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だから私はレベル上げをしない
決着 5
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「はぁ?知らないわよ、そんなの。だって、うっかり飲み込んじゃっただけだし」
ジークベルトの魂の叫びに、答えるセラフの言葉は余りにあっけない。
それも仕方がないだろう。
何故なら彼女は、それをうっかり飲み込んでしまっただけなのだから。
「・・・は?何だって?うっかり飲み込んで・・・えっ!?本当に?」
「うん。だってあれ、小さくてツルツルしてて、いかにも飲み込んじゃいそうだったでしょ?だからもー、うっかりね」
セラフのそんなあっさりとした答えを、ジークベルトは俄かには信じる事が出来ない。
何故ならそれは、彼が必死に隠し抹消しようとした方法なのだから。
それがまさか、ただのうっかりによって実現してしまうなどと、誰が考えようか。
しかし非情なまでに軽い調子で、セラフはその事実をはっきりと肯定してしまっていた。
「そんな、そんな・・・そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁああああああああああっっっ!!!?」
セラフの言葉を否定してみても、目の前に繰り広げられる光景までは否定出来ない。
彼女のお腹から広がる光はもはや、何やら複雑な紋章を浮かび上がらせ始め、その背中に光の翼を伸ばすまでになっている。
それは伝説や神話に語られる一場面であろう。
魔人封印という、伝説の。
「えっ、これでお終い?意外とあっけないわね」
断末魔の叫びを上げるジークベルトは正しく、自らの終わりを悟っていたのだろう。
セラフのお腹から広がる眩い光りが、巨大な魔法陣を描き、それが回転し始めた瞬間に彼の身体は彼女のそこへと吸い込まれてしまっていた。
キュポンという情けない音を立てて姿を消したジークベルトに、セラフはこんな簡単に終わってしまうのかと首を傾げてしまっている。
そんな彼女の背後に、迫り来る影があった。
「やった・・・やったぞ、セラフ!!これで世界が救われたんだ!!!」
「えっ!?ちょ、マックスそれは・・・きゃあああっ!!?」
背後からものすごい勢いで迫って来るマックスの姿に、セラフは対処しきれない。
それはそのまま彼に抱きしめられ、床へと倒れ伏してしまう結末へと繋がって、彼女は為す術なく悲鳴を上げるだけ。
それは彼女の悲鳴を耳元で聞いても、決して緩む事はなかった。
「良くやった、良くやったぞセラフ!!お前となら、きっとやり遂げられると信じてたんだ!!はははっ、俺の目は間違っていなかったな!!」
「ふ、ふーん・・・ま、あんたにそう言われるのは悪い気分じゃないわね。ふふっ、もう少しだけよ?」
セラフを強く抱きしめたままのマックスは、床を転がりながら彼女を賞賛する言葉を叫び続ける。
始めこそその抱きしめる強さに嫌そうな表情を浮かべていたセラフも、次第にその表情を緩ませ始め、やがては彼を受け入れるように抱きしめ返していた。
「お、やっと開いたか!おい、大丈夫かマクシミリアン!!」
「殿下!殿下、ご無事ですか!?」
封印された魔人に、もはやその役目を終えた扉がゆっくりと開いていく。
その先には、それを今か今かと待ち構えていたエドワード達と、ランディの親衛隊と思われる騎士風の格好をした男達が立っていた。
彼らは慌ててその中へと踏み込んでいくが、その先に広がる光景に思わず、その場に立ち止まってしまっていた。
「っとと、これは・・・えーっと、どうしたもんか?」
「ええい!!何と破廉恥な!!ここをどこだと・・・そんな事よりも、殿下!!殿下は何処に!!」
決して開くことなかった扉の先に広がっていたのは、床に転がりいちゃいちゃと乳繰り合っている男女の姿であった。
その場違いな姿に、エドワードはどうしたものかと戸惑ってしまっている。
ランディの親衛隊の男もそれを目にしては憤っていたが、今はそれ所ではないと切り替えると、すぐに主の事を探し始めている。
彼らの背後からも続々と人が押し寄せていき、倒れ伏しているアリー達の事を救助していく。
その中にあっても、セラフとマックスはお互いの事しか見えないように、いつまでも抱きしめ合い続けていた。
ジークベルトの魂の叫びに、答えるセラフの言葉は余りにあっけない。
それも仕方がないだろう。
何故なら彼女は、それをうっかり飲み込んでしまっただけなのだから。
「・・・は?何だって?うっかり飲み込んで・・・えっ!?本当に?」
「うん。だってあれ、小さくてツルツルしてて、いかにも飲み込んじゃいそうだったでしょ?だからもー、うっかりね」
セラフのそんなあっさりとした答えを、ジークベルトは俄かには信じる事が出来ない。
何故ならそれは、彼が必死に隠し抹消しようとした方法なのだから。
それがまさか、ただのうっかりによって実現してしまうなどと、誰が考えようか。
しかし非情なまでに軽い調子で、セラフはその事実をはっきりと肯定してしまっていた。
「そんな、そんな・・・そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁああああああああああっっっ!!!?」
セラフの言葉を否定してみても、目の前に繰り広げられる光景までは否定出来ない。
彼女のお腹から広がる光はもはや、何やら複雑な紋章を浮かび上がらせ始め、その背中に光の翼を伸ばすまでになっている。
それは伝説や神話に語られる一場面であろう。
魔人封印という、伝説の。
「えっ、これでお終い?意外とあっけないわね」
断末魔の叫びを上げるジークベルトは正しく、自らの終わりを悟っていたのだろう。
セラフのお腹から広がる眩い光りが、巨大な魔法陣を描き、それが回転し始めた瞬間に彼の身体は彼女のそこへと吸い込まれてしまっていた。
キュポンという情けない音を立てて姿を消したジークベルトに、セラフはこんな簡単に終わってしまうのかと首を傾げてしまっている。
そんな彼女の背後に、迫り来る影があった。
「やった・・・やったぞ、セラフ!!これで世界が救われたんだ!!!」
「えっ!?ちょ、マックスそれは・・・きゃあああっ!!?」
背後からものすごい勢いで迫って来るマックスの姿に、セラフは対処しきれない。
それはそのまま彼に抱きしめられ、床へと倒れ伏してしまう結末へと繋がって、彼女は為す術なく悲鳴を上げるだけ。
それは彼女の悲鳴を耳元で聞いても、決して緩む事はなかった。
「良くやった、良くやったぞセラフ!!お前となら、きっとやり遂げられると信じてたんだ!!はははっ、俺の目は間違っていなかったな!!」
「ふ、ふーん・・・ま、あんたにそう言われるのは悪い気分じゃないわね。ふふっ、もう少しだけよ?」
セラフを強く抱きしめたままのマックスは、床を転がりながら彼女を賞賛する言葉を叫び続ける。
始めこそその抱きしめる強さに嫌そうな表情を浮かべていたセラフも、次第にその表情を緩ませ始め、やがては彼を受け入れるように抱きしめ返していた。
「お、やっと開いたか!おい、大丈夫かマクシミリアン!!」
「殿下!殿下、ご無事ですか!?」
封印された魔人に、もはやその役目を終えた扉がゆっくりと開いていく。
その先には、それを今か今かと待ち構えていたエドワード達と、ランディの親衛隊と思われる騎士風の格好をした男達が立っていた。
彼らは慌ててその中へと踏み込んでいくが、その先に広がる光景に思わず、その場に立ち止まってしまっていた。
「っとと、これは・・・えーっと、どうしたもんか?」
「ええい!!何と破廉恥な!!ここをどこだと・・・そんな事よりも、殿下!!殿下は何処に!!」
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