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黄金時代
セラフィーナ・エインズワースと愉快な仲間達 2
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「あーっはっはっはっは!!!いいわよいいわよ!!いい感じよ!!よーっし、このまま一気にダンジョンまで突入するわよ!!今日は第三階層を攻略するんだから!いいわね、あんた達!!」
「「おうっ!!」」
彼らがセラフな無茶の要求に文句を言わないのは、彼女の格好にも一因があるだろう。
ダンジョンを探索するためか、それとも単にお洒落のためなのか、彼女の服装はかなり肌の露出が多い。
特にその下半身は、彼女のそのすらりと伸びた足が惜しげもなく放り出されていた。
彼女が仁王立ちする輿を担ぐというのは、その美しい足を眺めるにはまさに絶好のポジションといえるだろう。
事実、男達はセラフに無茶な命令を出されながらも、どこか緩んだ嬉しそうな表情をその顔に浮かべていた。
「何をやってるんだ、あいつは・・・?」
セラフとエッタを乗せた輿は、猛烈は勢いで走り去っていく。
彼らはマックスの周りに集まっていた女性達を突き飛ばしながらダンジョンへと向かい、彼女達もまたそれへの文句に注意を割かれてしまっている。
それは彼女達が必死に追い回していたマックスが一人、アリーの下へと歩み寄っても気付かれないほどであった。
「アレクシア、お前のパーティに入ってたんじゃないのか、あれは?」
「マ、マックス・・・その、久しぶりだね。えっとそれは、色々と事情があって・・・私にもどうしてああなったのか、分からないの」
先ほどのセラフの振る舞いに、呆れたような呟きを漏らしたマックスは、何故お前がついていながらああなってしまったのかとアリーに尋ねている。
しかしセラフがあんな事になってしまったのは、アリーにとっても寝耳に水の事態なのだ。
そんな出来事に、責任を求められても困ってしまう。
しかしそんな八つ当たりめいた問い掛けを受けても、アリーはどこか嬉しそうにはにかんでいた。
「そうか。ならあれは、あいつが馬鹿だというだけの事か。ふんっ!どうしようもないな」
セラフのあの振る舞いにアリーが関わりがないと聞いたマックスは、鼻を鳴らすと彼女をこき下ろす言葉を吐き捨てる。
そんな彼の発言にもアリーは困ったように眉を顰めただけだったが、ここにそれを看過出来ない者が一人、いた。
「取り消すぜよ。聞けば、おまんもセラフィーナ殿の幼馴染だとか。そんな相手を、馬鹿にしてはいかんぜよ」
それは彼女に惚れている男、ウィリアムであった。
彼は幼馴染である二人に遠慮して僅かに距離を取っていたが、マックスがセラフを馬鹿にしたことでもはや我慢ならんと、アリーの前へと割って入ってくる。
低く押さえた声で取り消せと要求するウィリアムが纏っている鬼気は、彼と冒険を共にしたアリーですら、いまだかつて見た事のない迫力に満ちている。
それはもしかすると、彼が初めて見せる本気のオーラなのかもしれない。
「・・・お前は?」
「わしは、ウィリアム。アリー殿の仲間ぜよ」
「なるほど。それで、嫌だと言えば・・・どうする?」
「そん時は、拳で分からせるぜよ」
そんなウィリアムを前にしても、マックスはまだ余裕の笑みを見せている。
しかし、彼は気付いているだろうか。
その顎には自然と冷たい汗が伝い、気付かないうちに自らの得物へとその手を伸ばしている事実を。
「そうか・・・なら、やってみろ」
「セラフィーナ殿と、アリー殿の幼馴染を殴るのは気が引けるぜよ。しかし、こうなってはこっちも引けんぜよ・・・しっかり、構えるぜよ?でないと・・・死ぬぜよ」
「ふっ・・・そっちこそ、気を抜くなよ?俺の剣は・・・鋭いぞ」
顎を伝った冷や汗は、剣の柄へと伸びていた腕へと垂れて、その湿り気を彼へと伝えている。
それは、自らの怯えを伝える合図だろう。
それを知ってしまえば、もはや引けない。
マックスは静かに剣を抜き、構える。
それと相対し、拳を握り締めたウィリアムの身体は、一回りも二回りも大きくなったように見えていた。
「や、止めてよ二人とも!!こんな事で争うなんて、馬鹿みたい!!」
既に一触即発のラインを超えている二人に、必死な表情で割って入ったアリーが叫んだ言葉は、余りにもっとも過ぎた。
彼らが争うとしているのは、元はといえばセラフが馬鹿丸出しの振る舞いをしたからである。
それを理由に大の男が二人、命を掛けて争うなど馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
そう主張するアリーの言葉に、二人もあっさりと納得する気配を見せていた。
「・・・確かに、その通りだな」
「ア、アリー殿!?泣かないでくれぜよ!わしが悪かった、悪かったぜよ!!」
剣を収めたマックスは背を向け、握った拳を解いたウィリアムは目に涙を浮かべるアリーを前に、ひたすら頭を下げて謝っている。
そこにはもはや、先ほどまで漂っていた危ない空気は皆無となっていた。
「・・・アレクシア、もうあれとは組んではないんだな?」
「えっ?う、うん・・・そうだけど?どうしたの、マックス?」
消えた戦いの気配に、こちらへと背を向けてこの場を立ち去ろうとしていたマックスは、その途中で急に引き返してくると、アリーへと声を掛けてくる。
戻ってきた彼の姿に、ウィリアムが再び静かに拳を握っていたが、それはアリーによって咎められていた。
「「おうっ!!」」
彼らがセラフな無茶の要求に文句を言わないのは、彼女の格好にも一因があるだろう。
ダンジョンを探索するためか、それとも単にお洒落のためなのか、彼女の服装はかなり肌の露出が多い。
特にその下半身は、彼女のそのすらりと伸びた足が惜しげもなく放り出されていた。
彼女が仁王立ちする輿を担ぐというのは、その美しい足を眺めるにはまさに絶好のポジションといえるだろう。
事実、男達はセラフに無茶な命令を出されながらも、どこか緩んだ嬉しそうな表情をその顔に浮かべていた。
「何をやってるんだ、あいつは・・・?」
セラフとエッタを乗せた輿は、猛烈は勢いで走り去っていく。
彼らはマックスの周りに集まっていた女性達を突き飛ばしながらダンジョンへと向かい、彼女達もまたそれへの文句に注意を割かれてしまっている。
それは彼女達が必死に追い回していたマックスが一人、アリーの下へと歩み寄っても気付かれないほどであった。
「アレクシア、お前のパーティに入ってたんじゃないのか、あれは?」
「マ、マックス・・・その、久しぶりだね。えっとそれは、色々と事情があって・・・私にもどうしてああなったのか、分からないの」
先ほどのセラフの振る舞いに、呆れたような呟きを漏らしたマックスは、何故お前がついていながらああなってしまったのかとアリーに尋ねている。
しかしセラフがあんな事になってしまったのは、アリーにとっても寝耳に水の事態なのだ。
そんな出来事に、責任を求められても困ってしまう。
しかしそんな八つ当たりめいた問い掛けを受けても、アリーはどこか嬉しそうにはにかんでいた。
「そうか。ならあれは、あいつが馬鹿だというだけの事か。ふんっ!どうしようもないな」
セラフのあの振る舞いにアリーが関わりがないと聞いたマックスは、鼻を鳴らすと彼女をこき下ろす言葉を吐き捨てる。
そんな彼の発言にもアリーは困ったように眉を顰めただけだったが、ここにそれを看過出来ない者が一人、いた。
「取り消すぜよ。聞けば、おまんもセラフィーナ殿の幼馴染だとか。そんな相手を、馬鹿にしてはいかんぜよ」
それは彼女に惚れている男、ウィリアムであった。
彼は幼馴染である二人に遠慮して僅かに距離を取っていたが、マックスがセラフを馬鹿にしたことでもはや我慢ならんと、アリーの前へと割って入ってくる。
低く押さえた声で取り消せと要求するウィリアムが纏っている鬼気は、彼と冒険を共にしたアリーですら、いまだかつて見た事のない迫力に満ちている。
それはもしかすると、彼が初めて見せる本気のオーラなのかもしれない。
「・・・お前は?」
「わしは、ウィリアム。アリー殿の仲間ぜよ」
「なるほど。それで、嫌だと言えば・・・どうする?」
「そん時は、拳で分からせるぜよ」
そんなウィリアムを前にしても、マックスはまだ余裕の笑みを見せている。
しかし、彼は気付いているだろうか。
その顎には自然と冷たい汗が伝い、気付かないうちに自らの得物へとその手を伸ばしている事実を。
「そうか・・・なら、やってみろ」
「セラフィーナ殿と、アリー殿の幼馴染を殴るのは気が引けるぜよ。しかし、こうなってはこっちも引けんぜよ・・・しっかり、構えるぜよ?でないと・・・死ぬぜよ」
「ふっ・・・そっちこそ、気を抜くなよ?俺の剣は・・・鋭いぞ」
顎を伝った冷や汗は、剣の柄へと伸びていた腕へと垂れて、その湿り気を彼へと伝えている。
それは、自らの怯えを伝える合図だろう。
それを知ってしまえば、もはや引けない。
マックスは静かに剣を抜き、構える。
それと相対し、拳を握り締めたウィリアムの身体は、一回りも二回りも大きくなったように見えていた。
「や、止めてよ二人とも!!こんな事で争うなんて、馬鹿みたい!!」
既に一触即発のラインを超えている二人に、必死な表情で割って入ったアリーが叫んだ言葉は、余りにもっとも過ぎた。
彼らが争うとしているのは、元はといえばセラフが馬鹿丸出しの振る舞いをしたからである。
それを理由に大の男が二人、命を掛けて争うなど馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
そう主張するアリーの言葉に、二人もあっさりと納得する気配を見せていた。
「・・・確かに、その通りだな」
「ア、アリー殿!?泣かないでくれぜよ!わしが悪かった、悪かったぜよ!!」
剣を収めたマックスは背を向け、握った拳を解いたウィリアムは目に涙を浮かべるアリーを前に、ひたすら頭を下げて謝っている。
そこにはもはや、先ほどまで漂っていた危ない空気は皆無となっていた。
「・・・アレクシア、もうあれとは組んではないんだな?」
「えっ?う、うん・・・そうだけど?どうしたの、マックス?」
消えた戦いの気配に、こちらへと背を向けてこの場を立ち去ろうとしていたマックスは、その途中で急に引き返してくると、アリーへと声を掛けてくる。
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