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水属性

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・「ただいま~。」

俺はギルドの工房に持って戻って来た。
思わずただいまと言ってしまったよ。

・ギルド工房受付嬢「夜」
「お帰りなさい、ライオットさん。
遅かったですね、今日は何をしてらしたの?」

工房の受付嬢が合わせてくれた。
昼とは違うお淑やかな受付嬢さんだ。
綺麗な人だ。

・「採石場で採掘を行ってました。
えっと、買取をお願いしたいのですが。」

・工房受付嬢「夜」
「はい、銅鉱ですね。
では品物をカウンターに置いていただけますか?」

銅のインゴット32個
魔法石4個
を順々に置いて行った。

・工房受付嬢「夜」
「へっ?
インゴット32個?
これ、どうしたんですか?」

・「あ、採掘しながら作ってました。」

・工房受付嬢「夜」
「えーっ!本当ですか?
ミミに聞いてた通り、凄い人だったんだ」

聞いたことない名前が出てきた。

・「えっと、ミミさんってどなたです? 」

・ローズ
「昼の工房受付嬢の名前ですよ?
ひょっとして、ご存知なかったとか?
ちなみに私はローズと申します。
ミミはいつもあなたの事ばかり話してましたよ」

そうだったんだ。
やっぱり冒険者と製造者の二刀流は珍しいのか。
今更やめる気にはならないけどね。

・ローズ
「では査定を始めますね。」

ローズさんはインゴットを手に取って調べ始めた

・ローズ
「ふむふむ、形よし、硬さよし、
凄い艶だわ、素晴らしい出来ですね。
これなら文句無しで買取ができます。
インゴットが1つ50
32個で、1600cです
魔法石が1つ20
4個で80
ですので、合計で1680cになります。
宜しいですか?」

おお、遂に4桁の売り上げに!
これで新しく剣が買えるかな?

・「はい、それでお願いします。」

俺は報酬を貰って宿舎へと戻っていった。

・「さて、明日からどうしようかな。
とりあえず銅鉱もひと段落したし、
次は何しようか。
ゆっくり考えるか。」

ベットに寝転び、ボーッとしていた。

・「よし、決めた。
次は何処でも水の確保ができる様に、水魔法を所得しよう。
とりあえずギルドの工房で水属性の魔力変換している加工を探してみるか。」

今までやって来て食料はともかく水の確保は死活問題になると踏んでいた。
入れ物に入れた水も街に近ければ保つが、遠く離れた時には足らなくなると考えていたからだ。

・「よし、明日は起きたらギルドに行こう。
、、、、毎日行ってるけどね。」

ライオットの夜は深けていく。


~次の日~

・「おはようございます。」

今日も朝からギルドに出勤!
健康的だ。

・ミミ
「おはようでっす!
昨夜はインゴットを大量に納入してくれたみたいだね。
ありがとう!」

・「あ、ミミさんだ。
実はちょっと相談したい事がありましてね。」

ミミさんの話し方が随分砕けてる様な気がする。
毎日来てるし、常連さんになった気分だ。

・ミミ
「何かな?私に出来そうな事ならするよ!」

・「はい、えっとですね。
水属性の加工をしている職人さんっていますか?」

・ミミ
「ふむふむ、水属性ね。
ちょっと待っててね。」

ミミさんはカウンターから飛び出し、
奥の職人さん達に話を聞いている。
元気だなぁ。

・ミミ
「ライオットさん、居ましたよぉ。
こっちこっち!」

大声で俺を呼ぶ。
俺はそちらに向かって歩いて行った。

・ミミ
「こちらは錬金術士のマーダーさんです。」

そこにはフードを深く被った人物が居た。

・「はじめまして、ライオットと言います。」

・マーダー
「知っている。」

・「いきなりで申し訳ないのですが。
どうか水属性の加工方法を教えて下さい。
お願いします。」

マーダーさんがこちらをみる。
顔が少しずつニヤニヤし始めている。
ちょっと怖い。

・マーダー
「ふふふふふふ
私だ、私だ。
ふふふふふふふ」

マーダーさん、怖いです。
女性だったんですね。

・マーダー
「ちょっと。
待ってて。
準備する。」

マーダーさんは奥の部屋に入って行った。
ミミさんが小声で話しかけて来る。

・ミミ
「実はね、次にライオットさんを教えるのは誰だって工房内で話題になっててね。ライオットさんに教えるのが1つのステータスとなり始めてるのよ。」

何ですかそれ、知らないところで凄いことに。
マーダーさん、だから笑ってたのか。
笑ってたんだよな?

・ミミ
「マーダーさんがあんなに喜ぶの初めて見た。
ライオットさん、頑張ってね。」

ミミさんは受付カウンターに戻って行った。

・マーダー
「準備。
出来た。
来て。」

・「ぬぅお!」

突然後ろから声を掛けられてビビる俺。
振り返るとマーダーさんが着替えて来ていた。
着替えて来たのにフードはそのままなのね。
マーダーに付いて部屋に向かった。

・職人
「おぃ、マーダーがあの部屋に人を入れるぞ。
実験にしか興味を持たなかったのに。」

・職人
「まさか、、、、本当だ、あり得ない。
マーダー以外この工房では誰も入った事が無いはずだぞ。」

・職人
「おいおい、これは事件だ。
アイツ大丈夫か?実験に使われないか?
無事に帰って来いよ。」

・職人
「大丈夫だろう。
着替までして迎えるんだから歓迎しているはず
、、、、多分。」

後ろから、職人さん達の小さな声が聞こえた。
何だか物騒な事話してない?
ちょっと部屋に入るのが怖くなって来た。
するとそんな俺の気持ちを察したのか、
マーダーさんが振り返り、渾身のニヤケ顔で俺の手を引いて部屋の中に入れた。
そして扉が閉まる、、、

・職人一同
「無事に帰って来いよ、ライオット」

職人さん達は各々に呟いたと言う。

・マーダー
「ここに。
座って。
何が、
聞きたい?」

何故にカタコト?
思わず突っ込みかけた。

・「えっと、実は冒険時の水問題のことを考えましてですね、飲料水の精製を教えて貰おうかなと。」

・マーダー
「無理」

結論早ッ!

・マーダー
「飲料水はいつも作ってる。
でも、間に合わない。
何故か?
錬金術では、
透明だけど飲めない水しか
出来ない。」

お、少し饒舌になって来たな。
錬金術の話になると饒舌になるタイプか?

・「では、飲料水はどの様に作られるのですか?」

・マーダー
「錬金術で作った透明水。
火でグツグツしてから冷ますと飲める。」

成る程、沸騰させて消毒しているってわけね。

・マーダー
「それでも臭いがつく。
だから飲む時は色々な味をつけて飲む。」

料理所の水に味が付いていたのはそういう事か。

・「では透明な水の作り方を教えて貰いたいのですが。」

・マーダー
「教えても良いけど、
それだと水属性関係ない
でも一応教える。」

マーダーさんは一度深呼吸をする。

・マーダー
「見てて。
まず、水を川でも泥水でも良いから採取する
これが川の水。
魔力を使ってグルグル回す。
早く回すと汚れが外側に集まるから、真ん中の綺麗な水だけ切り離す様に魔力で操作する。
出来上がり。」

遠心力で汚れを外側に弾く感じか。
確かに水属性は関係ないな。
魔力の消費も殆ど無い様なものだし。

・マーダー
「水属性知りたいと聞いた。
今から教えるのは魔力を水に変換させる。
大事なのはイメージ力。
アタシは雨を想像した。
小さな水滴が集まって、水の塊を作る。
魔力を丸くして、水に変える。
こうやって、、、
出来上がり。
これもグツグツすれば飲める。
でも不思議と匂いはする。」

サクッと水を創り出したな。
マーダーさん、凄い人なんだ。

・マーダー
「魔力を水にするの、魔力を多く消費。
実際の水を回して取り出すの魔力を余り使わない、どちらもグツグツしなきゃいけない。
だから大量に作るのにはどうしても時間が必要。
毎日生産が大変。」

水は生きる上で必要不可欠だしね。
供給の量が大変そうだ。
とりあえず水の精製を試みよう。

・「やってみます。
澄んだみずをイメージ、、、澄んだ水か、、
ん~、しっくり来ないな。
どうするかな、1番身近な綺麗な水、、、
水道水かな。
最近はろ過装置も付いてたな。
それも込みでイメージするか。
水道水がろ過装置を通って綺麗になる。」

魔力を放出する。

水に変換しそのまま、ろ過装置を通らせる。
イメージして出て来た水は無味無臭の水。
マーダーさんの魔力変換を参考にして。
確かこんな感じの質だったはず。
よし、変換!

パシュ。

・水魔法を取得しました。

・「よし、出来た!」

・マーダー
「ライオットさん、凄い。
とても綺麗。」

マーダーさんが称賛してくれる。
上手く水魔法も覚えれたし、大成功だな。
後は、水の質かな。
イメージ的には飲めるはず。

俺は徐に水を飲んでみた。

・マーダー
「あ、ダメ。
そのまま飲んだらダメ。」

マーダーさんの声も間に合わず。
俺は作り出した水を飲み干した。

・「うん、美味い。
無味無臭の完璧な飲料水って所かな。」

・マーダー
「大丈夫?
臭くなかった?
変な味しなかった?
お腹痛くない?
無理してない?」

マーダーさんがめっちゃ心配してくれる。
大丈夫だと思うんだけどな。
マーダーさんにもあげてみようかな。

・「さっきの感じで、ろ過装置を通して。」

パシュ。

・「うん、上手く出来た。
マーダーさん、良かったら飲んでみます?」

・マーダー
「えっ?
私は、
その、」

流石に今まで飲んでなかったから抵抗があるのは当然か。

・「無理にとは言いませんので大丈夫ですよ。
俺が飲みますので。」

・マーダー
「まって、、、
飲んでみる。」

マーダーさんは匂いを嗅いだり、水を見つめたりした後、深呼吸してゆっくり飲み始めた。

・マーダー
「うそ、匂いがしない。
変な味もしない。
凄い、美味しい。
何これ、すごく美味しい。」

ゴクゴク飲んですぐに無くなった。

・マーダー
「ライオットさん、どうやったの?
全く匂いがしなかった。
こんなに美味しい水は初めて。
教えて、どうやって作ったの?」

俺は快く教えた。
教えたのだが、、、

・マーダー
「ろ過装置?
ろ過装置って何?」

・「フィルターですね。
フィルターを通す事で汚れを更に取るんです。
元々、想像したのが綺麗な水何ですけど、それを更に綺麗にって感じですね。」

・マーダー
「フィルター?
フィルターって何?」

あ、フィルターの概念が無いのか。
さて、どうするかな。
説明するのが意外と大変そうだ。
確か、近くに川があったな。

・「マーダーさん、
良かったら一緒に川に行きませんか?」

・マーダー
「突然どうしたの?」

マーダーさん、既に普通に話してるな。
興奮すると普通に話せるとか?

・「そこでフィルターの事を教えれるので。
実際に構造を見た方が想像し易いかな?
と思いま、、」

・マーダー
「行く!」

即答だった。
寧ろ食い気味だった。

・「では行きましょうか。」

・マーダー
「うん。」

俺達は一緒に部屋を出た。
すると職人さん達がこちらを見てざわざわしているが、とりあえず気にしないでミミさんの所に。

・「ミミさん、ちょっとマーダーさんと川に行きたいのですが、職人さんを連れ出しても大丈夫?」

・ミミ
「それはちょっと困りますね。
一応仕事中ですし、供給が多いので飲料水のノルマは日々厳しく、アタシも主な供給先の軍からガミガミ言われてるのです。」

・マーダー
「ミミ、お願い。
行かせて。」

マーダーさんが食い下がる。

・ミミ
「むー、困りました。
私個人としては行かせてあげたいのですが。」

・「俺が手伝いますよ。
1日のノルマをクリアすれば良いのであれば、後で2人でやれば間に合うと思います。
そんなに長い間行くわけじゃ無いですしね。」

マーダーさんがこちらを見て驚いている。
目がすっごいキラキラしてるな。
ちょっと可愛い。

・ミミ
「えっ?
ライオットさんもう飲料水を作れるのですか?」

ミミさんが前のめりで聞いて来た。
嫌な予感。

・ミミ
「今日だけと言わず、毎日お願いしますよ。
もう、ここに就職して下さいよ。」

やべっ、いつもの流れになって来た。

・「あ、そう言う事なんでマーダーさん借ります。
ではでは~!」

俺は逃げる様にマーダーの手を引いてギルドから逃走した。
逃げる際に銅のインゴットを拝借。
水を入れる入れ物ないしね。
そのまま川まで走った。

・マーダー
「ライオットさん、
ありがと、
かっこ、よかった。」

あ、話し方がカタコトに戻ってる。

・マーダー
「で、どうすれば良い?」

・「そうですね、まずは素材集めかな。」

マーダーさんがビクッとする。
どうしたんだろ?

・マーダー
「魔物、倒せない。」

・「あ、大丈夫ですよ。
その辺の落ちてる物ですから。」

明らかにホッとしているな。
戦いが嫌いなのかな?

・「必要な物は、石、砂利、砂ですね。
大きな物から下に行くとドンドン細かくなる。
そんな仕組みの物を作ります。」

俺は木枠を組み、漏れない様に隙間を板で塞ぐ
その辺の木を木材に出来るのは風魔法の特権だね
まあ、簡単に説明するだけだし適当で良いか。
マーダーさんはそれを見守っている。

・「下に詰める砂は細かければ細かいほど、落ちる水が綺麗になります。」

風魔法を駆使して砂を更に細かくする。
よし、出来た。
まあ、こんなもんかな。

・「完成です。
では濁った水を流してみますか。」

マーダーはワクワクしている様子だ。
俺は濁った水を上から入れる。
すると木枠の底穴から透明な水が出てくる。
暫く流して、ろ過装置をならす。
そして出来た水を汲み取って渡す。

・マーダー
「あ、透明な水になってる。
不思議。」

マーダーは匂いを嗅ぐ。

・マーダー
「匂いも殆ど無くなってる。
不思議。
砂を通るから水が汚くなると思った。」

そうだよね、俺も最初はそう思ってた。
断面を見せてあげたいな。
なんとか出来ないかな。
あ、そうだ。

・「ちょっと離れててね。」

まず、風魔法で真っ二つに切断して、
同時に切断面に風の壁を形成、、、

よし、人間やればできるもんだ。
魔法って便利。

・マーダー
「どうなってるの?」

・「風魔法で風の壁を作ってみました。
これで断面を見ながら観察できますよ。」

・マーダー
「ライオットさん。
凄い。」

・「では、もう一度水を流しますね。」

俺は水を流しながらフィルターの仕組みを説明。
マーダーは興味深く聞いている。

・「どうですか?
理解できそうです?」

・マーダー
「うん、わかった気がする。
ライオットさんは賢いね。
凄いね。」

マーダーさんに褒められる。
ちょっと嬉しい。
何となく少し調子に乗ってみたくなる。
煮沸消毒を教えてみようかな?
実は俺も詳しくは知らないけどね、
昔、TVで見た程度の知識しかない。

・「他にも綺麗な水を作る方法がありますけど、
教えましょうか?」

・マーダー
「教えて、教えて。」

マーダーさんの目が凄いキラキラしてるな。
楽しんでくれてるのかな?

・「煮沸消毒って言う方法です。
準備に少し時間が掛かりますが、
一番綺麗になると思います。
、、、、多分。」

まずは、銅のインゴットを取り出す。
インゴットで入れ物、薄い板、棒を作成
焚き火の枠を作り、上で物を煮る骨組みを作る。
次に入れ物に水を入れて、下から加熱。
入れ物の少し上に薄い板をお椀形に形成。
お椀をひっくり返す形で、入れ物から少し離して固定する。
蒸発した蒸気が逃げない様に風魔法で囲う。
板に着いた蒸気が水滴になったら水魔法で集める

・「はい、煮沸消毒の出来上がり。」

・マーダー
「無理」

マーダーさんに速攻で突っ込まれた。
よく考えたら火と風と水。
全部使ってたわ。

・マーダー
「ライオットさん。
属性3つもある。
凄い。
異常。
おかしい。」

褒められてるのか、呆れられてるのか。
ちょっと調子に乗りました。
でも、ふと気になった事がある。
風魔法はともかくイメージだけなら水と火だけでも出来るよな。
イメージなら蒸気は逃げないんだし。
イメージで水から火を作ったらどうなるんだろう

・「マーダーさん、
今この状態で水から火を起こしたらどうなりますかね?」

・マーダー
「無理。
水と火は反発する属性。
常識。」

まあ、確かにそうか。

・マーダー
「それより、
ろ過装置をイメージして、
水を作りたい。」

・「やってみますか?」

・マーダー
「うん。
見てて。」

マーダーさんはその場に座り、
ろ過、ろ過っとぶつぶつ言いながら魔力を操作し始めた。

・マーダー
「うう~、
難しい。
でも出来そうな。
気がする。」

マーダーさんの額に汗が滲む。
初めて見た装置のイメージに魔力が擦り合わないか?
何かアドバイスでも言おうと思った時。

・パシュ

・マーダー
「出来た!」

マーダーさんが水を創り出した。

・マーダー
「どう、どう?
調べて、調べて。」

マーダーさんが嬉しそうに俺に水を渡す。
俺は戸惑う事なく水を飲む。

・マーダー
「ライオットさん!
いきなり飲むなんて、大丈夫なの?
匂いとかのチェックしないの?
もしも失敗してたら体に悪いよ。
変な味しない?」

・「大丈夫ですよ。
ギルドの職人さんの腕は知ってますし。
マーダーさんなら出来るって信じてましたから。
思った通り、素晴らしい出来ですよ。
匂いも味も一切しない。
美味しい軟水ですね。」

・マーダー
「なんすい?
軟水って何?」

あ、しまった、どうしよう。
説明なんて出来ない。
コンビニの硬水と軟水の違いを知りたくて飲み比べしてただけだから、詳しくは知らない。

・「えっと、
の、飲みやすい水って事ですよ。
とても美味しいです。」

・マーダー
「美味しい?
ふふふ、美味しい。
嬉しい。」

喜んでくれてるのかな。

・「そろそろ戻りますか。
1日の飲料水を作りに行きましょう。」

・マーダー
「本当に手伝ってくれるの?」

・「もちろんですよ、約束しましたしね。」

・マーダー
「うん、約束。
約束した。
守ってくれる。
優しい。」

俺はマーダーさんと一緒にギルドに戻る。
思ったより時間が掛かり、少し日が傾いていた。
煮沸消毒とか、調子に乗ったせいかな。
何だかすみません。
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