83 / 168
穏やかな日々の終り
亀裂 1
しおりを挟む
「そうだ、剣を教えてくれよ。得意だろ?」
近くで取ってきたものだろうか、怪しい色をしたキノコを火に掛けて調理していたレオンは、クロードのその声に顔を上げる。
それなりに経った時間にクロードも空腹は感じていただろうか、そのキノコの見た目に近づこうとする素振りを見せなかった。
エミリアの知識を借りれれば分かったかもしれない毒の有無も、今の彼では名前しか分からない。
それだけの情報で野性のキノコに手を出すのは、あまりに危険すぎる行いだった。
「剣を?別に構わないが・・・これしか持ってきてないぞ?」
「それならなんか適当に・・・流石に土は嫌だから、石かなぁ」
いい具合に焼けたのだろうか、地面に刺した串ごとキノコを手に取ったレオンは、それを口にすると剣を示してみせる。
彼はその愛用の剣しか持ち合わせていないようだ、クロードはそれを見ると洞窟の外に出て、適当に素材になりそうなものを物色し始めていた。
「これならいけるかなぁ。あんまり大きすぎないように・・・こんなもんでどうだ?」
両手で抱えきれないほどの大きさの岩を見つけたクロードは、それに手を翳すと剣のイメージを頭に思い描く。
あまりに力に自信がない彼としては、あまり大振りなものは扱いに困るだろう。
ファンタジー的な憧れで、ついつい大剣にしてしまいそうな心を諌めた彼は、扱いやすそうな大きさの剣を作り出していた。
「やっぱりファンタジーといえば剣だよな!魔法の方はちょっとな・・・難しそうで」
この数ヶ月の間、エミリアやアンナから魔法を教わった彼は、その扱いと感覚の難しさにその習得を半ば諦めてしまっていた。
その彼にとって剣は、もう一つのファンタジーの代名詞とも言えるもので、それを手にした彼は上機嫌にそれを掲げてみせる。
「その力・・・人の域を超えるその力を、一体誰から授かった?」
「え?アニエスからだけど?」
剣を掲げては色々な角度で眺めているクロードに、レオンがどこか畏れを含む声色で問いかける。
弓を教えてくれているエミリアの目もあって、中々手にする機会がなかった剣をその手にしたことで上機嫌なクロードは、その質問の意味を深く考えずに答えてしまう。
その言葉にレオンは、驚きに目を見開いていた。
「・・・アニエス?アニエスだと!?」
「あ、やべっ!?あー・・・その、悪いんだけど、この事は秘密にしてくんない?」
彼の反応に失言してしまった事に気がついたクロードは、もはや誤魔化しようのない状況に秘密にしてもらうように頼み込む。
今更秘密にする必要のない事実も、親しい少女達よりも先にレオンに教えたとあっては角が立つ、手を合わせて頭を下げるクロードには、レオンの表情は見えていなかった。
その顔には驚愕よりも、強い怒りと憎しみが覗いている事も。
「それは邪神アニエスの事かっ!!!」
「え!?あいつ邪神なの?そんな感じは・・・うおっ!?」
自らに力を授けた存在を邪神とのたまうレオンに、クロードは暢気に疑問の声を返していた。
そんな暢気な振る舞いも、激昂して詰め寄ってきたレオンに押し倒されれば余裕もなくなる。
その首筋に剣を突きつけられれば、なおさら。
「疑ってはいたが・・・やはりお前もそうなのかっ!!お前も親父と同じように、人類に仇を為すつもりか!!!」
「いやいやいや!?そんな訳ないだろ!!?何でそんな話になるんだよっ!?」
激昂するレオンは力をうまくコントロール出来ないのか、その剣先を徐々にクロードの首筋へと沈めていく。
抉られるような傷跡はすぐにクロードの力で癒されるが、その痛みまでなくなる訳ではない。
彼がそこまで怒る理由に見当がつかないクロードは、目の前の恐怖から逃れようと必死に弁明していた。
「お前は親父に力を授けて勇者にした存在と、同じ奴に力を授けられたと言ったな・・・」
「あ、勇者の血筋ってそういう・・・古い血筋とかじゃなくて、父親がそうなのね」
クロードの弁明に、レオンはその疑いの理由を話し始める。
その内容にクロードはまったく別の事実に気づき、一人で勝手に納得していた。
レオンの持つ才能には勇者の血筋というものがあり、それをクロードは勝手に古い血筋を受け継ぐ者と解釈していたが、どうやらそれは間違っていたようだ。
「その親父が人類を裏切り、今の状況を招いた!!そんな人間に力を与えた存在が、邪神でなくてなんだというんだ!!!」
「あぁ・・・そんな感じの流れなんだ。あいつ碌な事してねぇな・・・」
転生の際のすったもんだによってアニエスに対する評価が下がっているクロードは、レオンの主張に思わず追従してしまう。
それは強い怒りを表現するために腕を振り回しているレオンが、首に突きつける剣先を緩めているのも関係しているだろうか。
「これ以上そんな奴に邪魔はさせない!お前が親父と同じ存在だというなら、俺がここで殺してやる!!」
「ちょ!?ちょっと待てって!!俺はまだなんもしてないだろ!!?ていうか、寧ろ人の役に立ってるから!!!」
首筋から離れた剣先にほっと一息を吐いても、それを両手で掲げるのを見れば焦りもする。
父親に対する憎しみをクロードに対しても向けてくるレオンは、迷う事なく彼の事も断罪しようと両手に力を込めた。
その動きはどう考えても本気のものだ、クロードは必死に自分の無実と有用性をアピールして、命乞いをしていた。
「それが偽りではないと何故言える!!親父も部隊を率いて魔王を討伐に向かい、そのまま人類を裏切った!!!」
「あー・・・それを言われちゃうとなぁ。あ、でも!俺なんて、滅茶苦茶弱いじゃん!ほら、こんな奴なんて放置してても全然平気だって、な!!」
父親に対する強い憎悪は、クロードに対する不信にも繋がっている。
彼らが行動を共にした時間は半年に満たない、実の父親に裏切られた彼にとって、その程度の月日では信用に能わないだろう。
転生者というバックボーンのなさが、レオンの言い分に納得を与えてしまっている、クロードは彼に信用される事を諦めて、自らの無害さをアピールし始めていた。
「弱い・・・?お前の戦闘能力のどこに意味がある?お前の有用性は自らが証明してきただろう、その力はあまりに危険すぎる!!敵に渡すわけになどいかない!!!」
「えぇ・・・評価を上げようとして頑張った事が裏目に出るのかよ、ちくしょう!」
クロードの能力の異常さは、その恩恵を受けてきたレオンにも良く分かっていた。
彼の力は味方が増えれば増えるほど、その異常さを加速させていく。
それはつまり滅びかけている人類よりも、魔物側についた方が効果を発揮するという事を示していた。
今までの頑張りが目の前の窮地へと繋がっている、その皮肉な結果にクロードは叫び声を上げる。
レオンはもはや、有無を言わさずに剣を振り下ろそうとしていた。
近くで取ってきたものだろうか、怪しい色をしたキノコを火に掛けて調理していたレオンは、クロードのその声に顔を上げる。
それなりに経った時間にクロードも空腹は感じていただろうか、そのキノコの見た目に近づこうとする素振りを見せなかった。
エミリアの知識を借りれれば分かったかもしれない毒の有無も、今の彼では名前しか分からない。
それだけの情報で野性のキノコに手を出すのは、あまりに危険すぎる行いだった。
「剣を?別に構わないが・・・これしか持ってきてないぞ?」
「それならなんか適当に・・・流石に土は嫌だから、石かなぁ」
いい具合に焼けたのだろうか、地面に刺した串ごとキノコを手に取ったレオンは、それを口にすると剣を示してみせる。
彼はその愛用の剣しか持ち合わせていないようだ、クロードはそれを見ると洞窟の外に出て、適当に素材になりそうなものを物色し始めていた。
「これならいけるかなぁ。あんまり大きすぎないように・・・こんなもんでどうだ?」
両手で抱えきれないほどの大きさの岩を見つけたクロードは、それに手を翳すと剣のイメージを頭に思い描く。
あまりに力に自信がない彼としては、あまり大振りなものは扱いに困るだろう。
ファンタジー的な憧れで、ついつい大剣にしてしまいそうな心を諌めた彼は、扱いやすそうな大きさの剣を作り出していた。
「やっぱりファンタジーといえば剣だよな!魔法の方はちょっとな・・・難しそうで」
この数ヶ月の間、エミリアやアンナから魔法を教わった彼は、その扱いと感覚の難しさにその習得を半ば諦めてしまっていた。
その彼にとって剣は、もう一つのファンタジーの代名詞とも言えるもので、それを手にした彼は上機嫌にそれを掲げてみせる。
「その力・・・人の域を超えるその力を、一体誰から授かった?」
「え?アニエスからだけど?」
剣を掲げては色々な角度で眺めているクロードに、レオンがどこか畏れを含む声色で問いかける。
弓を教えてくれているエミリアの目もあって、中々手にする機会がなかった剣をその手にしたことで上機嫌なクロードは、その質問の意味を深く考えずに答えてしまう。
その言葉にレオンは、驚きに目を見開いていた。
「・・・アニエス?アニエスだと!?」
「あ、やべっ!?あー・・・その、悪いんだけど、この事は秘密にしてくんない?」
彼の反応に失言してしまった事に気がついたクロードは、もはや誤魔化しようのない状況に秘密にしてもらうように頼み込む。
今更秘密にする必要のない事実も、親しい少女達よりも先にレオンに教えたとあっては角が立つ、手を合わせて頭を下げるクロードには、レオンの表情は見えていなかった。
その顔には驚愕よりも、強い怒りと憎しみが覗いている事も。
「それは邪神アニエスの事かっ!!!」
「え!?あいつ邪神なの?そんな感じは・・・うおっ!?」
自らに力を授けた存在を邪神とのたまうレオンに、クロードは暢気に疑問の声を返していた。
そんな暢気な振る舞いも、激昂して詰め寄ってきたレオンに押し倒されれば余裕もなくなる。
その首筋に剣を突きつけられれば、なおさら。
「疑ってはいたが・・・やはりお前もそうなのかっ!!お前も親父と同じように、人類に仇を為すつもりか!!!」
「いやいやいや!?そんな訳ないだろ!!?何でそんな話になるんだよっ!?」
激昂するレオンは力をうまくコントロール出来ないのか、その剣先を徐々にクロードの首筋へと沈めていく。
抉られるような傷跡はすぐにクロードの力で癒されるが、その痛みまでなくなる訳ではない。
彼がそこまで怒る理由に見当がつかないクロードは、目の前の恐怖から逃れようと必死に弁明していた。
「お前は親父に力を授けて勇者にした存在と、同じ奴に力を授けられたと言ったな・・・」
「あ、勇者の血筋ってそういう・・・古い血筋とかじゃなくて、父親がそうなのね」
クロードの弁明に、レオンはその疑いの理由を話し始める。
その内容にクロードはまったく別の事実に気づき、一人で勝手に納得していた。
レオンの持つ才能には勇者の血筋というものがあり、それをクロードは勝手に古い血筋を受け継ぐ者と解釈していたが、どうやらそれは間違っていたようだ。
「その親父が人類を裏切り、今の状況を招いた!!そんな人間に力を与えた存在が、邪神でなくてなんだというんだ!!!」
「あぁ・・・そんな感じの流れなんだ。あいつ碌な事してねぇな・・・」
転生の際のすったもんだによってアニエスに対する評価が下がっているクロードは、レオンの主張に思わず追従してしまう。
それは強い怒りを表現するために腕を振り回しているレオンが、首に突きつける剣先を緩めているのも関係しているだろうか。
「これ以上そんな奴に邪魔はさせない!お前が親父と同じ存在だというなら、俺がここで殺してやる!!」
「ちょ!?ちょっと待てって!!俺はまだなんもしてないだろ!!?ていうか、寧ろ人の役に立ってるから!!!」
首筋から離れた剣先にほっと一息を吐いても、それを両手で掲げるのを見れば焦りもする。
父親に対する憎しみをクロードに対しても向けてくるレオンは、迷う事なく彼の事も断罪しようと両手に力を込めた。
その動きはどう考えても本気のものだ、クロードは必死に自分の無実と有用性をアピールして、命乞いをしていた。
「それが偽りではないと何故言える!!親父も部隊を率いて魔王を討伐に向かい、そのまま人類を裏切った!!!」
「あー・・・それを言われちゃうとなぁ。あ、でも!俺なんて、滅茶苦茶弱いじゃん!ほら、こんな奴なんて放置してても全然平気だって、な!!」
父親に対する強い憎悪は、クロードに対する不信にも繋がっている。
彼らが行動を共にした時間は半年に満たない、実の父親に裏切られた彼にとって、その程度の月日では信用に能わないだろう。
転生者というバックボーンのなさが、レオンの言い分に納得を与えてしまっている、クロードは彼に信用される事を諦めて、自らの無害さをアピールし始めていた。
「弱い・・・?お前の戦闘能力のどこに意味がある?お前の有用性は自らが証明してきただろう、その力はあまりに危険すぎる!!敵に渡すわけになどいかない!!!」
「えぇ・・・評価を上げようとして頑張った事が裏目に出るのかよ、ちくしょう!」
クロードの能力の異常さは、その恩恵を受けてきたレオンにも良く分かっていた。
彼の力は味方が増えれば増えるほど、その異常さを加速させていく。
それはつまり滅びかけている人類よりも、魔物側についた方が効果を発揮するという事を示していた。
今までの頑張りが目の前の窮地へと繋がっている、その皮肉な結果にクロードは叫び声を上げる。
レオンはもはや、有無を言わさずに剣を振り下ろそうとしていた。
0
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる