上 下
20 / 30
第一章 海神ポセイドン

19話 You make me laugh

しおりを挟む
ガヤガヤガヤガヤ
部屋で一休みし宴の準備が出来たと呼び出された俺たちは食堂に介し話をする


『いやー祖父の話が事実であったとはしかし祖母が生きておったら恐ろしくて話題にもだせんな。』

『てかそっちの調査の準備はどうなってるんだ??こっちはセイレーンの協力を得られたけどよ!』

シロウは気になり尋ねる

『それがの、ちと困った事になっておるのじゃ』
レオデグランスは気まずげに答える

『困った事ってどうしたんだよ?』

『実はな、漁に出た者達が戻らず船が足りないから仕事にならなくて食うに困ると言う者がけっこうおってなそやつらに船を貸しておるんじゃ、そして前回の調査に出した船も戻ってきておらぬのでシロウらを送り出すには心もとない船しかないんじゃよ。
祖父の船は大変立派だったそうだが、子どもつまりわしの父が生まれた時に売ったそうなんじゃ。
今考えれば子どもが生まれたのを機にセイレーンの所に行けなくするためだったのかもしれぬ。』


『そういえばオデュッセウスの船は大層凄い船でしたものね。
なんでもエルフの里の樹をわけてもらって造った物だとかオデュッセウスが言っていたわ。』

話を聞いていたセイレーンが答える

『なんと!?セイレーン
そなた祖父の船の事を知っておるのか!?
しかしエルフにセイレーンにと祖父の知り合いは凄い者達ばかりじゃ、さすが冒険好きで色々な所に旅立っていただけの事はあるわ。』

『えぇ。もちろん。
愛するオデュッセウスと出会った時に乗っていた船ですもの。当然知っていますわ。それに私が加護の歌をこめましたもの。嵐でも沈まない様に。
でも普通の船では加護の歌だけではとうてい嵐にはたえられません。』

『船が帰ってこないとなると丈夫で立派な船でないと同じ道を辿るやもしれぬ。
となると時間はかかるかも知れぬが、エルフの樹をもらって船を造るしかないのかのー。
しかし人前に中々姿を現さぬエルフ、どこにいるのかも検討もつかぬ。
それに果たして人間に協力してくれるかも分からぬ。』

レオデグランスが新たな問題に頭を抱えているとセイレーンが答える

『エルフの里でしたらオデュッセウスが大体の場所を教えてくれていましたわ。ここから東にある森を迷っていたら泉がある所に出て、そこでエルフに出会って里へと案内してもらったと言ってたわね。』

ん?東にある森?
それって盗賊のアジトがあった場所じゃねーか??
しかし泉なんて見かけてねーしな。
生き残った1人はまだいるのか?
あいつに聞けば何かわからねーかな?
シロウはふと思い出す。


『誠か!?では森を探せばエルフと出会えるやもしれぬ。
シロウにダイスケよ!
帰ってきてそうそうすまぬが、エルフの里へと向かいなんとか樹をわけてもらうようにしてくれぬかの??』

帰ってきてまたすぐでてくのかよ!
んーでもエルフは美人ばかりってよく聞くし見てみてーよな!!

『しゃーねー。行くか!
ダイスケもモチロンだよな?』

『エルフの樹わけてもらえたらそれで三線作ってみたいさーね。それも大丈夫なら行くさー。』

相変わらずだなダイスケは…

『お父様わた…』
『ダメじゃっ!!!
今度という今度はダメじゃ!』

グィネヴィアが言い切る前にレオデグランスは即否定する

『まだ最後まで言っておりませんわ。』

『どうせまた着いていくと言い出すつもりじゃろ?今回は絶対にダメじゃからの!』

グィネヴィアはまた、すねたように俯く

『ではまた早速となるが、明日の朝から出発でいいかの?』

『1日でも早く問題解決した方がいいだろ。それに俺もエルフってのと早く会ってみたいしな。』

『よし!
それでは続けてで本当にすまぬがシロウ、ダイスケ頼む。』

『おう!』 『大丈夫さー。』
『んじゃー明日すぐ出発だし、今日は帰ってきて疲れてるからもう寝るわ。』

シロウがそう言い出し宴は解散となった


翌朝起きて朝食を終え、出発の刻となる
今回は箱の中身も確認したから今度こそグィネヴィアは大丈夫そうだな!
などと思い馬車に乗り込むと
グィネヴィアが見送りに来たのか駆けてきてレオデグランスに話しかける

ボソッ
『お父様、本当にすみません。
サンダーレクイエムッ!!!』
バチバチバチバチィー

『ギャアァァァァーーー!』
レオデグランスが悲鳴と共に倒れるとグィネヴィアが走って馬車に乗り込み叫ぶ

『今ですわっ!
早く馬車をお出しになって!!』

だが御者は馬車を出さない
『しっ、しかしレオデグランス様がっ…』

『シロウ席を代わりなさい!
どうやら御者の方々もお父様と同じ姿になりたい様ですので』

『申し訳ありませんでしたー
すぐに出発いたしますー!!!』

ガラガラガラガラー

こうして前回同様シロウ達とグィネヴィアを乗せた馬車は目的地であるエルフの里を目指し旅立っていく…
しおりを挟む

処理中です...