75 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
追い詰められる彼ら
しおりを挟む
「ま、不味い!このままではっ・・・!」
不慣れな馬に跨りながら周囲の状況を見渡すヘイニーは、思わずそう呟くと馬の首にしがみつく。
聖剣騎士団の活躍によって一時は巻き返した戦況も気付けば相手に盛り返されており、さらに悪い事に敵軍がこちらを包囲しつつあるのだ。
「どうする、どうすればいい!?このままでは我々は・・・ぐぅ!?」
このまま手をこまねいて敵軍の包囲を許せば、数の差にそのまま押し潰されてしまうのは明白であった。
しかしこんな状況をどう打開すればいいのか、碌に戦いを指揮した経験もないヘイニーには到底思いつかない。
それでもここで何か思いつかなければ自分を信じてくれた皆が道ずれになってしまう、その重すぎるプレッシャーに彼の胃は強烈に痛んでいた。
「くっ、こんな時に・・・!」
「っ!?ヘイニー様、いかがなさいましたか!?」
鳩尾の下辺りを押さえ脂汗を浮かべるヘイニーに、近習の騎士が慌てた様子で近づいてくる。
「・・・めろ」
「は?今、何と仰いましたか?い、いえ!とにかく軍医を探して―――」
ヘイニーは脂汗を浮かべながら何かを呟くが、それは掠れてうまく聞き取れない。
彼のすぐ傍へと近寄った騎士はそれを聞き返すが、それより彼を医者に見せることが優先だと、この場から離れようとしていた。
「聖剣騎士団をここに集めろと言ったのだ!!」
「はっ!?聖剣騎士団をここにですか?し、しかし今はヘイニー様のお身体の方を―――」
「今はそれどころではない!!」
ヘイニーを助けるためにこの場から離れようとしている騎士を、その彼が怒鳴りつける。
それに戸惑う騎士に、ヘイニーは今は自分の事などどうでもいいと叫んでいた。
「聖剣騎士団を中心に一点突破を掛ける、それしか活路はないのだ・・・何をしている、早くしないか!!」
「は、ははっ!!」
顔を真っ青に染めながら、ヘイニーは自らの考えを口にする。
そんな彼の言葉を聞きながら、呆気に取られた様子でその場に佇んでいる騎士を彼は怒鳴りつけると、聖剣騎士団を呼び集めに向かわせていた。
「本当に、これでいいのか?だが、私にはこんな事しか・・・はははっ、こんな事ならもっと真面目に軍学を学んでおくんだったな」
慌てて駆けだしていった騎士を見送るヘイニーは、空を見上げながら乾いた笑いを漏らす。
彼の手前、自信に満ちた態度で下した命令も、実は何の確信もなく口にしたものに過ぎなかったのだ。
「ヘイニー様!パーシヴァル以下、聖剣騎士団全名参上いたしました!」
先ほど呼びに行かせた騎士が同僚を引き連れ戻って来ては、胸を叩いてそれを報告する。
その声に彼の背後の騎士達が馬上から降りて跪こうとしているのを、ヘイニーは手を掲げて制していた。
「お前達には全軍の先鋒となって血路を切り開いてもらう!そうしてこの場を一時離脱し、しかる後体勢を整えて―――」
ヘイニーは馬を歩かせ、彼ら一人一人へと近づいて語り掛けると、剣を引き抜いて敵軍を示す。
数の差に、分厚い壁のように存在する敵軍を示したヘイニーは、彼らにそこを切り開いてもらうと宣言する。
それは無茶な命令だろう、しかしそれしかないのだと頷き合う騎士達は、決意を固めた様子で顔を上げる。
「た、大変です!!後方に、後方に敵の騎兵部隊が現れました!!」
その場にいる者が決死の作戦に心を固めた時に、それは訪れる。
慌ててその場に駆け込んできた伝令は、背後に迫る騎兵部隊の存在を伝えていた。
「何だと?それではもはや我々は・・・終わりではないか」
そこを突かれれば、一巻の終わりだ。
それを悟ったヘイニーは、絶望に呟く。
彼の視線の先では、無防備な後背に迫る敵の騎兵部隊の姿が映っていた。
◆◇◆◇◆◇
「ぐぅ!?くっ、中々やるじゃねぇか・・・」
刃物を弾く表皮を手に入れても、鈍器で殴られればその効果も薄らいでしまう。
集団に囲まれ、一方的に鈍器で殴られ続けるオーソンの顔はもはやボコボコだ。
それでも彼は倒れることなく、その場に立ち続けていた。
「もう止めて、オーソン!!貴方がそこまでやる必要はないでしょう!?」
そんなオーソンの背後の物陰から、レジーが悲痛な声で叫ぶ。
「へへっ、悪いが譲れねぇなぁ・・・俺にも守りたいものがあるもんでな」
しかしそんなレジーの声を耳にしても、オーソンは後ろをチラリと振り返り、その口元に笑みを浮かべるだけであった。
「そんな、どうしてそこまで・・・っ!『止まりなさい、貴方達』!!」
オーソンがどうしてそこまでするのか、全く分からないと首を横に振るレジー。
彼女は彼へと迫る黒葬騎士団の魔の手を目にすると、それを止めようと口を開き命令する。
「やった!」
その命令に、彼らはピタリと静止していた。
「・・・っらぁ!!」
しかしそれは一瞬の事だけで、彼らはそれが解かれるとそのままオーソンを殴りつける。
「そんな、どうして!?」
自らが努力して得た訳ではない突如獲得した能力に、彼女自身それがどのように作用するか分からない。
「だったら!!」
だから彼女は、前へと躍り出る
近くでその力を行使すれば効果も強くなると、オーソンを助けられると信じて。
「・・・それを、待っていた!」
例え対処法が分かっても、その効果を無効化することまでは出来ないレジーの能力。
その目障りな存在をここまで放置していたのは、彼女がオーソンに守られた物陰に隠れていたからだ。
そこから飛び出した今、彼女を守るものはもはや何もない。
それを待っていたのだと、マルコムの刃が彼女へと迫る。
「―――えっ?」
予期していなかった攻撃に、レジーは呆けたように固まってしまう。
「レジーーー!!」
その光景に、オーソンの悲痛な声を上げる。
彼女へと駆け寄ろうとした彼の進路は、マルコムの仲間達によって阻まれ、彼はそれを見ていることしか出来ない。
そしてその手を伸ばした先で、マルコムの剣が振り下ろされていた。
不慣れな馬に跨りながら周囲の状況を見渡すヘイニーは、思わずそう呟くと馬の首にしがみつく。
聖剣騎士団の活躍によって一時は巻き返した戦況も気付けば相手に盛り返されており、さらに悪い事に敵軍がこちらを包囲しつつあるのだ。
「どうする、どうすればいい!?このままでは我々は・・・ぐぅ!?」
このまま手をこまねいて敵軍の包囲を許せば、数の差にそのまま押し潰されてしまうのは明白であった。
しかしこんな状況をどう打開すればいいのか、碌に戦いを指揮した経験もないヘイニーには到底思いつかない。
それでもここで何か思いつかなければ自分を信じてくれた皆が道ずれになってしまう、その重すぎるプレッシャーに彼の胃は強烈に痛んでいた。
「くっ、こんな時に・・・!」
「っ!?ヘイニー様、いかがなさいましたか!?」
鳩尾の下辺りを押さえ脂汗を浮かべるヘイニーに、近習の騎士が慌てた様子で近づいてくる。
「・・・めろ」
「は?今、何と仰いましたか?い、いえ!とにかく軍医を探して―――」
ヘイニーは脂汗を浮かべながら何かを呟くが、それは掠れてうまく聞き取れない。
彼のすぐ傍へと近寄った騎士はそれを聞き返すが、それより彼を医者に見せることが優先だと、この場から離れようとしていた。
「聖剣騎士団をここに集めろと言ったのだ!!」
「はっ!?聖剣騎士団をここにですか?し、しかし今はヘイニー様のお身体の方を―――」
「今はそれどころではない!!」
ヘイニーを助けるためにこの場から離れようとしている騎士を、その彼が怒鳴りつける。
それに戸惑う騎士に、ヘイニーは今は自分の事などどうでもいいと叫んでいた。
「聖剣騎士団を中心に一点突破を掛ける、それしか活路はないのだ・・・何をしている、早くしないか!!」
「は、ははっ!!」
顔を真っ青に染めながら、ヘイニーは自らの考えを口にする。
そんな彼の言葉を聞きながら、呆気に取られた様子でその場に佇んでいる騎士を彼は怒鳴りつけると、聖剣騎士団を呼び集めに向かわせていた。
「本当に、これでいいのか?だが、私にはこんな事しか・・・はははっ、こんな事ならもっと真面目に軍学を学んでおくんだったな」
慌てて駆けだしていった騎士を見送るヘイニーは、空を見上げながら乾いた笑いを漏らす。
彼の手前、自信に満ちた態度で下した命令も、実は何の確信もなく口にしたものに過ぎなかったのだ。
「ヘイニー様!パーシヴァル以下、聖剣騎士団全名参上いたしました!」
先ほど呼びに行かせた騎士が同僚を引き連れ戻って来ては、胸を叩いてそれを報告する。
その声に彼の背後の騎士達が馬上から降りて跪こうとしているのを、ヘイニーは手を掲げて制していた。
「お前達には全軍の先鋒となって血路を切り開いてもらう!そうしてこの場を一時離脱し、しかる後体勢を整えて―――」
ヘイニーは馬を歩かせ、彼ら一人一人へと近づいて語り掛けると、剣を引き抜いて敵軍を示す。
数の差に、分厚い壁のように存在する敵軍を示したヘイニーは、彼らにそこを切り開いてもらうと宣言する。
それは無茶な命令だろう、しかしそれしかないのだと頷き合う騎士達は、決意を固めた様子で顔を上げる。
「た、大変です!!後方に、後方に敵の騎兵部隊が現れました!!」
その場にいる者が決死の作戦に心を固めた時に、それは訪れる。
慌ててその場に駆け込んできた伝令は、背後に迫る騎兵部隊の存在を伝えていた。
「何だと?それではもはや我々は・・・終わりではないか」
そこを突かれれば、一巻の終わりだ。
それを悟ったヘイニーは、絶望に呟く。
彼の視線の先では、無防備な後背に迫る敵の騎兵部隊の姿が映っていた。
◆◇◆◇◆◇
「ぐぅ!?くっ、中々やるじゃねぇか・・・」
刃物を弾く表皮を手に入れても、鈍器で殴られればその効果も薄らいでしまう。
集団に囲まれ、一方的に鈍器で殴られ続けるオーソンの顔はもはやボコボコだ。
それでも彼は倒れることなく、その場に立ち続けていた。
「もう止めて、オーソン!!貴方がそこまでやる必要はないでしょう!?」
そんなオーソンの背後の物陰から、レジーが悲痛な声で叫ぶ。
「へへっ、悪いが譲れねぇなぁ・・・俺にも守りたいものがあるもんでな」
しかしそんなレジーの声を耳にしても、オーソンは後ろをチラリと振り返り、その口元に笑みを浮かべるだけであった。
「そんな、どうしてそこまで・・・っ!『止まりなさい、貴方達』!!」
オーソンがどうしてそこまでするのか、全く分からないと首を横に振るレジー。
彼女は彼へと迫る黒葬騎士団の魔の手を目にすると、それを止めようと口を開き命令する。
「やった!」
その命令に、彼らはピタリと静止していた。
「・・・っらぁ!!」
しかしそれは一瞬の事だけで、彼らはそれが解かれるとそのままオーソンを殴りつける。
「そんな、どうして!?」
自らが努力して得た訳ではない突如獲得した能力に、彼女自身それがどのように作用するか分からない。
「だったら!!」
だから彼女は、前へと躍り出る
近くでその力を行使すれば効果も強くなると、オーソンを助けられると信じて。
「・・・それを、待っていた!」
例え対処法が分かっても、その効果を無効化することまでは出来ないレジーの能力。
その目障りな存在をここまで放置していたのは、彼女がオーソンに守られた物陰に隠れていたからだ。
そこから飛び出した今、彼女を守るものはもはや何もない。
それを待っていたのだと、マルコムの刃が彼女へと迫る。
「―――えっ?」
予期していなかった攻撃に、レジーは呆けたように固まってしまう。
「レジーーー!!」
その光景に、オーソンの悲痛な声を上げる。
彼女へと駆け寄ろうとした彼の進路は、マルコムの仲間達によって阻まれ、彼はそれを見ていることしか出来ない。
そしてその手を伸ばした先で、マルコムの剣が振り下ろされていた。
12
お気に入りに追加
2,408
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました
ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。
そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった……
失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。
その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。
※小説家になろうにも投稿しています。
国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる