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第二章 王国動乱
そして今、彼らは動き出す
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そして現在、王獄バスバレイ雑居房にて。
「そう、そんな事が・・・」
ユーリがどうして王殺しとして捕まる事になったのか、その経緯を彼の口から聞き終えたオカマ、シャロンはそう呟くとスッと目を細めた。
「じゃあ、ユーリちゃんは王なんて殺してないのね?」
「えぇ、勿論です!冤罪ですよ、冤罪!!王が死んだってことだって、捕まって初めて知ったくらいなんですから!」
ユーリが嘘をついてないかどうか、真剣な表情で彼を観察し見定めようとしているシャロン。
彼のそんな思惑など気付かずに、ユーリはただ必死に冤罪だと訴えていた。
「ふふっ、どうやら本当のようね。ユーリちゃんは人を騙せるような人じゃないみたい。分かった、私はユーリちゃんを信じるわ」
そんなユーリの無邪気な振る舞いにシャロンは笑みを漏らすと、彼を信じるとニッコリと告げる。
「本当ですか!あぁ、嬉しいなぁ・・・今まで、誰も信じてくれなくて。うっ、うぅ・・・」
訳も分からないまま捕まり、そのまま問答無用でこの王獄バスバレイにぶち込まれたユーリは、その一連の出来事の中で初めて自分の話を信じてくれたシャロンに思わず涙ぐむ。
「いいのよ、そんなの。私は自分の目を信じているだけだもの・・・それより皆どうかしら?彼も計画に加えてもいいんじゃない?」
「・・・へ?」
そんなユーリの肩に優しく手を添えてくれていたシャロンは急に立ち上がると、この雑居房の他の囚人達へと呼び掛ける。
その言葉の意味が見当もつかず、ユーリはポカンとした表情で彼を見上げていた。
「まぁ、いいじゃないですか?どうせ私が反対しても、姉さんは連れてくつもりなんでしょう?」
「あら失礼ね、エディちゃん。検討はしてあげるわよ?検討は、ね」
シャロンが口にした言葉に、雑居房の鉄格子に寄り掛かっていた小男、エディは頭を掻きながら消極的な賛成を告げる。
彼の疑うような視線にシャロンは肩を竦めて見せていたが、それは肯定とも否定とも取れなかった。
「俺も賛成だ」
「・・・デズモンドの旦那、意外ですな。あんたはてっきり反対するものかと」
そしてこの雑居房の最後の一人、ユーリ達から離れた隅の方からこちらを窺っていた無口な大男、デズモンドがむっつりと告げる。
その言葉に、エディが意外そうな表情を見せていた。
「彼は家族のために命がけで戦った、王様相手にな」
デズモンドは短くそう口にすると、再びむっつりと押し黙る。
しかしそのユーリへと向ける視線は、先ほどまでよりもずっと優しいもののように思えた。
「あぁ・・・そういえばそういうお人でしたっけね。ははっ、こいつは言った通りになりましたな。私が反対していても、どのみち結果は変わらないようだ」
「ふふっ、そうみたいね」
デズモンドも賛成に回れば、シャロンも入れてこの雑居房の過半数となる。
そうなれば自分一人反対していても結果は変わらなかったと、エディは肩を竦めていた。
「あ、あの・・・さっきから、一体何の話ですか?その、計画がどうとか・・・」
自らの前で繰り広げられる訳の分からない会話にすっかり涙も引っ込んだユーリは、彼らの姿を見回しながら尋ねる。
「あら、そんなの決まってるじゃない?」
そんなユーリにシャロンはウインクすると、意味深に微笑む。
「脱獄よ、だ・つ・ご・く」
そして彼は告げていた、この脱獄不可能な監獄、王獄バスバレイから脱獄すると。
「そう、そんな事が・・・」
ユーリがどうして王殺しとして捕まる事になったのか、その経緯を彼の口から聞き終えたオカマ、シャロンはそう呟くとスッと目を細めた。
「じゃあ、ユーリちゃんは王なんて殺してないのね?」
「えぇ、勿論です!冤罪ですよ、冤罪!!王が死んだってことだって、捕まって初めて知ったくらいなんですから!」
ユーリが嘘をついてないかどうか、真剣な表情で彼を観察し見定めようとしているシャロン。
彼のそんな思惑など気付かずに、ユーリはただ必死に冤罪だと訴えていた。
「ふふっ、どうやら本当のようね。ユーリちゃんは人を騙せるような人じゃないみたい。分かった、私はユーリちゃんを信じるわ」
そんなユーリの無邪気な振る舞いにシャロンは笑みを漏らすと、彼を信じるとニッコリと告げる。
「本当ですか!あぁ、嬉しいなぁ・・・今まで、誰も信じてくれなくて。うっ、うぅ・・・」
訳も分からないまま捕まり、そのまま問答無用でこの王獄バスバレイにぶち込まれたユーリは、その一連の出来事の中で初めて自分の話を信じてくれたシャロンに思わず涙ぐむ。
「いいのよ、そんなの。私は自分の目を信じているだけだもの・・・それより皆どうかしら?彼も計画に加えてもいいんじゃない?」
「・・・へ?」
そんなユーリの肩に優しく手を添えてくれていたシャロンは急に立ち上がると、この雑居房の他の囚人達へと呼び掛ける。
その言葉の意味が見当もつかず、ユーリはポカンとした表情で彼を見上げていた。
「まぁ、いいじゃないですか?どうせ私が反対しても、姉さんは連れてくつもりなんでしょう?」
「あら失礼ね、エディちゃん。検討はしてあげるわよ?検討は、ね」
シャロンが口にした言葉に、雑居房の鉄格子に寄り掛かっていた小男、エディは頭を掻きながら消極的な賛成を告げる。
彼の疑うような視線にシャロンは肩を竦めて見せていたが、それは肯定とも否定とも取れなかった。
「俺も賛成だ」
「・・・デズモンドの旦那、意外ですな。あんたはてっきり反対するものかと」
そしてこの雑居房の最後の一人、ユーリ達から離れた隅の方からこちらを窺っていた無口な大男、デズモンドがむっつりと告げる。
その言葉に、エディが意外そうな表情を見せていた。
「彼は家族のために命がけで戦った、王様相手にな」
デズモンドは短くそう口にすると、再びむっつりと押し黙る。
しかしそのユーリへと向ける視線は、先ほどまでよりもずっと優しいもののように思えた。
「あぁ・・・そういえばそういうお人でしたっけね。ははっ、こいつは言った通りになりましたな。私が反対していても、どのみち結果は変わらないようだ」
「ふふっ、そうみたいね」
デズモンドも賛成に回れば、シャロンも入れてこの雑居房の過半数となる。
そうなれば自分一人反対していても結果は変わらなかったと、エディは肩を竦めていた。
「あ、あの・・・さっきから、一体何の話ですか?その、計画がどうとか・・・」
自らの前で繰り広げられる訳の分からない会話にすっかり涙も引っ込んだユーリは、彼らの姿を見回しながら尋ねる。
「あら、そんなの決まってるじゃない?」
そんなユーリにシャロンはウインクすると、意味深に微笑む。
「脱獄よ、だ・つ・ご・く」
そして彼は告げていた、この脱獄不可能な監獄、王獄バスバレイから脱獄すると。
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