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絶望編
第四話
しおりを挟むルークside
うぅ、どうしたらいいんだろう。お父様とお母様のお出かけを止めるのにはどうしたらいいんだろう。
二人きりではよく出掛けてるし、二人を止めることなんてできるのかな…。
そんなこと考えてたらついに当日になってしまった。
こうなったら、凄い恥ずかしいんけど…まだ、5歳だからいいよね…
「うわ~~ん!うぅ…」
「どうしたのルーク?」
「ーヒックッ!うぅ…あ。」
僕は今日のために体を冷やして風邪をひくようにした。
なんだか寒気もするし、体もだるいけどこれしか方法が思いつかなかった。お母様とお父様に家にいてもらうためには。
「これは熱があるな。」
「そうね。今日はルークの近くにいたいから予定はなしにしましょう。」
「あぁ、そうだな!」
「お父様、お母様ごめんなさい…」
本当にごめんなさい…でも、よかった。これでお父様とお母様は無事だ。なんだか安心して眠くなってきちゃった…
「かわいい子…ルークおやすみなさい。」
お母様が額にキスをしてくれた。安心する。
「おや…すみ…なさい」
「ア!ーーギャァ」
んん?外が騒がしい…。
「ルーク!」
「ーお兄…さま?」
お兄様はとても急いだ様子でベッドにいる僕を抱っこした。叫び声もあらゆるところから聞こえてきて怖い…。
「ルーク…目を閉じて耳を塞いでなさい。」
お兄様が耳元で優しく言ってくれた。
「はい…」
怖い…こんなこと前はなかった。僕が変えてしまったからこんなことになってしまったの?
お兄様は隠れながら屋敷から出た。僕は怖くてずっと泣いていた。屋敷の門から出てしばらくした後
「ルーク、もう大丈夫だよ。」
「…うう、お兄様…」
「ルーク、怪我してない?」
「はい。お兄様…お父様とお母様は?」
「……大丈夫…ルーク僕が守るからね」
あぁ、僕は間違えてしまったんだ。お父様とお母様は守れなくて…屋敷の人も守れなかったんだ。被害が広くなっただけだった。目の前がくらくらしてくる…。
「ルーク、少し寝なさい。」
「おにい…さま…」
それから夜が明けた頃に警備隊が僕達を保護しにきた。
「リオン・ヴァルワ様とルーク・ヴァルワ様ですね?よくご無事でいらっしゃいました。」
リオンside
夜、騒がしくて目が覚めた。おかしいと思って、お父様とお母様の部屋に急いで行った。
「ーカハッ!」
覗くと剣を持ったお父様がフードを深く被った男に胸を貫かれていた。お母様も剣で、戦っているが血が多く流れていて負けるのも時間の問題だった。
「お母様!」
「リオン!ルークを連れて逃げなさい!」
「そんな!僕も戦います!」
「ルークを守れるのはあなたしかいません!逃げなさい!」
「クッ!…はい。」
ルークの部屋に入ったらルークは無事で眠そうに目を擦っていた。無事であることを確認して安心した。
ルークも何か気づいたようで不安そうにこっちを見ている。
ルークを抱えて屋敷から出た。お父様とお母様は剣術も魔術も長けている。
いくら敵が大人数でも、普通なら瞬殺できる。多分さっき襲ってきたのは盗賊なんかじゃない。
剣術の訓練をしっかりと受けた人物。犯人を見つけて殺してやりたいけど、まずはルークを守ることが重要だ。
警備隊と合流し、ルークを預けて屋敷に行ったら全て燃えていた。お父様もお母様も使用人たちも全て灰になっていた。証拠隠滅だろうな。
「クソッ!」
悔しい…。許せない。
俺はまだ15歳、ルークには5歳だ。俺が次期当主だとしても、屋敷もなく流石にまだ小さいからと叔父の家に預けられることになった。
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