軍艦乗りの献立表─海軍主計科こぼれ噺─
ここは帝国海軍が誇る重巡洋艦「古鷹」のとある一室。
そして現在、ここでは主計科の長たる主計少佐が人生最大級の危機を迎えようとしていた。
すわ、緊急事態か、敵襲か。いいや、違う。「古鷹」主計長にとって目下最大の敵とは即ち──来週の、献立。
時は昭和初期。世界情勢が徐々に悪化していく中で、軍艦勤務の者も日に日に緊張感が高まっていた。
そんな海の男のご飯事情を支えているのが、軍艦の衣糧を担当する主計科所属の将兵たちだ。それはここ、重巡「古鷹」も例外ではない。
「主計看護が兵隊ならば、蝶々も蜻蛉も鳥の内」
などという嘲笑にもめげず、自分たちがいなければみんなの仕事が回らないという矜持を胸に、今日も主計科は独楽鼠のように駆け回る。
──これはそんな主計科の長として日々奮闘する、主計少佐のお話。
※時と場合によっては飯テロに分類される話ですので注意してください
※主計科とは経理を担当している部署です
※この物語は実在する帝国海軍の重巡「古鷹」とも史実の人物とも一切関係の無い話です。
※作中に登場する旧海軍に関するうんちく話についても「ふーん」程度に聞き流してください。
※ライト文芸大賞に出しています
参考資料
『海の男の艦隊料理─「海軍主計兵調理術教科書」復刻─』
『写真で見る海軍糧食史』
『海軍カレー伝説』
『海軍と酒』
『日本海軍がよくわかる辞典』
『海軍よもやま物語』
『物価の文化史辞典』
そして現在、ここでは主計科の長たる主計少佐が人生最大級の危機を迎えようとしていた。
すわ、緊急事態か、敵襲か。いいや、違う。「古鷹」主計長にとって目下最大の敵とは即ち──来週の、献立。
時は昭和初期。世界情勢が徐々に悪化していく中で、軍艦勤務の者も日に日に緊張感が高まっていた。
そんな海の男のご飯事情を支えているのが、軍艦の衣糧を担当する主計科所属の将兵たちだ。それはここ、重巡「古鷹」も例外ではない。
「主計看護が兵隊ならば、蝶々も蜻蛉も鳥の内」
などという嘲笑にもめげず、自分たちがいなければみんなの仕事が回らないという矜持を胸に、今日も主計科は独楽鼠のように駆け回る。
──これはそんな主計科の長として日々奮闘する、主計少佐のお話。
※時と場合によっては飯テロに分類される話ですので注意してください
※主計科とは経理を担当している部署です
※この物語は実在する帝国海軍の重巡「古鷹」とも史実の人物とも一切関係の無い話です。
※作中に登場する旧海軍に関するうんちく話についても「ふーん」程度に聞き流してください。
※ライト文芸大賞に出しています
参考資料
『海の男の艦隊料理─「海軍主計兵調理術教科書」復刻─』
『写真で見る海軍糧食史』
『海軍カレー伝説』
『海軍と酒』
『日本海軍がよくわかる辞典』
『海軍よもやま物語』
『物価の文化史辞典』
目次
感想
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
銀木犀の香る寝屋であなたと
はぎわら歓
恋愛
木材屋を営む商家の娘、珠子はある夜、父親がどこかへ忍んでいくのに気づく。あとをつけると小さな小屋があり、少年が出てきた。父親はこの少年の母親と逢引をしているらしい。珠子は寂し気な少年、一樹と親しくなり、大人たちの逢瀬の時間を二人で過ごすことにした。
一樹の母と珠子の父は結婚し、二人の子供たちは兄妹となる。数年後、珠子は男爵家に嫁入りが決まり、一樹は教職に就く。
男爵家では跡継ぎが出来ない珠子に代わり、妾のキヨをいれることにした。キヨは男の子を産む。
しかし男爵家は斜陽、戦争へと時代は突入していく。
重複投稿
私たちの関係に、名前はまだない。
待鳥園子
ライト文芸
どうしようもない理由で、お見合いで出会った婚約者から婚約解消されてしまった萌音は、晴れているはずなのに、何故か傘を差している高校生の男の子にバス停で会った。
それは、高校生の時に萌音が好きだった七瀬だった。未来の萌音だと気が付かぬままに、優しく慰めてくれる彼。
そして、婚約解消理由がとんでもない嘘だと知り、元婚約者にひどく傷つけられた萌音の前に、高校生の七瀬は再度現れるのだが……。
「華麗なる萬★ジョン次郎先生」と私~今日もちょっとだけ不穏な世界でWeb小説家の友人とグダグダとだべってます~
鯨井イルカ
ライト文芸
主人公の古川 真由美と、彼女の友人でWeb小説家の「華麗なる萬★ジョン次郎先生」が、ほんの少し不穏な世界で、Web小説界隈についてグダグダと話していく「日常」の話。
海燕 ーシュルーケンー リヒテン・ライヒ空軍記
源燕め
ライト文芸
リヒテン・ライヒと呼ばれた帝国の長い戦争。やがて戦闘機による闘いへと突き進む。
海燕ーシュルーケンーと呼ばれる爆撃機を操る、十四歳の少女ユリウス。どこまでも青い海と空に響くエンジン音。そして、投下される爆弾。
戦火の中、生きる一人の少女の物語。
「わたしは、ただ空を飛ぶのが大好きなだけなんです…」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる