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シーサーペントとの激闘 7
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「ハロルド!!」
「おおっ、凄ぇ!やったな、ハロルド!!」
大きく肉を抉られたシーサーペントは一度身体をぐらつかせると、そのまま湖へと沈んでいく。
その姿を目にして歓声を上げたアイリスとクリスの二人は、地面へと倒れ付してしまったハロルドに駆け寄っていく。
意識を失っているように見えるハロルドに、心配そうに声を掛けているアイリスと違い、クリスは彼が振るった力に歓声を上げて喜びを示していた。
『シーサーペントのブレスを弾き飛ばした?そんな魔力を人間の・・・しかも子供が?そんな事あり得るのか・・・?』
ハロルドを助けるために駆け寄っていたカイは、その場で立ち尽くしてしまっているのは、何もその必要がなくなったからではない。
彼はハロルドが振るった力の異常さに慄き、戸惑ってしまっていたのだ。
人間は種族的にあまり強い魔力を持たず、その魔法的な素養も貧弱な種族な筈だ。
勿論それでもごく一部に、強力な術者が生まれることもある。
しかしそれは往々にして、長い年月を経て研鑽を重ねてきた者が至る極致である筈だ。
ハロルドが見せた力は、それとも明らかに違う。
それはまるで、一部の魔物や魔族といわれる生物が持つ、生まれながらの力のようであった。
『まぁ、それは後でもいいか。今はとにかくハロルドが助かったことが・・・不味いっ!?』
ハロルドの異常な力は気になる所であったが、今は彼が無事であったことが第一だ。
止めていた足を進め、彼へと歩み寄ろうとしていたカイは、どこかから危険な気配が漂ってくるのを感じ取っていた。
その気配は、シーサーペントがいた方向からだ。
そちらに視線を向ければ、そこには深手を負わされたことで怒り狂っているシーサーペントが、大口を開けてハロルド達に狙いを澄ましている所であった。
『お前達、早く逃げろ!!そこは危険だ!!』
「スライムさん?一体、何を・・・?」
意識を失い地面へと倒れ付しているハロルドを治療しているアイリスは、カイの大声に不思議そうな表情で振り返っていた。
彼女はカイの声には反応しているが、通じない言葉に当然その内容は理解していない。
カイは強い焦燥感をその顔に浮かべて駆け寄っているが、あまりの種族の違いに彼女がそれを読み解くことは出来ないだろう。
「・・・アイ、リス?ここ、は・・・」
「ハロルド!良かった、気がついたのね!」
「おおっ、ようやくか!大丈夫か、ハロルド?」
アイリスの回復魔法に、ハロルドはその意識をゆっくりと取り戻す。
その彼の様子にアイリスは歓声を上げ、クリスも彼の顔を覗きこんでは、どこか問題はないかと気遣っていた。
「っ!?不味い!早く・・・ここから、離れるんだ!」
混乱した様子で周りへと目をやっていたハロルドは、それにいち早く気がついて警戒の声を上げる。
しかし、それはもはや遅すぎる。
シーサーペントはその口腔内に、ブレスの予兆となる眩い光を溢れさせ始め、彼らを一掃しようとその鎌首を擡げていた。
「ハロルド、何を・・・?」
「おいおい、もう少し休んでた方がいいだろ?」
「いいから早く!!ここから離れるんだ!!」
目覚めたばかりのハロルドの態度に、アイリスとクリスの二人は不思議そうに戸惑うばかり。
彼は一刻も早く二人を避難させようと言動を強くするが、その振る舞いが寧ろ彼が錯乱していると二人に思わせてしまっていた。
「おおっ、凄ぇ!やったな、ハロルド!!」
大きく肉を抉られたシーサーペントは一度身体をぐらつかせると、そのまま湖へと沈んでいく。
その姿を目にして歓声を上げたアイリスとクリスの二人は、地面へと倒れ付してしまったハロルドに駆け寄っていく。
意識を失っているように見えるハロルドに、心配そうに声を掛けているアイリスと違い、クリスは彼が振るった力に歓声を上げて喜びを示していた。
『シーサーペントのブレスを弾き飛ばした?そんな魔力を人間の・・・しかも子供が?そんな事あり得るのか・・・?』
ハロルドを助けるために駆け寄っていたカイは、その場で立ち尽くしてしまっているのは、何もその必要がなくなったからではない。
彼はハロルドが振るった力の異常さに慄き、戸惑ってしまっていたのだ。
人間は種族的にあまり強い魔力を持たず、その魔法的な素養も貧弱な種族な筈だ。
勿論それでもごく一部に、強力な術者が生まれることもある。
しかしそれは往々にして、長い年月を経て研鑽を重ねてきた者が至る極致である筈だ。
ハロルドが見せた力は、それとも明らかに違う。
それはまるで、一部の魔物や魔族といわれる生物が持つ、生まれながらの力のようであった。
『まぁ、それは後でもいいか。今はとにかくハロルドが助かったことが・・・不味いっ!?』
ハロルドの異常な力は気になる所であったが、今は彼が無事であったことが第一だ。
止めていた足を進め、彼へと歩み寄ろうとしていたカイは、どこかから危険な気配が漂ってくるのを感じ取っていた。
その気配は、シーサーペントがいた方向からだ。
そちらに視線を向ければ、そこには深手を負わされたことで怒り狂っているシーサーペントが、大口を開けてハロルド達に狙いを澄ましている所であった。
『お前達、早く逃げろ!!そこは危険だ!!』
「スライムさん?一体、何を・・・?」
意識を失い地面へと倒れ付しているハロルドを治療しているアイリスは、カイの大声に不思議そうな表情で振り返っていた。
彼女はカイの声には反応しているが、通じない言葉に当然その内容は理解していない。
カイは強い焦燥感をその顔に浮かべて駆け寄っているが、あまりの種族の違いに彼女がそれを読み解くことは出来ないだろう。
「・・・アイ、リス?ここ、は・・・」
「ハロルド!良かった、気がついたのね!」
「おおっ、ようやくか!大丈夫か、ハロルド?」
アイリスの回復魔法に、ハロルドはその意識をゆっくりと取り戻す。
その彼の様子にアイリスは歓声を上げ、クリスも彼の顔を覗きこんでは、どこか問題はないかと気遣っていた。
「っ!?不味い!早く・・・ここから、離れるんだ!」
混乱した様子で周りへと目をやっていたハロルドは、それにいち早く気がついて警戒の声を上げる。
しかし、それはもはや遅すぎる。
シーサーペントはその口腔内に、ブレスの予兆となる眩い光を溢れさせ始め、彼らを一掃しようとその鎌首を擡げていた。
「ハロルド、何を・・・?」
「おいおい、もう少し休んでた方がいいだろ?」
「いいから早く!!ここから離れるんだ!!」
目覚めたばかりのハロルドの態度に、アイリスとクリスの二人は不思議そうに戸惑うばかり。
彼は一刻も早く二人を避難させようと言動を強くするが、その振る舞いが寧ろ彼が錯乱していると二人に思わせてしまっていた。
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