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第一章 最果ての街キッパゲルラ
暴走するエクス
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「エクス、お前・・・いい加減にしろよ!!」
最果ての街キッパゲルラの大通り、眩しい日差しに多くの人通りに溢れかえるその場所にユーリの怒声が響く。
「・・・何がいけないのでしょう、マスター?」
その怒声が向けられている少女、エクスはその端正な顔を僅かに傾かせて不思議そうな表情を作っていた。
彼らの周囲には、この人通りの中にあっても自然と空間が出来ていた。
「何がって・・・今、その人の腕を切り落とそうとした事がだろ!?」
それはエクスの目の前で、彼女の剣によって壁に縫い留められている男が原因であろう。
「それの何が問題なのでしょう?この男は盗みを働きました、ですのでその処罰は妥当かと」
エクスは目の前の窃盗犯を追い詰め、ここで見事彼を捕まえたようだ。
その大捕り物に野次馬の目も多く集まっており、そんな視線の中で私刑を実行しようとしているエクスに、ユーリは困り果てていた。
「いや、だからそれがやり過ぎだって・・・って、ちょいちょいちょい!?やろうとするなやろうと!!」
「マスターの了解が得られたと考えたのですが・・・違いましたか?」
エクスの態度に頭を抱え、やり過ぎだと注意をしているユーリの目の前で彼女はその窃盗犯の腕を切り落とそうとしている。
それに慌ててユーリは制止の声を上げるが、やはりエクスは不思議そうに首を傾げるだけだった。
「えぇ・・・何処をどう解釈すれば、そういう話に?」
「マスターはやり過ぎを問題視されたのでは?でしたら問題はないかと。右手で盗んだのならば右手を、左手で殴ったのならば左手を切り落とすのが昔からの習わしですから」
「えぇ!?一体、いつの時代の論理観なのそれ!?」
噛み合わない会話に、ユーリは再び頭を抱える。
そんなユーリにエクスは自らの正しさを疑っていない堂々とした態度で、とんでもない論理をぶちあげていた。
「ひぃぃ!?何だよこいつら!?頭おかしいのかよぉ!?」
「いや、こいつらって。俺は別に・・・あ、おい!?」
そんなエクスに生殺与奪の権を握られている窃盗犯は、怯えた声を上げて身を捩る。
その発言に何故か一纏めにされ不満を感じているユーリの目の前で、彼は服を引き千切るとその場から逃げ出してしまっていた。
「あぁもう、逃げられちゃった・・・エクス、お前が怖がらせるからだぞ?今度からは余計な事はせずに、素直に憲兵辺りに引き渡して・・・あれ、エクス?どこ行ったんだ?」
このままでは命まで危ないと感じた、窃盗犯の逃げ足は速い。
あっという間に見えなくなったその姿に、ユーリは次は余計な事をしないようにとエクスに言い聞かせる。
しかしそこに、彼女の姿はなかった。
「おとーさん、おとーさん」
「ん、どうしたんだプティ?」
エクスの姿を探して周囲へと視線を向けるユーリの服を、くいくいと引っ張る感触があった。
そちらへと視線を向けると彼の娘であるプティが、何かを訴えかけるようにその服の裾を引っ張っている。
「あぁ、向こうに行ったのか。どれどれ・・・って、おーーーい!?何やってんだ、エクスー!!?」
ユーリの顔を見上げるプティは、その服の裾を引っ張りながらもう片方の手である方向を指差している。
それを見れば、彼女が何を言いたいのかはすぐ分かるだろう。
それに従い顔をそちらへと向けたユーリは、その先に広がっていた光景に悲鳴を上げると慌てて駆けだしていた。
「何を、ですか?この者達がマスターの事を侮辱していましたので、制裁を」
「そうだそうだ!やっちゃえ、エクスー!!」
ユーリが向かった先では、エクスが大柄の男を組み敷いてはまたしても剣を振り下ろそうとしている。
そしてその横ではユーリのもう一人の娘であるネロが、楽しそうに彼女を囃し立てていた。
「ネロ、お前まで・・・と、とにかく!駄目だ駄目、止めなさい二人とも!」
「えー?でもでもー、こいつ本当におとーさんのこと馬鹿にしてたんだよー?」
「でもでもじゃない!とにかく止めるの、いいな!」
「はーい」
散々暴れまわっているエクスだけでなく、ネロまでそれに加わっていた事にショックを受けるユーリ。
しかし彼女はエクスと違い、叱られるとすぐに大人しくなっていた。
「ちぇー、叱られちゃった」
「だ、駄目だよネロ。勝手な事しちゃ」
「うー・・・でもさー、おとーさんを馬鹿にしてたのは本当なんだよ?」
「えっ、そうなんだ。だったら仕方ないの、かな?」
すぐに大人しくなったネロに満足したユーリはエクスへと注意を向け、その背後で繰り広げられる会話を聞くことはない。
そこでプティが見せた、冷たいを表情を目にする事も。
「全く、何だってんだ。この間の事を話してただけだってのによ・・・」
ユーリの言葉に渋々といった様子でその場から引いたエクス、彼女に組み敷かれていた大柄な男がゆっくりと立ち上がる。
「あ、オーソンさんだったんだ。だったら・・・」
「おい、だったら何だってんだ!?俺ならどうなってもいいってのか!?そういう所だぞ、お前!!」
その立ち上がった大柄な男は、ユーリの同僚である冒険者オーソンだった。
それを見て露骨にホッとするユーリに、オーソンはふざけるなと激しく食い掛っていく。
「はっ、俺みたいな庶民はどうなっても構わないってか?流石、元騎士様は違うねぇ!そんなんだから、ギルドをぶっ壊してもそうやってのうのうと―――」
「マスターへの侮辱は許さないと言った筈ですが?」
一気呵成にユーリを責め立てるオーソンは、この間のギルドの件も言及して彼を追い詰める。
その首筋に、エクスの冷たい言葉と剣先が突き付けられていた。
「いいぞー、やれやれー!」
「エクス、その・・・優しく、ね?」
オーソンのこめかみから垂れた冷や汗が、剣先へと伝う。
そんなオーソンをさらに追い詰めるように、ネロとプティの気軽な声が飛んだ。
「言われるまでもありません」
二人に囃し立てられるまでもなく、エクスはその剣先を進めようとしている。
それはオーソンの首筋に到達し、僅かに血を流させる。
「だぁーーー!!だから駄目だってば!!」
ユーリはそれに慌てて飛び込むと、身を挺して彼女を止めていた。
「何故でしょうか、マスター?この者はマスターを馬鹿にしただけでなく、騎士という名誉ある職をも侮辱しました。万死に値するかと」
「だから、その蛮族思考止めて!!どうして、すぐに暴力で解決しようとするの!?二人も、煽ってないでちゃんと止める!分かった!?」
「「はーい」」
相も変わらず不思議そうに首を捻るエクス、返事だけはいいネロとプティ、そんな彼女達に囲まれてユーリはまたしても頭を抱えていた。
「やはり納得いきません、マスター。そもそも騎士というのは大変名誉ある職で、それに選ばれた者を貶すなどあってはならない―――」
「えぇ・・・?やだ、この子。騎士に対してすっごく思い入れがあるじゃん。こんな饒舌に話すところ、初めて見たんだけど・・・」
納得いかないという表情でユーリへと詰め寄るエクスは、訥々と騎士という職の名誉について話し始める。
その勢いは凄まじく、思わずユーリは気圧されてしまっていた。
「分かった、分かったから!もうそれぐらいにしようか?騎士という職が名誉ある仕事なのは分かったけど、それとこれとは別・・・あれ、エクス?おい、まさか―――」
止まらないエクスの語り口に、ユーリは降参だと両手を掲げる。
ユーリがエクスに妥協を口にしながら説教を続けようとしていると、その前からまたしても彼女の姿が消えていた。
「何だお前?ちょ、え、嘘だろ?ぎゃあああ!!!?」
そして、またしても悲鳴が上がる。
「あーーーもーーー!!またかよぉぉぉ!!?」
そこには、もう一つ痛々しく響く悲鳴が響き渡っていた。
「何だったんだ、あいつらは?」
「俺に聞くなよ」
こちらに絡んできたと思えば、すぐにまた別の誰かへと絡んでいったエクス達に、オーソン達は何がしたかったんだと首を捻っている。
彼らはまた別の、恐らくコソ泥か何かであろう男へと絡んでいるエクスへと視線を向けながら、呆れたように溜め息を漏らしていた。
「滅茶苦茶だな、あいつ・・・ん、あれは?」
エクスへと向けた視線、その向こう側には路地が続いており、そこには放置されたゴミを漁っているシーツのようなボロボロな衣服を纏っている子供の姿があった。
「あの時のガキじゃねぇか!おい、お前!!」
それは彼の部屋に急に現れ、そしてそのまま出ていったあの謎の子供であった。
それに気が付いたオーソンは、声を上げるとそちらへと近づいていく。
「っ!?」
彼の接近に気が付いたその子供は、一度顔を上げオーソンの方へと視線を向けると、そのまま慌てて駆けだしていく。
「あ、待てって!俺は別に何も・・・行っちまった」
オーソンの姿に怯えた様子で逃げだしていったその子供、その姿に彼は失敗したと頭を掻いている。
もはやその姿も見えなくなった路地へと視線を向けるオーソンの表情は、どこか心配そうであった。
「おい、何してんだ?さっさと行こうぜ」
「あ、あぁ・・・」
一人明後日の方へと視線を向けては固まっているオーソンに、仲間が声を掛けてくる。
それに振り返り、そちらへと歩き出したオーソンは最後にもう一度、路地の方へと視線を向けていた。
最果ての街キッパゲルラの大通り、眩しい日差しに多くの人通りに溢れかえるその場所にユーリの怒声が響く。
「・・・何がいけないのでしょう、マスター?」
その怒声が向けられている少女、エクスはその端正な顔を僅かに傾かせて不思議そうな表情を作っていた。
彼らの周囲には、この人通りの中にあっても自然と空間が出来ていた。
「何がって・・・今、その人の腕を切り落とそうとした事がだろ!?」
それはエクスの目の前で、彼女の剣によって壁に縫い留められている男が原因であろう。
「それの何が問題なのでしょう?この男は盗みを働きました、ですのでその処罰は妥当かと」
エクスは目の前の窃盗犯を追い詰め、ここで見事彼を捕まえたようだ。
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「いや、だからそれがやり過ぎだって・・・って、ちょいちょいちょい!?やろうとするなやろうと!!」
「マスターの了解が得られたと考えたのですが・・・違いましたか?」
エクスの態度に頭を抱え、やり過ぎだと注意をしているユーリの目の前で彼女はその窃盗犯の腕を切り落とそうとしている。
それに慌ててユーリは制止の声を上げるが、やはりエクスは不思議そうに首を傾げるだけだった。
「えぇ・・・何処をどう解釈すれば、そういう話に?」
「マスターはやり過ぎを問題視されたのでは?でしたら問題はないかと。右手で盗んだのならば右手を、左手で殴ったのならば左手を切り落とすのが昔からの習わしですから」
「えぇ!?一体、いつの時代の論理観なのそれ!?」
噛み合わない会話に、ユーリは再び頭を抱える。
そんなユーリにエクスは自らの正しさを疑っていない堂々とした態度で、とんでもない論理をぶちあげていた。
「ひぃぃ!?何だよこいつら!?頭おかしいのかよぉ!?」
「いや、こいつらって。俺は別に・・・あ、おい!?」
そんなエクスに生殺与奪の権を握られている窃盗犯は、怯えた声を上げて身を捩る。
その発言に何故か一纏めにされ不満を感じているユーリの目の前で、彼は服を引き千切るとその場から逃げ出してしまっていた。
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このままでは命まで危ないと感じた、窃盗犯の逃げ足は速い。
あっという間に見えなくなったその姿に、ユーリは次は余計な事をしないようにとエクスに言い聞かせる。
しかしそこに、彼女の姿はなかった。
「おとーさん、おとーさん」
「ん、どうしたんだプティ?」
エクスの姿を探して周囲へと視線を向けるユーリの服を、くいくいと引っ張る感触があった。
そちらへと視線を向けると彼の娘であるプティが、何かを訴えかけるようにその服の裾を引っ張っている。
「あぁ、向こうに行ったのか。どれどれ・・・って、おーーーい!?何やってんだ、エクスー!!?」
ユーリの顔を見上げるプティは、その服の裾を引っ張りながらもう片方の手である方向を指差している。
それを見れば、彼女が何を言いたいのかはすぐ分かるだろう。
それに従い顔をそちらへと向けたユーリは、その先に広がっていた光景に悲鳴を上げると慌てて駆けだしていた。
「何を、ですか?この者達がマスターの事を侮辱していましたので、制裁を」
「そうだそうだ!やっちゃえ、エクスー!!」
ユーリが向かった先では、エクスが大柄の男を組み敷いてはまたしても剣を振り下ろそうとしている。
そしてその横ではユーリのもう一人の娘であるネロが、楽しそうに彼女を囃し立てていた。
「ネロ、お前まで・・・と、とにかく!駄目だ駄目、止めなさい二人とも!」
「えー?でもでもー、こいつ本当におとーさんのこと馬鹿にしてたんだよー?」
「でもでもじゃない!とにかく止めるの、いいな!」
「はーい」
散々暴れまわっているエクスだけでなく、ネロまでそれに加わっていた事にショックを受けるユーリ。
しかし彼女はエクスと違い、叱られるとすぐに大人しくなっていた。
「ちぇー、叱られちゃった」
「だ、駄目だよネロ。勝手な事しちゃ」
「うー・・・でもさー、おとーさんを馬鹿にしてたのは本当なんだよ?」
「えっ、そうなんだ。だったら仕方ないの、かな?」
すぐに大人しくなったネロに満足したユーリはエクスへと注意を向け、その背後で繰り広げられる会話を聞くことはない。
そこでプティが見せた、冷たいを表情を目にする事も。
「全く、何だってんだ。この間の事を話してただけだってのによ・・・」
ユーリの言葉に渋々といった様子でその場から引いたエクス、彼女に組み敷かれていた大柄な男がゆっくりと立ち上がる。
「あ、オーソンさんだったんだ。だったら・・・」
「おい、だったら何だってんだ!?俺ならどうなってもいいってのか!?そういう所だぞ、お前!!」
その立ち上がった大柄な男は、ユーリの同僚である冒険者オーソンだった。
それを見て露骨にホッとするユーリに、オーソンはふざけるなと激しく食い掛っていく。
「はっ、俺みたいな庶民はどうなっても構わないってか?流石、元騎士様は違うねぇ!そんなんだから、ギルドをぶっ壊してもそうやってのうのうと―――」
「マスターへの侮辱は許さないと言った筈ですが?」
一気呵成にユーリを責め立てるオーソンは、この間のギルドの件も言及して彼を追い詰める。
その首筋に、エクスの冷たい言葉と剣先が突き付けられていた。
「いいぞー、やれやれー!」
「エクス、その・・・優しく、ね?」
オーソンのこめかみから垂れた冷や汗が、剣先へと伝う。
そんなオーソンをさらに追い詰めるように、ネロとプティの気軽な声が飛んだ。
「言われるまでもありません」
二人に囃し立てられるまでもなく、エクスはその剣先を進めようとしている。
それはオーソンの首筋に到達し、僅かに血を流させる。
「だぁーーー!!だから駄目だってば!!」
ユーリはそれに慌てて飛び込むと、身を挺して彼女を止めていた。
「何故でしょうか、マスター?この者はマスターを馬鹿にしただけでなく、騎士という名誉ある職をも侮辱しました。万死に値するかと」
「だから、その蛮族思考止めて!!どうして、すぐに暴力で解決しようとするの!?二人も、煽ってないでちゃんと止める!分かった!?」
「「はーい」」
相も変わらず不思議そうに首を捻るエクス、返事だけはいいネロとプティ、そんな彼女達に囲まれてユーリはまたしても頭を抱えていた。
「やはり納得いきません、マスター。そもそも騎士というのは大変名誉ある職で、それに選ばれた者を貶すなどあってはならない―――」
「えぇ・・・?やだ、この子。騎士に対してすっごく思い入れがあるじゃん。こんな饒舌に話すところ、初めて見たんだけど・・・」
納得いかないという表情でユーリへと詰め寄るエクスは、訥々と騎士という職の名誉について話し始める。
その勢いは凄まじく、思わずユーリは気圧されてしまっていた。
「分かった、分かったから!もうそれぐらいにしようか?騎士という職が名誉ある仕事なのは分かったけど、それとこれとは別・・・あれ、エクス?おい、まさか―――」
止まらないエクスの語り口に、ユーリは降参だと両手を掲げる。
ユーリがエクスに妥協を口にしながら説教を続けようとしていると、その前からまたしても彼女の姿が消えていた。
「何だお前?ちょ、え、嘘だろ?ぎゃあああ!!!?」
そして、またしても悲鳴が上がる。
「あーーーもーーー!!またかよぉぉぉ!!?」
そこには、もう一つ痛々しく響く悲鳴が響き渡っていた。
「何だったんだ、あいつらは?」
「俺に聞くなよ」
こちらに絡んできたと思えば、すぐにまた別の誰かへと絡んでいったエクス達に、オーソン達は何がしたかったんだと首を捻っている。
彼らはまた別の、恐らくコソ泥か何かであろう男へと絡んでいるエクスへと視線を向けながら、呆れたように溜め息を漏らしていた。
「滅茶苦茶だな、あいつ・・・ん、あれは?」
エクスへと向けた視線、その向こう側には路地が続いており、そこには放置されたゴミを漁っているシーツのようなボロボロな衣服を纏っている子供の姿があった。
「あの時のガキじゃねぇか!おい、お前!!」
それは彼の部屋に急に現れ、そしてそのまま出ていったあの謎の子供であった。
それに気が付いたオーソンは、声を上げるとそちらへと近づいていく。
「っ!?」
彼の接近に気が付いたその子供は、一度顔を上げオーソンの方へと視線を向けると、そのまま慌てて駆けだしていく。
「あ、待てって!俺は別に何も・・・行っちまった」
オーソンの姿に怯えた様子で逃げだしていったその子供、その姿に彼は失敗したと頭を掻いている。
もはやその姿も見えなくなった路地へと視線を向けるオーソンの表情は、どこか心配そうであった。
「おい、何してんだ?さっさと行こうぜ」
「あ、あぁ・・・」
一人明後日の方へと視線を向けては固まっているオーソンに、仲間が声を掛けてくる。
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