2 / 66
第一週「カレーライス」
(1)カレーを農村にまで広めて国民食にしたのは陸軍だという説がある
しおりを挟む
この世には「海軍カレー」というものがある。
きっと、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。その名の通りに日本海軍の艦上で提供されていた一品だ。
日本におけるカレー自体のルーツが海軍にあったかと言われれば疑問が残るが、それでも軍隊では明治期からカレーが出されていたのに変わりは無い。
それの名残として有名なのは、自衛隊の金曜カレーだろう。目印の無い海の上で曜日感覚を掴むために提供されてるカレーは、あれは元々海軍で伝わっていたレシピが受け継がれて現代風にアレンジされているものだ。
ところで、お気付きだろうか。レシピや献立が残っているならば当然、それを後世に伝え残した人々だっていることに。
所属するのは男ばかり。むさ苦しさ百パーセントの軍隊では、食事に関するあれやこれについても男性が全て取り仕切らざるを得ない。当然だが出される料理のレシピも、それを使用して立案する献立も、全て男性が考えていた。
軍隊の食事は、陸も海も戦闘中に弾丸持って走り回るヒラの兵隊が当番制で作っていのか? いいや、まさか。陸軍の事情はこの際横に置くとして、海軍には食事を作る専門の部署が存在していた。
そう。それこそが、この物語の主人公である海軍少佐が所属している部署。即ち──
「──だぁあ、れぇえ、がぁあ、ぁあああ!!! 平時にやることのねぇ、ヒマの代名詞じゃボケェェェエエエ!!!」
……主計科のことである。
「このご時世、物資の調達は、たいっ、へんっ、やねんぞ!!! どこもかしこも不況不況不況……いくら軍からの支給があるたぁ言ってもなぁ!! ただでさえカツカツやねんから判れや!!! ハゲッ!!」
「……」
私室のど真ん中で騒いでいる主計長の姿を目にし、軍医長は反射で帰ろうかと思案してしまった。扉は半開きにしたままなので、これでは艦内中に響き渡っていただろう。
ここは帝国海軍が誇る重巡洋艦「古鷹」の主計長私室。今「古鷹」は横須賀に停泊中であるが、それでも忙しい部署は忙しい。主計科はそのうちのひとつであった。
出港前や会計監査前に主計科の事務室から悲鳴が聞こえてくるのはよくある話だが、主計長の私室からというのは珍しいのではないだろうか。
そうだ、ここは主計長私室。そして今、艦内中に響くような騒音を発生させ続ける主計将校こそが、重巡洋艦「古鷹」の台所事情全般の責任を引き受ける主計長──鷹山睦郎主計少佐なのである。
「お前らが好き放題遊び回った分のツケをこっちがどれだけ神経使って精算してやっとると思っとるんじゃぁぁあああ!!! ええ加減にせえよ、ええ加減に!!」
はあ、と溜め息。主計長私室に呼ばれてやってきた重巡「古鷹」軍医長の赤岡城幸中佐は、来客にも気付かず騒ぐ睦郎を前に思考を切り換えようと懸命に努力する。
なんともまあ、間が悪いときに来てしまったものだ。赤岡は大変迷惑そうな表情をしながら耳を塞ぐが、根本的な解決になっていない。
吼える睦郎の様子を前に、赤岡は扉を半開きにしたまま鬱陶しげに眉を寄せて一言。
「何です。突然何を思い出して、そのような大声を……」
予想は付いたがあえて口に出してみる。もっとも、熱くなっている彼が聞くかと言われたら「優しくしている内は無い」と答えるしか無いが。
「それになぁ!! んな大口叩いとるけど誰がお前らの口の世話をしてやってると思って」
「あまりにも五月蝿いと帰りますよ」
たった一言。短い台詞だったが、睦郎にとってはそれで良かったらしい。あっという間にスンッと落ち着いた。
鶴の一声ならぬ、赤岡中佐の一声。真性サドの気があるとして数多の将兵たちを震え上がらせてきた赤岡の迫力を前にしては、さしもの睦郎も冷静にならざるをえなかったらしい。
「……ごめんなさぁい、赤岡はん。ちょーっと取り乱しました」
「判っているならよろしい。主計長、アナタが急に何事かを思い出して吼えるのは昔からの悪い癖なのでね」
「はぁーい」
「ですが、いきなり叫ばれると流石の私も心臓に悪いので自重してください。以上です」
どうやら今日のところはこれで勘弁してやるらしい。睦郎が備え付けの寝台にすごすごと着席するのを見届けて、赤岡はスッと主計長私室に足を踏み入れる。
「確かに、急に叫んだんはまずかったなぁ。でもしゃぁないやん。赤岡はんも『平時にやることのない暇人』とか言われたら腹立つやろ」
「ああ、兵科の方にでも何か言われたのでしょうか」
「ゆぅて前任地での話やけどな」
部屋にあった椅子を引っ張ってきて睦郎の前に座った赤岡が「前任地?」と首を傾げる。
そういえばこの主計長、前任地の艦で何事かのとばっちりを受けた末に「古鷹」艦長に引き抜かれる形でここにやって来たのだった。
それを思い出して、赤岡は納得する。大方、その“とばっちり”とやらの件を急に思い出してご立腹になったに違いないと。
「アナタが深刻そうな顔で私に相談したことがあると従兵から聞いたので、すわ一大事かと急いで来たのに……」
「すんませーん」
反省しているのかいないのか。いや、恐らく後者だろう。
もうすぐ四十路に入る男が悪戯小僧よろしく唇を尖らせてむくれている様など、威厳の欠片も無いので止めて頂きたいのが本音である。
赤岡は別に良いのだが、困るのは睦郎だ。ただでさえ睦郎は童顔で若く見られがちだというのに、こんな姿を部下に見られでもしたら舐められる原因と化すに違いない。
睦郎は主計科とは言え佐官、しかも赤岡と同じく「古鷹」の幹部なのだ。年長者の老婆心を出して忠告するが、赤岡はいい加減睦郎にそれ相応の重々しさという物を身に付けてほしいと願っている。
(この子ときたら……昔とまったく変わってませんね)
出会った頃に比べたら、随分と丸くなって落ち着いたと素直に認められる。だが、比較的そうなったと言うだけで、根っこの部分は何一つとして変わっていない。それに安心すべきかどうか、対応に迷うのは人それぞれだろうが。
コロコロ変わる表情は、童顔と関西訛りもあってか愛嬌があるとして、好感を持って受け入れられるだろう。
たとえ、それが彼の防衛本能からくる自己防御の類いであったとしても。
「それで、いったい何のご用でしょう。言っておきますが、頼んでおいた医薬品が手に入らなかったとか、その手の言い訳は聞くつもりが無いので悪しからず」
来訪の目的を思い出したのか、赤岡がさっそくとばかりに本題に入った。
赤岡は睦郎が自分に用事があると従兵から聞いたので、わざわざ根城の医務室から主計長私室にやってきたのだ。まさか、世間話をするためだけに呼び出したという訳ではあるまい。
「いやぁ……ハハハ、そんなんじゃ無いですのでご安心を……」
からり、と誤魔化すような笑みを貼り付けて、睦郎はなぜか目を泳がせる。
相談しなければならないことだが、言いたくないことなのか。相反する感情への葛藤で、睦郎は居心地悪そうにモゾモゾと身体を動かしている。
「じゃあ何です。私も暇では無いので手短に願いますよ」
「そ、それじゃあ本題をば……」
帰りそうになった赤岡の雰囲気にようやく決心が付いたのだろう。意を決したように睦郎は口を開いた。
「実はですね、軍医長……」
「はい」
「おれ、ついうっかりしとってな。そんでな、その……来週の……」
「来週の……何です」
「えーっと……その、来週のな……」
来週の、と睦郎はそこで区切って黙りこくった。関西人の例に漏れず、いつもなら弾丸のごとく次から次へと話題が飛び出すのが鷹山睦郎という男だ。なのに、ここまで言い澱んでいるとなると、余程言いたく無い厄介事なのだろう。
こういうときの睦郎が隠していることは、大抵が録なものではない。それを良く良く理解していた赤岡はじっと身構えた。
「……怒らないで聞いてくださいね」
睦郎が公的な場ならともかく、私的な場で珍しく敬語を発した。ということは、余程切羽詰まった事情なのは確定。
「明日……副長に提出する予定のですね……」
やがて睦郎は再び口を開き──瞬間、とびきり厄介な隠し事を暴露してくれた。
「────献立が……決まってないとです」
正確には、来週金曜日の昼食を何にするかが決まっていない。
空欄になっているその部分をそっと指差され、赤岡は静かに口を閉じた。
きっと、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。その名の通りに日本海軍の艦上で提供されていた一品だ。
日本におけるカレー自体のルーツが海軍にあったかと言われれば疑問が残るが、それでも軍隊では明治期からカレーが出されていたのに変わりは無い。
それの名残として有名なのは、自衛隊の金曜カレーだろう。目印の無い海の上で曜日感覚を掴むために提供されてるカレーは、あれは元々海軍で伝わっていたレシピが受け継がれて現代風にアレンジされているものだ。
ところで、お気付きだろうか。レシピや献立が残っているならば当然、それを後世に伝え残した人々だっていることに。
所属するのは男ばかり。むさ苦しさ百パーセントの軍隊では、食事に関するあれやこれについても男性が全て取り仕切らざるを得ない。当然だが出される料理のレシピも、それを使用して立案する献立も、全て男性が考えていた。
軍隊の食事は、陸も海も戦闘中に弾丸持って走り回るヒラの兵隊が当番制で作っていのか? いいや、まさか。陸軍の事情はこの際横に置くとして、海軍には食事を作る専門の部署が存在していた。
そう。それこそが、この物語の主人公である海軍少佐が所属している部署。即ち──
「──だぁあ、れぇえ、がぁあ、ぁあああ!!! 平時にやることのねぇ、ヒマの代名詞じゃボケェェェエエエ!!!」
……主計科のことである。
「このご時世、物資の調達は、たいっ、へんっ、やねんぞ!!! どこもかしこも不況不況不況……いくら軍からの支給があるたぁ言ってもなぁ!! ただでさえカツカツやねんから判れや!!! ハゲッ!!」
「……」
私室のど真ん中で騒いでいる主計長の姿を目にし、軍医長は反射で帰ろうかと思案してしまった。扉は半開きにしたままなので、これでは艦内中に響き渡っていただろう。
ここは帝国海軍が誇る重巡洋艦「古鷹」の主計長私室。今「古鷹」は横須賀に停泊中であるが、それでも忙しい部署は忙しい。主計科はそのうちのひとつであった。
出港前や会計監査前に主計科の事務室から悲鳴が聞こえてくるのはよくある話だが、主計長の私室からというのは珍しいのではないだろうか。
そうだ、ここは主計長私室。そして今、艦内中に響くような騒音を発生させ続ける主計将校こそが、重巡洋艦「古鷹」の台所事情全般の責任を引き受ける主計長──鷹山睦郎主計少佐なのである。
「お前らが好き放題遊び回った分のツケをこっちがどれだけ神経使って精算してやっとると思っとるんじゃぁぁあああ!!! ええ加減にせえよ、ええ加減に!!」
はあ、と溜め息。主計長私室に呼ばれてやってきた重巡「古鷹」軍医長の赤岡城幸中佐は、来客にも気付かず騒ぐ睦郎を前に思考を切り換えようと懸命に努力する。
なんともまあ、間が悪いときに来てしまったものだ。赤岡は大変迷惑そうな表情をしながら耳を塞ぐが、根本的な解決になっていない。
吼える睦郎の様子を前に、赤岡は扉を半開きにしたまま鬱陶しげに眉を寄せて一言。
「何です。突然何を思い出して、そのような大声を……」
予想は付いたがあえて口に出してみる。もっとも、熱くなっている彼が聞くかと言われたら「優しくしている内は無い」と答えるしか無いが。
「それになぁ!! んな大口叩いとるけど誰がお前らの口の世話をしてやってると思って」
「あまりにも五月蝿いと帰りますよ」
たった一言。短い台詞だったが、睦郎にとってはそれで良かったらしい。あっという間にスンッと落ち着いた。
鶴の一声ならぬ、赤岡中佐の一声。真性サドの気があるとして数多の将兵たちを震え上がらせてきた赤岡の迫力を前にしては、さしもの睦郎も冷静にならざるをえなかったらしい。
「……ごめんなさぁい、赤岡はん。ちょーっと取り乱しました」
「判っているならよろしい。主計長、アナタが急に何事かを思い出して吼えるのは昔からの悪い癖なのでね」
「はぁーい」
「ですが、いきなり叫ばれると流石の私も心臓に悪いので自重してください。以上です」
どうやら今日のところはこれで勘弁してやるらしい。睦郎が備え付けの寝台にすごすごと着席するのを見届けて、赤岡はスッと主計長私室に足を踏み入れる。
「確かに、急に叫んだんはまずかったなぁ。でもしゃぁないやん。赤岡はんも『平時にやることのない暇人』とか言われたら腹立つやろ」
「ああ、兵科の方にでも何か言われたのでしょうか」
「ゆぅて前任地での話やけどな」
部屋にあった椅子を引っ張ってきて睦郎の前に座った赤岡が「前任地?」と首を傾げる。
そういえばこの主計長、前任地の艦で何事かのとばっちりを受けた末に「古鷹」艦長に引き抜かれる形でここにやって来たのだった。
それを思い出して、赤岡は納得する。大方、その“とばっちり”とやらの件を急に思い出してご立腹になったに違いないと。
「アナタが深刻そうな顔で私に相談したことがあると従兵から聞いたので、すわ一大事かと急いで来たのに……」
「すんませーん」
反省しているのかいないのか。いや、恐らく後者だろう。
もうすぐ四十路に入る男が悪戯小僧よろしく唇を尖らせてむくれている様など、威厳の欠片も無いので止めて頂きたいのが本音である。
赤岡は別に良いのだが、困るのは睦郎だ。ただでさえ睦郎は童顔で若く見られがちだというのに、こんな姿を部下に見られでもしたら舐められる原因と化すに違いない。
睦郎は主計科とは言え佐官、しかも赤岡と同じく「古鷹」の幹部なのだ。年長者の老婆心を出して忠告するが、赤岡はいい加減睦郎にそれ相応の重々しさという物を身に付けてほしいと願っている。
(この子ときたら……昔とまったく変わってませんね)
出会った頃に比べたら、随分と丸くなって落ち着いたと素直に認められる。だが、比較的そうなったと言うだけで、根っこの部分は何一つとして変わっていない。それに安心すべきかどうか、対応に迷うのは人それぞれだろうが。
コロコロ変わる表情は、童顔と関西訛りもあってか愛嬌があるとして、好感を持って受け入れられるだろう。
たとえ、それが彼の防衛本能からくる自己防御の類いであったとしても。
「それで、いったい何のご用でしょう。言っておきますが、頼んでおいた医薬品が手に入らなかったとか、その手の言い訳は聞くつもりが無いので悪しからず」
来訪の目的を思い出したのか、赤岡がさっそくとばかりに本題に入った。
赤岡は睦郎が自分に用事があると従兵から聞いたので、わざわざ根城の医務室から主計長私室にやってきたのだ。まさか、世間話をするためだけに呼び出したという訳ではあるまい。
「いやぁ……ハハハ、そんなんじゃ無いですのでご安心を……」
からり、と誤魔化すような笑みを貼り付けて、睦郎はなぜか目を泳がせる。
相談しなければならないことだが、言いたくないことなのか。相反する感情への葛藤で、睦郎は居心地悪そうにモゾモゾと身体を動かしている。
「じゃあ何です。私も暇では無いので手短に願いますよ」
「そ、それじゃあ本題をば……」
帰りそうになった赤岡の雰囲気にようやく決心が付いたのだろう。意を決したように睦郎は口を開いた。
「実はですね、軍医長……」
「はい」
「おれ、ついうっかりしとってな。そんでな、その……来週の……」
「来週の……何です」
「えーっと……その、来週のな……」
来週の、と睦郎はそこで区切って黙りこくった。関西人の例に漏れず、いつもなら弾丸のごとく次から次へと話題が飛び出すのが鷹山睦郎という男だ。なのに、ここまで言い澱んでいるとなると、余程言いたく無い厄介事なのだろう。
こういうときの睦郎が隠していることは、大抵が録なものではない。それを良く良く理解していた赤岡はじっと身構えた。
「……怒らないで聞いてくださいね」
睦郎が公的な場ならともかく、私的な場で珍しく敬語を発した。ということは、余程切羽詰まった事情なのは確定。
「明日……副長に提出する予定のですね……」
やがて睦郎は再び口を開き──瞬間、とびきり厄介な隠し事を暴露してくれた。
「────献立が……決まってないとです」
正確には、来週金曜日の昼食を何にするかが決まっていない。
空欄になっているその部分をそっと指差され、赤岡は静かに口を閉じた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる