
ミズキがいつも通りに戻ったのが嬉しい。
目の前の机には『奇跡の服』がある。
ミズキが孤児に配ろうとしていたものだ。
城を後にする際に、「そんな訳でもうこの服必要ないよね?」更には「元々は俺のだから誰も文句は言えないよね」と言ってパクって来た。
まずはこの服の価値を確かめる必要がある。
後は類似品の大量生産だな。
いわゆるレプリカを造る。
ふふふ、楽しくなってきたぜ。
まずはプレゼン資料造りからだ。
ある程度の筋道を説明できる程度で良いだろう。
しっかりと決め過ぎると、歯車が合わない時に対応出来ん。
あくまでも異世界だという事を忘れずに行こう。
しかし、、、、、何だ?何か変だな。
しっかりしろ、孤児たちの命が係わっている。
まずは道筋、そして大きな後ろ盾の確保。
信頼を捥ぎ取れ、勝ち取れ、上手く騙す程度に。
、、、くそ、何だ?頭が痛い、、、、
俺は資料作成に入る。
時々来るこの頭痛は何なんだ?
だが、弱音を吐いている場合ではない。
時間が無い、急いで、正確に、解りやすい資料を、
、、、何故、こうも頭痛がするんだ?
痛みを堪えつつ資料を作る。
完成する頃には屋敷の食堂に、招集を掛けたメンバーが集まっていた。
先に自己紹介をしながら食事にしよう、その後ゆっくりと話し合いだ。
高鳴る心臓の音を感じつつ、俺は決戦に向かう。
どこか懐かしい、、、、、感覚を感じながら。
~登場人物~
・ライオット「主人公」
国のあり方を目の当たりにして当然だと納得する。
しかし、胸の内では自分でも解らない感情が芽生え始めた。
・ミズキ「ライオット婦人達の1人」
孤児を助けたい一心でライオットにすがる。
今まで黙認するしかなかった現実を変えてくれそうなライオットを見て心底惚れ直す。
・マルチ「ライオット婦人達の1人」
何があろうともライオットの力になりたいと願う
・ガンダル「ライオットの仲間」
ライオットの右腕的な存在になりつつある。
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