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栄光時代
ミーハー
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「いいよいいよ!最高に輝いてるよ、カレンちゃん!!」
真っ白に塗りつぶされた壁の前に、鏡のように磨かれた板が何枚も並んでいる。
その板に反射される光を浴びながら、カレンは煌びやかな衣装を身に纏ってはポーズを決めていた。
「いいねぇ・・・もっと大胆なポーズとってみようか?」
「こうですか?それとも・・・こう?」
「いいねいいね!!セクシーだよ、カレンちゃん!!もう、サイコー!!あぁ、筆が乗るわぁ!!乗っちゃうわぁぁぁ!!」
彼女のポーズに、絵描きだと思われる何やらくねくねとした男性が更なるポーズを要求する。
その声に、先ほどまであんなに恥ずかしがっていたのは何だったといった様子のカレンが、ノリノリな態度で新たなポーズを決めている。
それは絵描きが要求したものだけではなく、自らで考えたポーズも交じっており、それに絵描きは興奮した様子でキャンパスへと筆を叩きつけていく。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・カ、カレンちゃん。最後に、キメ顔をお願い出来る?それさえあれば、完成するの・・・」
物凄い勢いで絵を描き上げていく絵描きは、一旦その筆を置くと疲れた様子でカレンに声を掛けてくる。
彼が言うには、絵はもう一息で完成するらしい。
彼はそれを完成させるには、カレンのキメ顔が欲しいのだと口にする。
「キメ顔ですか・・・こんな感じ、ですか!」
「あぁん!?サイッコーーー!!!」
その要求にカレンは一息溜めを作ると、自信満々といった様子でキメ顔を決めて見せる。
そんなカレンの姿に絵描きは歓声を上げると、そのまま卒倒してしまっていた。
張り出された壁新聞には、ばっちりとキメ顔を決めたカレンの姿が一面を飾っている。
それを見詰めながら、漏れだしそうな笑みを何とか抑えているのは、他ならぬカレン本人であった。
「あ、改めて見るとちょっと恥ずかしいな・・・でも、ふふふっ・・・私、結構イケてるんじゃない?」
新聞の一面をデカデカと飾った自分の姿に、カレンは若干恥ずかしそうに頬を掻いている。
しかしそれもすぐに終わり、彼女はついに堪えきれない笑みを漏らしていた。
「こう・・・キメ!なーんて・・・」
そして彼女は、その新聞に描かれているのと同じポーズを決め、キメ顔まで披露する。
「おい、新聞新しいのが出たってよ!何でも今度の一面は、あのカレン・アシュクロフトの肖像画だって!!」
「マジかよ!?見てみようぜ!!」
そんな彼女の下に、近寄って来る人の声が聞こえてくる。
どうやら彼らの目当ては、この壁新聞らしい。
「うわわっ、不味い不味い・・・」
その声に、カレンは慌てて物陰に身を潜ませる。
「でも、ちょっと気になるな・・・どんな反応するんだろう?」
物陰に身を潜ませたカレンはしかし、彼らの反応が気になるのかそこから少しだけ顔を覗かせる。
その先ではちょうど、彼らが壁新聞の下へと辿り着くところであった。
「うわ、やべー・・・めっちゃ好みだ」
「嘘だろ・・・そのカレンって子、こんなに可愛かったのか!?」
「馬鹿だなお前、こういうのは美化して書くんだよ、美化して!!本物は、きっとブスだよブス!」
壁新聞の一面に描かれたカレンの姿を目にした彼らは、口々に感想を述べる。
そのほとんどはカレンに好意的なものであったが、一部では逆にそれを扱き下ろす声もあった。
「ブスじゃないし!それに美化なんてしてないもん!!」
そんな声に、カレンは思わず飛び出して反論してしまう。
「おい、あれ・・・?」
「もしかして、本物のカレン・アシュクロフト?」
「か、可愛い・・・」
それは彼らに、驚きをもって迎えられる。
それも当然だろう、記事を読んでいたらその本人がいきなり目の前に現れたのだから。
「あ、不味・・・」
そんな彼らの反応に、カレンはすぐに自分が不味い行動をしていると理解していた。
彼女はなんとかその場を切り抜けようと、そろりそろりとその場を後にしようとしていたが、当然それが通用する訳もない。
「カレン・アシュクロフトだー!!」
「サ、サインを!!いや、付き合ってください!!」
「いや付き合うのは俺だ、俺と付き合ってくれー!!」
一瞬の沈黙を挟んで、彼らは爆発する。
そして一気に押し寄せるように、カレンの下へと駆けこんできていた。
「きゃあああああ!!?誰か、誰か助けてーーー!!?」
暴走する群衆は、何より恐ろしい。
カレンはそれから全力で逃げだすと、助けを求めて叫んでいた。
その声は、その街の昼下がりが終わるまでずっと響き続けていた。
真っ白に塗りつぶされた壁の前に、鏡のように磨かれた板が何枚も並んでいる。
その板に反射される光を浴びながら、カレンは煌びやかな衣装を身に纏ってはポーズを決めていた。
「いいねぇ・・・もっと大胆なポーズとってみようか?」
「こうですか?それとも・・・こう?」
「いいねいいね!!セクシーだよ、カレンちゃん!!もう、サイコー!!あぁ、筆が乗るわぁ!!乗っちゃうわぁぁぁ!!」
彼女のポーズに、絵描きだと思われる何やらくねくねとした男性が更なるポーズを要求する。
その声に、先ほどまであんなに恥ずかしがっていたのは何だったといった様子のカレンが、ノリノリな態度で新たなポーズを決めている。
それは絵描きが要求したものだけではなく、自らで考えたポーズも交じっており、それに絵描きは興奮した様子でキャンパスへと筆を叩きつけていく。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・カ、カレンちゃん。最後に、キメ顔をお願い出来る?それさえあれば、完成するの・・・」
物凄い勢いで絵を描き上げていく絵描きは、一旦その筆を置くと疲れた様子でカレンに声を掛けてくる。
彼が言うには、絵はもう一息で完成するらしい。
彼はそれを完成させるには、カレンのキメ顔が欲しいのだと口にする。
「キメ顔ですか・・・こんな感じ、ですか!」
「あぁん!?サイッコーーー!!!」
その要求にカレンは一息溜めを作ると、自信満々といった様子でキメ顔を決めて見せる。
そんなカレンの姿に絵描きは歓声を上げると、そのまま卒倒してしまっていた。
張り出された壁新聞には、ばっちりとキメ顔を決めたカレンの姿が一面を飾っている。
それを見詰めながら、漏れだしそうな笑みを何とか抑えているのは、他ならぬカレン本人であった。
「あ、改めて見るとちょっと恥ずかしいな・・・でも、ふふふっ・・・私、結構イケてるんじゃない?」
新聞の一面をデカデカと飾った自分の姿に、カレンは若干恥ずかしそうに頬を掻いている。
しかしそれもすぐに終わり、彼女はついに堪えきれない笑みを漏らしていた。
「こう・・・キメ!なーんて・・・」
そして彼女は、その新聞に描かれているのと同じポーズを決め、キメ顔まで披露する。
「おい、新聞新しいのが出たってよ!何でも今度の一面は、あのカレン・アシュクロフトの肖像画だって!!」
「マジかよ!?見てみようぜ!!」
そんな彼女の下に、近寄って来る人の声が聞こえてくる。
どうやら彼らの目当ては、この壁新聞らしい。
「うわわっ、不味い不味い・・・」
その声に、カレンは慌てて物陰に身を潜ませる。
「でも、ちょっと気になるな・・・どんな反応するんだろう?」
物陰に身を潜ませたカレンはしかし、彼らの反応が気になるのかそこから少しだけ顔を覗かせる。
その先ではちょうど、彼らが壁新聞の下へと辿り着くところであった。
「うわ、やべー・・・めっちゃ好みだ」
「嘘だろ・・・そのカレンって子、こんなに可愛かったのか!?」
「馬鹿だなお前、こういうのは美化して書くんだよ、美化して!!本物は、きっとブスだよブス!」
壁新聞の一面に描かれたカレンの姿を目にした彼らは、口々に感想を述べる。
そのほとんどはカレンに好意的なものであったが、一部では逆にそれを扱き下ろす声もあった。
「ブスじゃないし!それに美化なんてしてないもん!!」
そんな声に、カレンは思わず飛び出して反論してしまう。
「おい、あれ・・・?」
「もしかして、本物のカレン・アシュクロフト?」
「か、可愛い・・・」
それは彼らに、驚きをもって迎えられる。
それも当然だろう、記事を読んでいたらその本人がいきなり目の前に現れたのだから。
「あ、不味・・・」
そんな彼らの反応に、カレンはすぐに自分が不味い行動をしていると理解していた。
彼女はなんとかその場を切り抜けようと、そろりそろりとその場を後にしようとしていたが、当然それが通用する訳もない。
「カレン・アシュクロフトだー!!」
「サ、サインを!!いや、付き合ってください!!」
「いや付き合うのは俺だ、俺と付き合ってくれー!!」
一瞬の沈黙を挟んで、彼らは爆発する。
そして一気に押し寄せるように、カレンの下へと駆けこんできていた。
「きゃあああああ!!?誰か、誰か助けてーーー!!?」
暴走する群衆は、何より恐ろしい。
カレンはそれから全力で逃げだすと、助けを求めて叫んでいた。
その声は、その街の昼下がりが終わるまでずっと響き続けていた。
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