9 / 10
9 天河視点
しおりを挟む
ついにその日はやってきた。僕は緊張しながら荷物を詰めたリュックを背負ってディール君の家にやってきた。
「天河!! 待ってたよ♡」
玄関を開けるとぎゅうぎゅうと抱きしめられて苦しいくらいだ。何度も遊びに来ているのに、今日はすごく特別な気分だった。
「ディール君……」
嬉しいけど、髪の匂いを嗅ぐのは恥ずかしいからやめてほしいな。だって、なんだかムズムズしちゃうから。
「あ、荷物は俺の部屋に置いておこう」
「うん」
荷物を置いた後、ディール君は僕に向き合って真剣な表情で話し始めた。
「本番前に、呪文の練習をしたいんだ。儀式ができるのは一度だけ。失敗したらそれで終わりだ」
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。チャンスは1度だけ……
「その前に、もう一度確認したい。これは、お互いの思いが繋がっていないと絶対に成功しないと言われている。俺は世界で一番天河が好きだ。愛してる。天河は、その、体が変わってしまうから、怖かったら——」
「やるよ、儀式」
「天河……」
気遣ってくれているのはわかる。でもね、でも。
「僕、ディール君のものになりたい。その、エッチな体になるなら、ちゃんと責任とって……お嫁さんにしてください!!」
「っ!!」
一瞬でガシッと腕の中に閉じ込められていた。僕達はしばらくギュッと抱きしめあって、お互いの思いを確かめた。
「よし、じゃあ、呪文の練習だ」
休憩を入れながら何度も練習した。夕方になって、テーブルの上に祭壇を作ってからディール君がキッチンに立った。
「僕も手伝うよ」
「いや、これは俺が作ることになっている。ゆっくりしていてくれ」
「ん……」
おでこにちゅっとキスしてウインクするディール君。
(僕のお婿さんはかっこいいなぁ~。母さんには悪いけど、僕はディール君が好きなんだもん)
そう考えていたら、儀式もしていないのにまたおしりがムズムズしてしまった!! 慌ててテレビをつけて気を紛らわせる。
僕、すごくエッチになったのに、儀式でもっとエッチになるちゃうのかなぁ? でも、ディール君に飽きられないように頑張らないとね!
「天河、できたよ」
いい匂いがしたと思っていたら、それはローストチキンで中にハーブなどたくさん詰め物がしてるらしい。それをホゥ・ソ・イーメ神の像の前に置いた。
ささやかだが、確かに祭壇だ。チキンの前には、特別なブレンドだというスパイスが小皿に乗っている。次に、お香を焚き始めた。
「あ、この香り……」
「そう。いつも焚いてたんだ。儀式がなければ効果ないんだけど、なんとなく。祈りかな……天河に愛されたいっていう」
「お香の力で好きになったんじゃないよ。初めて会った時からカッコいいって思ってたよ」
不思議な香りだとは思ってた。でも、それだけで好きになるわけない。僕はディール君自身が好きなんだから.........
「嬉しいよ。さぁ、準備はいい?」
僕が頷くと、二人並んで祭壇の前に立った。
「親愛なるホゥ・ソ・イーメ神よ。俺、ディール・ドゥ=クローイと」
「仲波天河は」
「「永遠の愛を誓い、イーメ神の愛と慈悲を請う。この祈りを叶えたまえ。メハメハ・ルス・ヌルッポゥガ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッーーーーーー!!」」
呪文は5回!! 噛まずに言えた!! すると、お香のぼんやり赤い火がブワッと炎になって僕はびっくりした。
「天河、今だ!!」
「っ!!」
小皿のスパイスを二人で取り、チキンにふりかけ終わると炎は小さくなって、ただお香の煙が漂うだけになった。
「はぁっ、はぁっ……これで、いいの?」
「おそらく……」
ディール君の最後呪文の気迫はまるで咆哮のようだった。その野性味溢れる男らしさに、僕はこんな時なのにキュンとした。凛々しい横顔に、さっきから僕のおしりはムズムズキュンキュンだ……
「じゃあ、これを一緒に食べよう」
「うん」
取り分けて、お互いにあ~んと食べさせ合う。
「どうだ? 何か変わってきたか……?」
「ん……どうかな。でも、あのさ」
うん。なんか違うと思う。むずキュンするおしり。体の奥がじんじんしてくる……そ、それに。これって……
「あの。トイレ……」
立ち上がった僕は、おしりが濡れているのに気がついて思わずお尻を手で覆った。
(漏らしたんじゃ、ないよね? 本当に濡れてきてる……)
「天河? 大丈夫か?」
「はぁ……ディール君……僕のおしり、やらしくなっちゃったみたい……」
「…………見ていいか?」
「ふぇっ?」
「うん。確かめよう!!」
「あっ」
ヒョイっとお姫様抱っこにされて、ベッドへと雪崩れ込んだ。
「天河、先にシャワーを浴びててよかったな♡」
「でもぉ、恥ずかしい~」
「俺は嬉しいよ」
キスしながら脱がしあう。ムッキムキの腹筋を目の前にしたら、僕のおしりはまたキュンとした。その度に、何かが溢れてくる感じがする……
「あ、ベッド、汚しちゃう」
「防水シートを敷いてるよ。だから、いっぱい濡らして大丈夫だ!!」
なんて準備がいいんだ。僕がくる前にしてたの?! 鼻息をふんふん鳴らしながら、ディール君は僕のぺたんこの胸を弄り乳首を舐め始めた。
「ん、おっぱい、やぁ」
「美味しいよ、天河。ほら、ツンツンしてきて可愛い……母乳も出るかな……?」
「出るわけ、な、あっ! んんっ!」
「おっぱいが出るまで舐めてあげる」
(出ないって!!)
僕の抗議の声は喘ぎになって言葉にはならなかった……だって!! 気持ちいいんだもん!! ディール君のえっちぃ~~!!
「天河!! 待ってたよ♡」
玄関を開けるとぎゅうぎゅうと抱きしめられて苦しいくらいだ。何度も遊びに来ているのに、今日はすごく特別な気分だった。
「ディール君……」
嬉しいけど、髪の匂いを嗅ぐのは恥ずかしいからやめてほしいな。だって、なんだかムズムズしちゃうから。
「あ、荷物は俺の部屋に置いておこう」
「うん」
荷物を置いた後、ディール君は僕に向き合って真剣な表情で話し始めた。
「本番前に、呪文の練習をしたいんだ。儀式ができるのは一度だけ。失敗したらそれで終わりだ」
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。チャンスは1度だけ……
「その前に、もう一度確認したい。これは、お互いの思いが繋がっていないと絶対に成功しないと言われている。俺は世界で一番天河が好きだ。愛してる。天河は、その、体が変わってしまうから、怖かったら——」
「やるよ、儀式」
「天河……」
気遣ってくれているのはわかる。でもね、でも。
「僕、ディール君のものになりたい。その、エッチな体になるなら、ちゃんと責任とって……お嫁さんにしてください!!」
「っ!!」
一瞬でガシッと腕の中に閉じ込められていた。僕達はしばらくギュッと抱きしめあって、お互いの思いを確かめた。
「よし、じゃあ、呪文の練習だ」
休憩を入れながら何度も練習した。夕方になって、テーブルの上に祭壇を作ってからディール君がキッチンに立った。
「僕も手伝うよ」
「いや、これは俺が作ることになっている。ゆっくりしていてくれ」
「ん……」
おでこにちゅっとキスしてウインクするディール君。
(僕のお婿さんはかっこいいなぁ~。母さんには悪いけど、僕はディール君が好きなんだもん)
そう考えていたら、儀式もしていないのにまたおしりがムズムズしてしまった!! 慌ててテレビをつけて気を紛らわせる。
僕、すごくエッチになったのに、儀式でもっとエッチになるちゃうのかなぁ? でも、ディール君に飽きられないように頑張らないとね!
「天河、できたよ」
いい匂いがしたと思っていたら、それはローストチキンで中にハーブなどたくさん詰め物がしてるらしい。それをホゥ・ソ・イーメ神の像の前に置いた。
ささやかだが、確かに祭壇だ。チキンの前には、特別なブレンドだというスパイスが小皿に乗っている。次に、お香を焚き始めた。
「あ、この香り……」
「そう。いつも焚いてたんだ。儀式がなければ効果ないんだけど、なんとなく。祈りかな……天河に愛されたいっていう」
「お香の力で好きになったんじゃないよ。初めて会った時からカッコいいって思ってたよ」
不思議な香りだとは思ってた。でも、それだけで好きになるわけない。僕はディール君自身が好きなんだから.........
「嬉しいよ。さぁ、準備はいい?」
僕が頷くと、二人並んで祭壇の前に立った。
「親愛なるホゥ・ソ・イーメ神よ。俺、ディール・ドゥ=クローイと」
「仲波天河は」
「「永遠の愛を誓い、イーメ神の愛と慈悲を請う。この祈りを叶えたまえ。メハメハ・ルス・ヌルッポゥガ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッ!メハメハ・ルス・ヌルッポゥガッーーーーーー!!」」
呪文は5回!! 噛まずに言えた!! すると、お香のぼんやり赤い火がブワッと炎になって僕はびっくりした。
「天河、今だ!!」
「っ!!」
小皿のスパイスを二人で取り、チキンにふりかけ終わると炎は小さくなって、ただお香の煙が漂うだけになった。
「はぁっ、はぁっ……これで、いいの?」
「おそらく……」
ディール君の最後呪文の気迫はまるで咆哮のようだった。その野性味溢れる男らしさに、僕はこんな時なのにキュンとした。凛々しい横顔に、さっきから僕のおしりはムズムズキュンキュンだ……
「じゃあ、これを一緒に食べよう」
「うん」
取り分けて、お互いにあ~んと食べさせ合う。
「どうだ? 何か変わってきたか……?」
「ん……どうかな。でも、あのさ」
うん。なんか違うと思う。むずキュンするおしり。体の奥がじんじんしてくる……そ、それに。これって……
「あの。トイレ……」
立ち上がった僕は、おしりが濡れているのに気がついて思わずお尻を手で覆った。
(漏らしたんじゃ、ないよね? 本当に濡れてきてる……)
「天河? 大丈夫か?」
「はぁ……ディール君……僕のおしり、やらしくなっちゃったみたい……」
「…………見ていいか?」
「ふぇっ?」
「うん。確かめよう!!」
「あっ」
ヒョイっとお姫様抱っこにされて、ベッドへと雪崩れ込んだ。
「天河、先にシャワーを浴びててよかったな♡」
「でもぉ、恥ずかしい~」
「俺は嬉しいよ」
キスしながら脱がしあう。ムッキムキの腹筋を目の前にしたら、僕のおしりはまたキュンとした。その度に、何かが溢れてくる感じがする……
「あ、ベッド、汚しちゃう」
「防水シートを敷いてるよ。だから、いっぱい濡らして大丈夫だ!!」
なんて準備がいいんだ。僕がくる前にしてたの?! 鼻息をふんふん鳴らしながら、ディール君は僕のぺたんこの胸を弄り乳首を舐め始めた。
「ん、おっぱい、やぁ」
「美味しいよ、天河。ほら、ツンツンしてきて可愛い……母乳も出るかな……?」
「出るわけ、な、あっ! んんっ!」
「おっぱいが出るまで舐めてあげる」
(出ないって!!)
僕の抗議の声は喘ぎになって言葉にはならなかった……だって!! 気持ちいいんだもん!! ディール君のえっちぃ~~!!
7
お気に入りに追加
356
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
息子の運命、父の執着。2
塩
BL
前昨で、短編のつもりが長くなるし、とカットした所と彼らの生活です。
亮太とパパのラブラブ生活編です。
ちょっとマニアックですが基本甘いです。
父ちゃんが、若干“息子可愛い、息子可愛い”と鬱陶しいです。
エロいのに※付けてます。
エロいの基準が、もう・・・よく分からなくて参考程度にしかなりません。
誤字脱字もすいませんm(_ _)m
いつか時系列に並べようと思っています。
タイトルに振ったナンバーが変わるかもしれません。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる