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救世主
クルスの戦い 2
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「ふぁーっはっはっは・・・ん?何だ、あれは?」
機嫌よくその笑い声を響かせていたメルヴィンはしかし、やがて何かに気がついてその声を潜ませている。
その視線の先では、放たれた矢がある場所を境に弾かれてしまっている光景が広がっていた。
「うーん・・・これ、どうしたらいいんだろう?ずっとこの状態を続ける訳にも・・・」
その両手を前へと広げ、絶え間なく降り注ぐ矢の雨を弾き返しているクルスは、そこからどうすればいいのかと頭を悩ませていた。
接近戦を仕掛けてくる兵士達と違い遠くから攻撃してくる射手達に、このままでは一方的に打たれ続けるばかりとなってしまう。
「すぴー、すぴー、すぴー・・・ぐぁ!?むにゃむにゃ・・・むぅ、吾輩の眠りを妨げるのは一体何ぞなもし・・・な、なんじゃこりゃあ!!!?うーん・・・がくっ」
そう頭を悩ませているクルスの耳に、騒がしい声が響く。
それは自らに打ったお薬の副作用のためか、眠りこけていたアドルフの腹に矢が刺さってしまった悲鳴であった。
「アドルフさん!?そうだった!チェスターさんだけじゃなくて、アドルフさんもいたんだった!!彼の事も守るには・・・駄目だ、ここを動く訳にもいかない!」
クルスを狙って放たれる矢は、少し離れた所で地面へと横たわっているアドルフには、ほとんど当たることはないだろう。
しかしだからといって、彼を放っておく訳にはいかない。
そうして彼の所へと向かおうとするクルスはしかし、その背後で倒れているチェスターを見捨てる訳にもいかなかった。
「クルス様、私達がアドルフさんを!!」
「駄目だ!!貴方達はそこから動かないで!!」
「しかし!!」
「いいから、そこに!!ここは僕が何とかする!!」
その場から動けずに苦悩しているクルスの姿に、教団の信徒達が自分達がアドルフをその場から回収すると名乗りを上げる。
しかしそれを、クルスは許容出来ない。
常人の優に倍は太っており、元々巨漢であるアドルフならば多少矢で射られても死にはしないが、彼らの場合は一撃でその命を落としてしまう可能性がある。
それは避けたかった。
例え、クルスの力ならばそこからすら蘇生出来るとしても、彼にとってそれは二度と手を触れてはならない禁忌であるから。
「こうなったら、もう・・・こうするしか!」
教団の信徒達にもアドルフの回収を禁じたクルスには、もはや自分の力で射手達を捻じ伏せるしか手段は残されていない。
クルスはそう決意すると、前へと伸ばしていた腕を上へと掲げる。
「あやつの力とて、いつまでも持つ訳はあるまい!!打って打って打ちまくるのじゃ!!ぐぬぬ・・・ふざけた真似をしおって。このままではあれを・・・ん、今度は何だ?」
乾坤一擲の一撃となる筈であったアイデアをクルスに防がれてしまい、悔しげに呻いていたメルヴィンは、更なる攻撃を続けろと声を上げ続けている。
彼はこのまま攻撃を続ければ、いつかクルスの力も尽きると考えていたがそれは叶うことなく、その視線の先には更なる異変の姿が映っていた。
「刺さっちゃったら、ごめんなさーーーい!!」
その眩い光を放つ両手を上へと向けたクルスは、そこに射手が放った矢を集めていた。
そうしてそれを大きく振りかぶった彼は、それをそのまま射手達へと投げつけている。
「そんな馬鹿な事があるか!?」
「司教様!!ここは危険です!!」
「くっ・・・退避、退避ー!!」
雨が如く降り注いだ矢の数々は、今やこちらを捻じ伏せる刃となっている。
その余りの数が一ヶ所に固まれば、まるで一つの巨大な弾丸となってメルヴィン達へと襲い掛かっていた。
それを目にしては信じられないと目を見開いているメルヴィンに、射手の一人は退避を促している。
それに悔しそうに表情を歪ませたメルヴィンも、このままここにいては危険だと理解したのか、部下に退避の指示を出すと、自らは真っ先にその場から背中を見せて逃げ出していた。
「ひぃ!?」
我先にと背中を向け、その場から逃げ出しているメルヴィンの頬を何かが掠めて通り過ぎる。
それは、クルスが投げつけた矢の一つだろう。
それがたまたま矢尻の方をメルヴィンへと向けて、そこへと飛んできたのだ。
「な、何をしておる!!貴様らわしを、このメルヴィン・レイノルズを守らんか!!」
ここまで多くの犠牲を出しながら平気な顔をしていたメルヴィンも、いざ自ら身が危険に晒されるとその顔を真っ青に染め、大慌てで焦りだしている。
彼は必死に声を高くしては、この身を守れと叫んでいたが、それに返事を返すものはついぞ現れる事はなかった。
「どうした、何をしておる!?貴様ら、わしを守らんとどうなるか分かっておるのだろう・・・な」
一向に返ってこない了解に、メルヴィンが振り返るとそこには、クルスの攻撃によって悉く打ち倒されてしまった射手達の姿があった。
彼らは皆一様に、深手を与える危険のある矢尻ではなく矢柄によって打ち倒されており、奇跡的に死者も重傷者もいないようだった。
「馬鹿な!?たった一撃で、この数がやられるだと!?そんな馬鹿な事があってたまるかぁぁ!!」
地面に倒れ込んでいる射手達は致命傷を負ってはいないが、その悉くが気を失っており、もはや戦力としては数得られない有り様であった。
そんな惨状を目にして、メルヴィンはその禿げ上がった頭を掻き毟っている。
その力は彼の動揺を表わすように強く、その頭皮を抉りそこから血が噴き出してしまっていた。
「もう退いてください、メルヴィン司教。僕は貴方も殺したくはない」
噴き出した血が視界を覆い始めても、そこにある現実からは逃れることは出来ない。
メルヴィンの目の前には細く、彼の力であれば一息で握り潰してしまえそうな少年、クルスが立ち塞がっていた。
彼はその眩く光り輝く右手を、メルヴィンの方へと向けている。
確かそいつには、それで人間を消し飛ばしてしまう力があると聞いたことがあったような。
メルヴィンの背中に、冷や汗が伝う。
「ふ、ふざけるなぁぁぁ!!!わしの、メルヴィン・レイノルズの野望が貴様のような小僧に阻まれてたまるかぁぁぁ!!!」
自らの野望を阻もうとするクルスはメルヴィンのすぐ目の前、手の届く範囲にいる。
そして彼はこちらに、退くように求めているのだ。
それは交渉しようという、心の表れを示している。
つまり言い換えれば、油断しているという事だ。
メルヴィンはそのたった一つの勝機に賭けて、クルスへとこぶしを振るう。
彼の巨大な体躯から繰り出されるそれは、それだけで十分に致命の威力を秘めるだろう。
「・・・無駄です」
しかしそれは、クルスが空いている左手を少し動かすだけで防がれてしまう。
「これで、これ以上の抵抗は無意味だと分かりましたか?それでも抵抗するというのなら・・・」
メルヴィンの攻撃を軽く受け止めたクルスは、彼へと向けていた右手をさらにその顔へと近づけると、その輝きを強くしていた。
「ま、待て!!分かった、分かったから!!その手を離してくれ!これでは碌に話すことも出来んではないか!!」
「・・・分かりました。それで退いてくれるなら」
目の前に迫る輝きは、自らの命を消し去ってやると瞬いている。
それに焦ったメルヴィンは、慌ててクルスの提案を受け入れる姿勢を見せると、彼にその手を引いてくれるように懇願していた。
そしてクルスもそれに納得すると、彼へと向けていた手を明後日の方角へと遠ざけていた。
「馬鹿め!!これでもう防ぐ手もあるまい!!」
クルスの右手は今、明後日の方を向いている。
そしてクルスの左手は、今もメルヴィンの右手を押さえていた。
ならば彼にもはやこの左手を防ぐ術はないと、メルヴィンは左のこぶしを振るう。
その拳は巨大な鉄槌が如き威力で、クルスの脇腹へと迫ろうとしていた。
「・・・これで、満足ですか?」
しかしそれすらも、クルスは一瞥するだけで防いで見せていた。
「どうしても、退く気がないというのなら・・・」
再三の降伏の申し出にも、それに対して騙し討ちで返してきたメルヴィンの態度に、流石のクルスも彼と交渉するのは無理だと諦め、その右手を再び彼へと向けていた。
その輝きは、今度こそ容赦なく彼へと牙を剥こうと、際限なく輝きを増していくようだった。
「ま、待て!!待ってくれ!!降伏する、今度は嘘じゃない!!本当に降伏するから、許して―――」
際限なく輝きを増していく光は、命の輝きに似る。
ならば目の前の男の命にも、それほどの眩さが宿るのか。
「さようなら、メルヴィン司教」
そしてクルスの右手に宿る輝きはついにその頂きへと達し、それは周囲の景色を塗り潰すように眩い光を放っていた。
機嫌よくその笑い声を響かせていたメルヴィンはしかし、やがて何かに気がついてその声を潜ませている。
その視線の先では、放たれた矢がある場所を境に弾かれてしまっている光景が広がっていた。
「うーん・・・これ、どうしたらいいんだろう?ずっとこの状態を続ける訳にも・・・」
その両手を前へと広げ、絶え間なく降り注ぐ矢の雨を弾き返しているクルスは、そこからどうすればいいのかと頭を悩ませていた。
接近戦を仕掛けてくる兵士達と違い遠くから攻撃してくる射手達に、このままでは一方的に打たれ続けるばかりとなってしまう。
「すぴー、すぴー、すぴー・・・ぐぁ!?むにゃむにゃ・・・むぅ、吾輩の眠りを妨げるのは一体何ぞなもし・・・な、なんじゃこりゃあ!!!?うーん・・・がくっ」
そう頭を悩ませているクルスの耳に、騒がしい声が響く。
それは自らに打ったお薬の副作用のためか、眠りこけていたアドルフの腹に矢が刺さってしまった悲鳴であった。
「アドルフさん!?そうだった!チェスターさんだけじゃなくて、アドルフさんもいたんだった!!彼の事も守るには・・・駄目だ、ここを動く訳にもいかない!」
クルスを狙って放たれる矢は、少し離れた所で地面へと横たわっているアドルフには、ほとんど当たることはないだろう。
しかしだからといって、彼を放っておく訳にはいかない。
そうして彼の所へと向かおうとするクルスはしかし、その背後で倒れているチェスターを見捨てる訳にもいかなかった。
「クルス様、私達がアドルフさんを!!」
「駄目だ!!貴方達はそこから動かないで!!」
「しかし!!」
「いいから、そこに!!ここは僕が何とかする!!」
その場から動けずに苦悩しているクルスの姿に、教団の信徒達が自分達がアドルフをその場から回収すると名乗りを上げる。
しかしそれを、クルスは許容出来ない。
常人の優に倍は太っており、元々巨漢であるアドルフならば多少矢で射られても死にはしないが、彼らの場合は一撃でその命を落としてしまう可能性がある。
それは避けたかった。
例え、クルスの力ならばそこからすら蘇生出来るとしても、彼にとってそれは二度と手を触れてはならない禁忌であるから。
「こうなったら、もう・・・こうするしか!」
教団の信徒達にもアドルフの回収を禁じたクルスには、もはや自分の力で射手達を捻じ伏せるしか手段は残されていない。
クルスはそう決意すると、前へと伸ばしていた腕を上へと掲げる。
「あやつの力とて、いつまでも持つ訳はあるまい!!打って打って打ちまくるのじゃ!!ぐぬぬ・・・ふざけた真似をしおって。このままではあれを・・・ん、今度は何だ?」
乾坤一擲の一撃となる筈であったアイデアをクルスに防がれてしまい、悔しげに呻いていたメルヴィンは、更なる攻撃を続けろと声を上げ続けている。
彼はこのまま攻撃を続ければ、いつかクルスの力も尽きると考えていたがそれは叶うことなく、その視線の先には更なる異変の姿が映っていた。
「刺さっちゃったら、ごめんなさーーーい!!」
その眩い光を放つ両手を上へと向けたクルスは、そこに射手が放った矢を集めていた。
そうしてそれを大きく振りかぶった彼は、それをそのまま射手達へと投げつけている。
「そんな馬鹿な事があるか!?」
「司教様!!ここは危険です!!」
「くっ・・・退避、退避ー!!」
雨が如く降り注いだ矢の数々は、今やこちらを捻じ伏せる刃となっている。
その余りの数が一ヶ所に固まれば、まるで一つの巨大な弾丸となってメルヴィン達へと襲い掛かっていた。
それを目にしては信じられないと目を見開いているメルヴィンに、射手の一人は退避を促している。
それに悔しそうに表情を歪ませたメルヴィンも、このままここにいては危険だと理解したのか、部下に退避の指示を出すと、自らは真っ先にその場から背中を見せて逃げ出していた。
「ひぃ!?」
我先にと背中を向け、その場から逃げ出しているメルヴィンの頬を何かが掠めて通り過ぎる。
それは、クルスが投げつけた矢の一つだろう。
それがたまたま矢尻の方をメルヴィンへと向けて、そこへと飛んできたのだ。
「な、何をしておる!!貴様らわしを、このメルヴィン・レイノルズを守らんか!!」
ここまで多くの犠牲を出しながら平気な顔をしていたメルヴィンも、いざ自ら身が危険に晒されるとその顔を真っ青に染め、大慌てで焦りだしている。
彼は必死に声を高くしては、この身を守れと叫んでいたが、それに返事を返すものはついぞ現れる事はなかった。
「どうした、何をしておる!?貴様ら、わしを守らんとどうなるか分かっておるのだろう・・・な」
一向に返ってこない了解に、メルヴィンが振り返るとそこには、クルスの攻撃によって悉く打ち倒されてしまった射手達の姿があった。
彼らは皆一様に、深手を与える危険のある矢尻ではなく矢柄によって打ち倒されており、奇跡的に死者も重傷者もいないようだった。
「馬鹿な!?たった一撃で、この数がやられるだと!?そんな馬鹿な事があってたまるかぁぁ!!」
地面に倒れ込んでいる射手達は致命傷を負ってはいないが、その悉くが気を失っており、もはや戦力としては数得られない有り様であった。
そんな惨状を目にして、メルヴィンはその禿げ上がった頭を掻き毟っている。
その力は彼の動揺を表わすように強く、その頭皮を抉りそこから血が噴き出してしまっていた。
「もう退いてください、メルヴィン司教。僕は貴方も殺したくはない」
噴き出した血が視界を覆い始めても、そこにある現実からは逃れることは出来ない。
メルヴィンの目の前には細く、彼の力であれば一息で握り潰してしまえそうな少年、クルスが立ち塞がっていた。
彼はその眩く光り輝く右手を、メルヴィンの方へと向けている。
確かそいつには、それで人間を消し飛ばしてしまう力があると聞いたことがあったような。
メルヴィンの背中に、冷や汗が伝う。
「ふ、ふざけるなぁぁぁ!!!わしの、メルヴィン・レイノルズの野望が貴様のような小僧に阻まれてたまるかぁぁぁ!!!」
自らの野望を阻もうとするクルスはメルヴィンのすぐ目の前、手の届く範囲にいる。
そして彼はこちらに、退くように求めているのだ。
それは交渉しようという、心の表れを示している。
つまり言い換えれば、油断しているという事だ。
メルヴィンはそのたった一つの勝機に賭けて、クルスへとこぶしを振るう。
彼の巨大な体躯から繰り出されるそれは、それだけで十分に致命の威力を秘めるだろう。
「・・・無駄です」
しかしそれは、クルスが空いている左手を少し動かすだけで防がれてしまう。
「これで、これ以上の抵抗は無意味だと分かりましたか?それでも抵抗するというのなら・・・」
メルヴィンの攻撃を軽く受け止めたクルスは、彼へと向けていた右手をさらにその顔へと近づけると、その輝きを強くしていた。
「ま、待て!!分かった、分かったから!!その手を離してくれ!これでは碌に話すことも出来んではないか!!」
「・・・分かりました。それで退いてくれるなら」
目の前に迫る輝きは、自らの命を消し去ってやると瞬いている。
それに焦ったメルヴィンは、慌ててクルスの提案を受け入れる姿勢を見せると、彼にその手を引いてくれるように懇願していた。
そしてクルスもそれに納得すると、彼へと向けていた手を明後日の方角へと遠ざけていた。
「馬鹿め!!これでもう防ぐ手もあるまい!!」
クルスの右手は今、明後日の方を向いている。
そしてクルスの左手は、今もメルヴィンの右手を押さえていた。
ならば彼にもはやこの左手を防ぐ術はないと、メルヴィンは左のこぶしを振るう。
その拳は巨大な鉄槌が如き威力で、クルスの脇腹へと迫ろうとしていた。
「・・・これで、満足ですか?」
しかしそれすらも、クルスは一瞥するだけで防いで見せていた。
「どうしても、退く気がないというのなら・・・」
再三の降伏の申し出にも、それに対して騙し討ちで返してきたメルヴィンの態度に、流石のクルスも彼と交渉するのは無理だと諦め、その右手を再び彼へと向けていた。
その輝きは、今度こそ容赦なく彼へと牙を剥こうと、際限なく輝きを増していくようだった。
「ま、待て!!待ってくれ!!降伏する、今度は嘘じゃない!!本当に降伏するから、許して―――」
際限なく輝きを増していく光は、命の輝きに似る。
ならば目の前の男の命にも、それほどの眩さが宿るのか。
「さようなら、メルヴィン司教」
そしてクルスの右手に宿る輝きはついにその頂きへと達し、それは周囲の景色を塗り潰すように眩い光を放っていた。
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