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第一章 海神ポセイドン

11話 一網打尽

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キン、キンッ
『ハーッハッハッハッ!負け犬め!』

バチバチバチバチィーッ
『素晴らしいですわ。』

キンッ、キンッ
『さっさと身の程を知れ!』

バチバチバチバチィーッ
『こんなオモチャをくれたお父様に感謝ですわ。』

キンッ、バチッ
キンッ、バチッ
キンッ、バチッ

そんな地獄の様な日々が続いたある日の夜、俺はいつものようにベッドに倒れこみ眠りにつく
何時間かたった後突如頭に声が響く

《パッシブスキル、蓄電を覚えました!》
《スキル放電がスパークへと進化しました!》

シロウは驚き飛び起きる
ん?なにもねーな?
なんかスキルがどうだとか言ってやがったな?確認してみっか?

ステータス!!

名前 シロウ(♂)
種族 人間
職業 スイーパー、クリーナー
魔法 ファイア
スキル  クリーン、蓄電(New)、放電→スパーク(New)
称号 ???に笑われし者

ん??蓄電にスパーク?
どんなスキルなんだ??
蓄電はパッシブスキルって事は常時発動だろ?別に変わった感じしねーけどな?
試しにスパークっての使ってみるか!

『スパーク!』
ビリッ…………………

静電気じゃねーか!!
使えねー!
ファイアを初めて使った時を思いだしちまったぞ!
まぁファイアも今となってはタバコ吸うときにライターいらずで便利だけどな

クソっ!こんな使えねースキルで起こすんじゃねー!!
しゃーねーもう一回寝るか

翌朝またもやグィネヴィアに引きずられる様に訓練場へと連れていかれる

『さぁっ、シロウ今日こそは最大出力でぶっ殺してさしあげますわ♪
最初から全開でいきますわよ!』

昨日まではあの威力で手加減してたのか!?
ヤベー!マジで殺されちまうぞ!
今日こそマジで逃げるしかねー

『お逃げになられても無駄ですわよ!ライトニングイリュージョン』

またもや残像を残し光速で回り込まれ退路を断たれる

『ではお逝きなさい!
サンダーレクイエム!!』
バチバチバチバチィー!!!

『グアァァァーーーッ!』

………………ってあれ?なんともねーぞ?どうなってんだ?

『私の全開のサンダーレクイエムをうけて平気で立っていらっしゃるなんて生意気ですわね!
きっとたまたまに決まっていますわ!』

『サンダーレクイエム』
『サンダーレクイエム』
『サンダーレクイエム』

…………最初はいつもの癖で叫んでしまったけど、やっぱりなんともねーな?

『ハァッ、ハァッ、ハァッ』

グィネヴィアが苦しそうに肩で息をする

ボソッ
『チッ、どうやら魔力切れの様ですわね!』

『シロウ今日はこれくらいで勘弁してさしあげますわ。』

そう言い残すと護衛に連れられ訓練場を後にする!
その後ろ姿を見送ったランスロットの顔は怒りに満ちあふれている!!

『キサマごときがお嬢様の技をうけて倒れないなどとあっていいはずがない!!お嬢様に恥をかかせた罪はキサマの命で償ってもらうぞ!』

そう言うとランスロットは端正な顔を歪ませ襲いかかってきた!!

ガンッ、ガンッ、ガンッ
しかし怒り狂っているためかいつもよりかなり攻撃が大振りになっている

これなら防御はなんとかなりそうだな!
ただ攻撃手段がねーんだよなー
でもいつまでも防戦一方ってわけにもいかねーぞ
いつか喰らっちまう!

えーいこうなったら、いちかばちかだシロウはランスロットに手を向け
『スパーク!』
バリバリバリバリ、ドーン!!

激しい電撃と轟音が鳴り響き煙がたつ!

んだこりゃー!?昨日は静電気くらいしか出なかったのによ!?
さすがにこんなもん喰らったらランスロットもひとたまりもねーだろっ!!
なんて思っていると煙が消える

なんとランスロットは剣を支えにして片膝をつきながらもまだ立っていた!

『ゆ、許さん!キサマだけは許さんぞ!!』

怒りで歪んだ顔をさらに歪ませこちらをにらみつけている

地球にいた時もこんな顔と根性してる奴は最後に何してくるかわかんねーから危ねーんだよな
まぁ今まで俺の事散々いたぶってなめてくれたしそのお返しをしなきゃな!

シロウはランスロットの顔に手を当て
叫ぶ
『スパーク』
そして
ボソッ
『グッバイ!ランスロット』
……………………パチッ

おいおい、かっこよくグッバイ!ランスロットとかつぶやいたのにまた静電気じゃねーか!!しかも弱いやつ!
恥ずかしすぎるぞ!
ってか何なんだ?このスパークってのは?おっそろしい威力が出たかと思えば、静電気みたいな時もあるしよ!
毎回ランダムの運なのか!?

ガチャン、バタッ

ランスロットは持っていた剣を手放しついに倒れる!

ププッ!あんだけ上等きっといてこいつ最後は静電気でたおれてやんの!
ざまーみやがれっ!!

でもまぁ、最後に見せたあの根性は凄まじかったな
普段はともかく嫌いじゃねーぜこんなやつ!
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