63 / 66
十二・五「あまやどり」
(62)同期の桜は
しおりを挟む
(えっ、ちょっと待って。なにこれ、気まずっ)
座ってみて初めて気付いた。これは、かなり気まずい状況ではないかと。
本人の前で口に出すようなヘマはしないが、再三言っている通りに睦郎はこの男の存在が嫌いだ。艦内で本人がいないのを良いことに言いたい放題していた記憶が脳裏を過っていき、思わず自分で自分を殴りそうになる。穴があったら入りたい、というやつだ。
「…………」
「…………」
ちらっと横目で隣の青年を見てみるが、相手は我関せずとばかりに猫と戯れている。なお、その猫は数日前に睦郎と鶴田という重巡「古鷹」幹部二人を手玉に取ってあしらった化け猫だ。
あの時、睦郎相手に上位存在としての圧倒的存在感を見せ付けて敗北させた猫がなんということでしょう。この麗しの青年将校の前では、まるで骨抜きになったようである。ガーゴンガーゴンなどというまるで発動機のような音を奏でて喉を鳴らしつつ、目を細めて喜んでいた。鶴田に対するあの不遜な態度とは大違い。
やっぱり顔か、顔なのか。人だけではなく、猫も顔で選ぶのか。そういえば赤岡も、尾坂とは別方面で美形だった。顔で選んでいるのかこの猫は。たとえ性格が最悪でも、顔さえよければ良いのか
(ぜっ……たいにムリ……隣に座って雨が止むまでって言われても、どうやって間ぁ持たせたらエエねんって話やで)
雨足は収まるどころか益々勢いを増している。遠くの方ではゴロゴロと雷までが鳴り出した。そして、睦郎を隣へ誘った当の本人はと言うと、自分から呼びかけたくせして会話を続けようという努力さえ見せない始末。
気まずい。ただただ気まずい。一方的に嫌ってボロクソ罵倒していた相手だったが、いざ隣に来たら何も言えずに意気消沈してしまう。存外、内弁慶な睦郎であった。
(うわあああ……なんとか、なんとか何でもエエから話題を……!)
会話をしていなければ居心地が悪すぎて死ぬ。頭を抱えながら、睦郎はどうにかして会話するきっかけを作ろうと必死で自分の記憶の中から関連のありそうな情報を引っ張り出していった。
瀧本大尉関係はダメだ、本人から口止めされている。艦内関係のこともダメ、機密事項が多すぎる。猫……も、ダメだ。この手合いの人間は、家の猫が一番可愛いとしか言わないに決まってる。
と、ここで睦郎が誇る灰色の脳細胞がある事実をポンと導きだした。さすがは勉強のやりすぎで兵学校に落ちた奴が行く学校と言われる海軍経理学校を卒業しただけのことはある。普段の言動があれなせいで忘れられがちだが、本来睦郎はとても頭の良い人物なのだ。
「いや、ちょい待ち」
まさに天啓。とばかりに睦郎は口を開く。先程からあまりにも当然のように言われているせいで、流しそうになってしまったとある事実をビシッと指摘してやった。
「なにか」
「なにか、やない。お前さん、なんで俺の名前を知っとるんや」
そうだ、その通り。初対面から当たり前のように呼ばれていたせいで中々気が付かなかったが、そもそもなぜこの男は睦郎の名前を知っているのだ。
断っておくが、睦郎はこの男の前で一度でも名乗った覚えはない。それに、まがりなりにも陸軍の将校サマが、なぜ士官とはいえ将校相当官でしかない──しかも海軍である睦郎の顔と名前を知っている。まったくもって解せない話だ。鼻息も荒く、睦郎は尾坂に詰めよった。
「……貴公は存じておられないかと思いますが」
うなっ、と猫が鳴いた。しつこく撫ですぎたからだろうか、それともみじろきをしたからだろうか。尾坂の太腿をいたくお気に召しているらしいナハトが、彼の指先にギリギリと爪を引っ掻けて静かに抗議をしていた。そんなに人の膝枕が気に入ったのだろうか。
一歩も引かぬナハトに早々折れた尾坂は、黒猫の望むがままを叶えてやりつつ、ポロッと爆弾を落としていく。
「私は、貴公と十年前に会っていますので」
「えっ」
「なので、その時にお顔とお名前は覚えておりました」
一瞬、何を言われたのか理解できずに睦郎は宇宙を見た気がした。この男、いったい何を言い出すのだ。
「十年前、海軍省にお勤めでした貴公の元に弟君が訪ねて来られたでしょう」
「あっ……え?」
「鷹山千晴。少佐殿の弟でお間違え無いでしょう」
尾坂の口から出てきた名前を聞いて、そして睦郎は雷に撃たれたような衝撃を受けてしまった。ピッシャーンと鳴り響く音は、現実かそれとも幻聴か。
鷹山千晴──それは、睦郎が大阪の養家に残してきた一番下の弟の名前だ。
「チハっ……は? おま、あいつの知り合いなん?」
そういえば、弟の千晴とこの男は同じ陸士35期卒だった。しかし、千晴の成績は全卒業生の中でも中の上辺りだったはず。首席卒業の恩賜組で、幼年学校も広島であった尾坂との接点など無いに等しいのに、なぜ。
「あの時、千晴さんが「一人で行くのが怖い」と泣き言を漏らしましたので、私が付いていってやりました」
「へ?」
「遠目からでしたが、貴公のお顔はしっかり拝見いたしておりましたゆえ。昨年の年末に道端で偶然見かけて声をかけようか迷いましたが、お急ぎのようでしたので止めました」
尾坂の声がグルグルと脳内を巡り、刺激されて出てきた記憶に変な声を上げそうになる。
それは十年前、睦郎がまだ中尉で一時赤レンガに勤めていた頃の話だ。養家からほぼ家出同然で出ていった睦郎だったから、当然ながら行き先なども教えてはいなかった。最低限の義務として、帝大の給仕の仕事を貰えたと書いて送ったのと、そのあと海軍の士官になったことを盛大に自慢してやった手紙だけ。それだけ送って養家とは連絡さえ取り合っていなかったのだが、どうやら千晴はその僅かな手がかりを元にして睦郎を探し当てたらしい。
十年前、それが睦郎と弟が再会した頃合いだ。まさか、その時に付き添いでこの男が来ていたとは思いもよらなかった睦郎は、愕然となって思考を飛ばす。
「えっ……待って。ちょお待ち、にーちゃん。お前さん、覚えとったんか? いや、だって……え?」
「あいにく私は、昔から一度見たもの聞いたものは忘れない質でありまして」
一度見た人間の顔と名前を覚えることなど造作も無い、などと言われて睦郎は意識が遠退きそうになった。
なんだ、この壮大な話しは。もしかせずとも、睦郎は今、とんでもない化け物と話をしているのではないか。
聞けばこの男、自分が率いる中隊どころか連隊に属する将兵全員の顔と名前を覚えているとか。あっけらかんと言って良いことでは無いと思うのは睦郎だけではあるまい。
ずば抜けた記憶力に加え、それらを瞬時にひっぱり出してくる能力の高さ。なるほど、陸軍でも勉強大好きな変態ばかりがひしめき合う砲工学校高等科を首席卒業した挙げ句に米国の名門大学を卒業した頭脳は伊達では無いらしい。
だから、よけいに理解不能だった。こんな恐ろしいほど冴えた人間が、どうして自分の愚弟の名を親しげに呼んだ挙げ句にまるで友人のような扱いをされているのか。まったくもって意味不明だ。ところでなんだ「一人で行くのが怖い」とは。我が弟ながら情けないと涙する睦郎であった。
「貴公の弟君には陸士で散々世話になった身の上でありましてね。私は、彼のことを友人だと認識しておりますが」
「は?」
「昨年の六月に帰国してすぐ千晴さんに会いに行ったのでありますがね。その時……彼も私を友人だと言ってくれたのが嬉しかった」
「──」
その時、睦郎は恐ろしいものを目撃してしまって盛大に固まる。
誰が予想したか。冷徹、冷酷、冷血漢の三拍子が揃った血も涙も無い化け物と噂されている全てにおいて完璧である男が、微かではあるが唇に弧を描いてはにかんでいる姿など。
少なくとも睦郎は想定さえしていなかった。そうで無ければ、これほどまでに硬直してはいない。
座ってみて初めて気付いた。これは、かなり気まずい状況ではないかと。
本人の前で口に出すようなヘマはしないが、再三言っている通りに睦郎はこの男の存在が嫌いだ。艦内で本人がいないのを良いことに言いたい放題していた記憶が脳裏を過っていき、思わず自分で自分を殴りそうになる。穴があったら入りたい、というやつだ。
「…………」
「…………」
ちらっと横目で隣の青年を見てみるが、相手は我関せずとばかりに猫と戯れている。なお、その猫は数日前に睦郎と鶴田という重巡「古鷹」幹部二人を手玉に取ってあしらった化け猫だ。
あの時、睦郎相手に上位存在としての圧倒的存在感を見せ付けて敗北させた猫がなんということでしょう。この麗しの青年将校の前では、まるで骨抜きになったようである。ガーゴンガーゴンなどというまるで発動機のような音を奏でて喉を鳴らしつつ、目を細めて喜んでいた。鶴田に対するあの不遜な態度とは大違い。
やっぱり顔か、顔なのか。人だけではなく、猫も顔で選ぶのか。そういえば赤岡も、尾坂とは別方面で美形だった。顔で選んでいるのかこの猫は。たとえ性格が最悪でも、顔さえよければ良いのか
(ぜっ……たいにムリ……隣に座って雨が止むまでって言われても、どうやって間ぁ持たせたらエエねんって話やで)
雨足は収まるどころか益々勢いを増している。遠くの方ではゴロゴロと雷までが鳴り出した。そして、睦郎を隣へ誘った当の本人はと言うと、自分から呼びかけたくせして会話を続けようという努力さえ見せない始末。
気まずい。ただただ気まずい。一方的に嫌ってボロクソ罵倒していた相手だったが、いざ隣に来たら何も言えずに意気消沈してしまう。存外、内弁慶な睦郎であった。
(うわあああ……なんとか、なんとか何でもエエから話題を……!)
会話をしていなければ居心地が悪すぎて死ぬ。頭を抱えながら、睦郎はどうにかして会話するきっかけを作ろうと必死で自分の記憶の中から関連のありそうな情報を引っ張り出していった。
瀧本大尉関係はダメだ、本人から口止めされている。艦内関係のこともダメ、機密事項が多すぎる。猫……も、ダメだ。この手合いの人間は、家の猫が一番可愛いとしか言わないに決まってる。
と、ここで睦郎が誇る灰色の脳細胞がある事実をポンと導きだした。さすがは勉強のやりすぎで兵学校に落ちた奴が行く学校と言われる海軍経理学校を卒業しただけのことはある。普段の言動があれなせいで忘れられがちだが、本来睦郎はとても頭の良い人物なのだ。
「いや、ちょい待ち」
まさに天啓。とばかりに睦郎は口を開く。先程からあまりにも当然のように言われているせいで、流しそうになってしまったとある事実をビシッと指摘してやった。
「なにか」
「なにか、やない。お前さん、なんで俺の名前を知っとるんや」
そうだ、その通り。初対面から当たり前のように呼ばれていたせいで中々気が付かなかったが、そもそもなぜこの男は睦郎の名前を知っているのだ。
断っておくが、睦郎はこの男の前で一度でも名乗った覚えはない。それに、まがりなりにも陸軍の将校サマが、なぜ士官とはいえ将校相当官でしかない──しかも海軍である睦郎の顔と名前を知っている。まったくもって解せない話だ。鼻息も荒く、睦郎は尾坂に詰めよった。
「……貴公は存じておられないかと思いますが」
うなっ、と猫が鳴いた。しつこく撫ですぎたからだろうか、それともみじろきをしたからだろうか。尾坂の太腿をいたくお気に召しているらしいナハトが、彼の指先にギリギリと爪を引っ掻けて静かに抗議をしていた。そんなに人の膝枕が気に入ったのだろうか。
一歩も引かぬナハトに早々折れた尾坂は、黒猫の望むがままを叶えてやりつつ、ポロッと爆弾を落としていく。
「私は、貴公と十年前に会っていますので」
「えっ」
「なので、その時にお顔とお名前は覚えておりました」
一瞬、何を言われたのか理解できずに睦郎は宇宙を見た気がした。この男、いったい何を言い出すのだ。
「十年前、海軍省にお勤めでした貴公の元に弟君が訪ねて来られたでしょう」
「あっ……え?」
「鷹山千晴。少佐殿の弟でお間違え無いでしょう」
尾坂の口から出てきた名前を聞いて、そして睦郎は雷に撃たれたような衝撃を受けてしまった。ピッシャーンと鳴り響く音は、現実かそれとも幻聴か。
鷹山千晴──それは、睦郎が大阪の養家に残してきた一番下の弟の名前だ。
「チハっ……は? おま、あいつの知り合いなん?」
そういえば、弟の千晴とこの男は同じ陸士35期卒だった。しかし、千晴の成績は全卒業生の中でも中の上辺りだったはず。首席卒業の恩賜組で、幼年学校も広島であった尾坂との接点など無いに等しいのに、なぜ。
「あの時、千晴さんが「一人で行くのが怖い」と泣き言を漏らしましたので、私が付いていってやりました」
「へ?」
「遠目からでしたが、貴公のお顔はしっかり拝見いたしておりましたゆえ。昨年の年末に道端で偶然見かけて声をかけようか迷いましたが、お急ぎのようでしたので止めました」
尾坂の声がグルグルと脳内を巡り、刺激されて出てきた記憶に変な声を上げそうになる。
それは十年前、睦郎がまだ中尉で一時赤レンガに勤めていた頃の話だ。養家からほぼ家出同然で出ていった睦郎だったから、当然ながら行き先なども教えてはいなかった。最低限の義務として、帝大の給仕の仕事を貰えたと書いて送ったのと、そのあと海軍の士官になったことを盛大に自慢してやった手紙だけ。それだけ送って養家とは連絡さえ取り合っていなかったのだが、どうやら千晴はその僅かな手がかりを元にして睦郎を探し当てたらしい。
十年前、それが睦郎と弟が再会した頃合いだ。まさか、その時に付き添いでこの男が来ていたとは思いもよらなかった睦郎は、愕然となって思考を飛ばす。
「えっ……待って。ちょお待ち、にーちゃん。お前さん、覚えとったんか? いや、だって……え?」
「あいにく私は、昔から一度見たもの聞いたものは忘れない質でありまして」
一度見た人間の顔と名前を覚えることなど造作も無い、などと言われて睦郎は意識が遠退きそうになった。
なんだ、この壮大な話しは。もしかせずとも、睦郎は今、とんでもない化け物と話をしているのではないか。
聞けばこの男、自分が率いる中隊どころか連隊に属する将兵全員の顔と名前を覚えているとか。あっけらかんと言って良いことでは無いと思うのは睦郎だけではあるまい。
ずば抜けた記憶力に加え、それらを瞬時にひっぱり出してくる能力の高さ。なるほど、陸軍でも勉強大好きな変態ばかりがひしめき合う砲工学校高等科を首席卒業した挙げ句に米国の名門大学を卒業した頭脳は伊達では無いらしい。
だから、よけいに理解不能だった。こんな恐ろしいほど冴えた人間が、どうして自分の愚弟の名を親しげに呼んだ挙げ句にまるで友人のような扱いをされているのか。まったくもって意味不明だ。ところでなんだ「一人で行くのが怖い」とは。我が弟ながら情けないと涙する睦郎であった。
「貴公の弟君には陸士で散々世話になった身の上でありましてね。私は、彼のことを友人だと認識しておりますが」
「は?」
「昨年の六月に帰国してすぐ千晴さんに会いに行ったのでありますがね。その時……彼も私を友人だと言ってくれたのが嬉しかった」
「──」
その時、睦郎は恐ろしいものを目撃してしまって盛大に固まる。
誰が予想したか。冷徹、冷酷、冷血漢の三拍子が揃った血も涙も無い化け物と噂されている全てにおいて完璧である男が、微かではあるが唇に弧を描いてはにかんでいる姿など。
少なくとも睦郎は想定さえしていなかった。そうで無ければ、これほどまでに硬直してはいない。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る
マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。
思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。
だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。
「ああ、抱きたい・・・」
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる