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絶望編
第七話
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ルークside
…痛い…痛い…痛い?
ご主人様の言う通りにできなかったからお仕置き中だ。1週間くらい続いている。お尻には変なもの入れられて、口枷をつけられ手足は折り曲げられた状態で拘束されている。
ご主人様は犬みたいでいいって…。最初は痛かったり痺れたりしたけど今は感覚がない。やっぱり地下は寒いな。これからは命令を聞かないと…
「うぅ…。う」
もう慣れたはずなのに涙が止まらない。
「ーー!」
外が騒がしいな。誰か来たのかな。使用人は一年前くらいにほとんど解雇されてたし…
…誰か来た…。
「君大丈夫かい?」
優しい声。懐かしい。動かない首を回して声の方をみる。顔を見るとかっこいい男の人ですごく懐かしい感じがしたけど誰だか分からない。
男の人は扉を壊そうとしてた。
何が何だか分からないけど大きい音はお仕置きを思い出すから嫌だ…嫌嫌嫌嫌!
リオンside
すっかり変わってしまったルークをやわらかいベッドに寝かして医者を呼んだ。
「ルーク様は無理な姿勢を長い時間させられたことで歩く能力が低下しています。あとは重度の栄養失調。
…状況を聞く限り目が覚めたときにどうなるか私にも分かりません。重度のストレス下で記憶障害の可能性もありますし…」
「そうか」
叔父…いや、糞野郎を絶対に死刑より重い罪にする。絶対に許さない!
「…ん…んん。」
「ルーク!」
ルークがうっすらと目を開けてゆっくりと起き上がった。
「ーー!ギャ…ウゥ!」
「…ルーク?」
「当主様!少し離れてください。」
私が声をかけるとルークはベッド上から飛び降りてまるで犬のように威嚇してくる。
「ルーク…落ち着いて…」
可愛い弟が別人のように変わってしまった。その事実だけで、涙が出てきた。
「キュウゥン…」
私が泣いてると心配そうにルークが眺めてくる。ゆっくりと四足歩行で近寄ってきた。ルークは変わってない…優しいルークはそのままだ。
「ルーク私の言ってることは分かるかい?」
「…(コクン)」
「ルーク、私は君の兄のリオンだ。覚えているかい?」
「…!!ボク…ころしに…きた?」
「なっ!そんなわけないじゃないか!?私はルークのことをずっと愛してるぞ。」
ルークは弱々しい小さい声で聞いてきた。
「ほん…と………?うぅ…うわーーん」
「よく頑張ったな。ルーク!」
「おにいさま、ぼくまってたんだよ。捨ててないの?」
「ああ。ずっと愛してるさ。」
ルークがゆっくりと話してくれた。私からの手紙が来て縁を切ると言われたこと。
最初は信じていなかったがだんだん分からなくなってしまったこと。
「また、おにいさま…ってよんでも…いい?」
「あぁ、もちろん。」
ルークは私の答えを聞いた後安心した顔をしてまた眠った。
「ルーク様はしばらく喋っていないため声が出しづらい状況だと思います。」
「そうか…。ありがとう。また呼ぶ。」
「はい。」
まだ、ルークを苦めるものは多くあるが戻ってきてくれてよかった。
もっと早く助けられなくてごめん。
それから少しずつ喋る練習や歩くなどのリハビリを始めた。
だが、ルークはあれから一言も喋らない。
「ルーク、慣れてきたか?」
「…(コクン)」
「何かして欲しいことがあれば言うんだぞ。」
ルークは紙を取り出して何か書き始めた。
ーーおにいさま。べんきょうしたい。
がくえんにいってみたい。 ーー
「…わかったよ。」
正直、この状態のルークを外に出すのは心配だがルークの願望を叶えたい。
「よし、じゃあまずは学園に受かるための勉強を始めるか!」
「…(コクン)」
ルークside
目が覚めたら、知らない場所だった。怖い、嫌だ!
「ルーク!」
「ーー!ギャ…ウゥ!」
怖くて威嚇してしまった。ご主人様ならまた罰を与えられる。
どうしよう。
でも、周りを見ると清潔でキラキラしていて落ち着ける場所だった。ご主人様の屋敷じゃないみたい。
少したって落ち着くと老人と男の人が僕を心配そうにみている。男の人の方は身長が高くてかっこいい。なぜか懐かしい感じがする。泣いてる?どうしてだろう…でも泣かないで欲しいな。
危なくないと分かると落ち着いてきた。男の人は僕をベッド上に案内した。
「ルーク私の言ってることは分かるかい?」
「…(コクン)」
「ルーク、私は君の兄のリオンだ。覚えているかい?」
お兄様?僕の中に苦しい地獄の中で封印した記憶が蘇る。
お兄様が縁を切ると宣言した手紙。お兄様と沢山遊んだ記憶…。僕が出来損ないだから、ご主人様から引き取って処分しようとしているのかな。
「…!!ボク…ころしに…きた?」
「なっ!そんなわけないじゃないか!?私はルークのことをずっと愛してるぞ。」
久しぶりに言葉を使った。全然声は出なかったけど、少しずつ話すことができた。僕はお兄様だけには嫌われたくなかった。お兄様が僕を愛してると言ってくれたことが嬉しかった。
「……!うぅ…うわーーん」
「よく頑張ったな。ルーク!」
お兄様がご主人…いや叔父様を死刑にしたことを知るのはまだまだ先である。
僕はそれから歩く練習や喋る練習を始めた。歩くことはだんだんできてきたけど、喋ることができない。
いや…できないんじゃなくて声を出したくない。自分の声をきくとあの辛く苦しかった時に耳に入ってくる自分の間抜けで汚い声を思い出してしまうから。お兄様ごめんなさい。出来るだけ話すことはなく筆談で話すことにした。
そして僕は決めた。多分なんだけど未来を変えることはいけないことで未来を変えた反動は倍になって返ってくる。お父様とお母様を助けようとして現状はより悪くなった。
逃げちゃダメなんだ。
だからレオン様に関わり婚約者になる、ユウと出会うきっかけとなる学園に通うことを止めるのはもっと酷いことになるはず…多分だけど…。だから僕は学園に行く決心をつけた。
…痛い…痛い…痛い?
ご主人様の言う通りにできなかったからお仕置き中だ。1週間くらい続いている。お尻には変なもの入れられて、口枷をつけられ手足は折り曲げられた状態で拘束されている。
ご主人様は犬みたいでいいって…。最初は痛かったり痺れたりしたけど今は感覚がない。やっぱり地下は寒いな。これからは命令を聞かないと…
「うぅ…。う」
もう慣れたはずなのに涙が止まらない。
「ーー!」
外が騒がしいな。誰か来たのかな。使用人は一年前くらいにほとんど解雇されてたし…
…誰か来た…。
「君大丈夫かい?」
優しい声。懐かしい。動かない首を回して声の方をみる。顔を見るとかっこいい男の人ですごく懐かしい感じがしたけど誰だか分からない。
男の人は扉を壊そうとしてた。
何が何だか分からないけど大きい音はお仕置きを思い出すから嫌だ…嫌嫌嫌嫌!
リオンside
すっかり変わってしまったルークをやわらかいベッドに寝かして医者を呼んだ。
「ルーク様は無理な姿勢を長い時間させられたことで歩く能力が低下しています。あとは重度の栄養失調。
…状況を聞く限り目が覚めたときにどうなるか私にも分かりません。重度のストレス下で記憶障害の可能性もありますし…」
「そうか」
叔父…いや、糞野郎を絶対に死刑より重い罪にする。絶対に許さない!
「…ん…んん。」
「ルーク!」
ルークがうっすらと目を開けてゆっくりと起き上がった。
「ーー!ギャ…ウゥ!」
「…ルーク?」
「当主様!少し離れてください。」
私が声をかけるとルークはベッド上から飛び降りてまるで犬のように威嚇してくる。
「ルーク…落ち着いて…」
可愛い弟が別人のように変わってしまった。その事実だけで、涙が出てきた。
「キュウゥン…」
私が泣いてると心配そうにルークが眺めてくる。ゆっくりと四足歩行で近寄ってきた。ルークは変わってない…優しいルークはそのままだ。
「ルーク私の言ってることは分かるかい?」
「…(コクン)」
「ルーク、私は君の兄のリオンだ。覚えているかい?」
「…!!ボク…ころしに…きた?」
「なっ!そんなわけないじゃないか!?私はルークのことをずっと愛してるぞ。」
ルークは弱々しい小さい声で聞いてきた。
「ほん…と………?うぅ…うわーーん」
「よく頑張ったな。ルーク!」
「おにいさま、ぼくまってたんだよ。捨ててないの?」
「ああ。ずっと愛してるさ。」
ルークがゆっくりと話してくれた。私からの手紙が来て縁を切ると言われたこと。
最初は信じていなかったがだんだん分からなくなってしまったこと。
「また、おにいさま…ってよんでも…いい?」
「あぁ、もちろん。」
ルークは私の答えを聞いた後安心した顔をしてまた眠った。
「ルーク様はしばらく喋っていないため声が出しづらい状況だと思います。」
「そうか…。ありがとう。また呼ぶ。」
「はい。」
まだ、ルークを苦めるものは多くあるが戻ってきてくれてよかった。
もっと早く助けられなくてごめん。
それから少しずつ喋る練習や歩くなどのリハビリを始めた。
だが、ルークはあれから一言も喋らない。
「ルーク、慣れてきたか?」
「…(コクン)」
「何かして欲しいことがあれば言うんだぞ。」
ルークは紙を取り出して何か書き始めた。
ーーおにいさま。べんきょうしたい。
がくえんにいってみたい。 ーー
「…わかったよ。」
正直、この状態のルークを外に出すのは心配だがルークの願望を叶えたい。
「よし、じゃあまずは学園に受かるための勉強を始めるか!」
「…(コクン)」
ルークside
目が覚めたら、知らない場所だった。怖い、嫌だ!
「ルーク!」
「ーー!ギャ…ウゥ!」
怖くて威嚇してしまった。ご主人様ならまた罰を与えられる。
どうしよう。
でも、周りを見ると清潔でキラキラしていて落ち着ける場所だった。ご主人様の屋敷じゃないみたい。
少したって落ち着くと老人と男の人が僕を心配そうにみている。男の人の方は身長が高くてかっこいい。なぜか懐かしい感じがする。泣いてる?どうしてだろう…でも泣かないで欲しいな。
危なくないと分かると落ち着いてきた。男の人は僕をベッド上に案内した。
「ルーク私の言ってることは分かるかい?」
「…(コクン)」
「ルーク、私は君の兄のリオンだ。覚えているかい?」
お兄様?僕の中に苦しい地獄の中で封印した記憶が蘇る。
お兄様が縁を切ると宣言した手紙。お兄様と沢山遊んだ記憶…。僕が出来損ないだから、ご主人様から引き取って処分しようとしているのかな。
「…!!ボク…ころしに…きた?」
「なっ!そんなわけないじゃないか!?私はルークのことをずっと愛してるぞ。」
久しぶりに言葉を使った。全然声は出なかったけど、少しずつ話すことができた。僕はお兄様だけには嫌われたくなかった。お兄様が僕を愛してると言ってくれたことが嬉しかった。
「……!うぅ…うわーーん」
「よく頑張ったな。ルーク!」
お兄様がご主人…いや叔父様を死刑にしたことを知るのはまだまだ先である。
僕はそれから歩く練習や喋る練習を始めた。歩くことはだんだんできてきたけど、喋ることができない。
いや…できないんじゃなくて声を出したくない。自分の声をきくとあの辛く苦しかった時に耳に入ってくる自分の間抜けで汚い声を思い出してしまうから。お兄様ごめんなさい。出来るだけ話すことはなく筆談で話すことにした。
そして僕は決めた。多分なんだけど未来を変えることはいけないことで未来を変えた反動は倍になって返ってくる。お父様とお母様を助けようとして現状はより悪くなった。
逃げちゃダメなんだ。
だからレオン様に関わり婚約者になる、ユウと出会うきっかけとなる学園に通うことを止めるのはもっと酷いことになるはず…多分だけど…。だから僕は学園に行く決心をつけた。
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