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幕間
新婚さんごっこ
しおりを挟む「ただいま」
「おかえり。ご飯できてるし、風呂も入れるよ。俺も、準備万端。どれにする?」
もっと「おかえりなさい、あ・な・た」なんてやれれば良いのだけど、照れがでてしまってぶっきらぼうになってしまった。
そんな口調でも、着ているのは白いフリフリのエプロンだけだ。パンツもはいてない。
祐志は休日にわざわざスーツを着て、一度家を出て帰ってきたふりをしている。
ぶっきらぼうな台詞でも、祐志には効果抜群だったようで、もう前屈みだ。
そんな姿を見ると、期待が高まって俺も反応してしまう。
「っ、そうだな、まずは、風呂に、しようかな」
「えっ?」
祐志、ギンギンなのにどういうつもりだ?
「でも……」
俺だってやる気満々なのに、どうするんだよ。
祐志に近づいて、身長差があるから見上げると、祐志の手がするっと胸元に入った。
「あんっ」
なんだ「あんっ」て。死ぬほど恥ずかしい!
祐志の指が俺の乳首を摘んでいる。
逃げようとすると、乳首を摘んだまま空いた手で抱き寄せられて、ディープキスをされる。
「んっ、ふっ、ん、んんっ」
祐志の足が俺の股に入り込んで、器用にスリスリと刺激してくる。パンツ履いてないんだから、スーツが汚れてしまう。
チュバッと口を離して「スーツ……」と言うと、祐志が色気たっぷりに笑う。
「何で、スーツが汚れるの?」
「やっ、い、いじわる言うなよ」
「はしたない奥さんだな」
「あっ、やっ」
今度はエプロンの合わせの後ろから手を入れられて、尻を揉みしだかれる。
とろり、と祐志を求める液体が溢れた。
「もう濡れてる……」
そこには触れてくれず、垂れたものを掬って目の前で祐志が舐めた。これは駄目だ。エロすぎる。
「ゆ、祐志、ベッド、行こう?」
もう立っているのが辛い。
祐志に縋り付いて、腰を擦り付けて懇願した。
それなのに、祐志は俺を抱え上げて、キッチンに移動した。
「エプロンなら、キッチンだろ?」
アイランドキッチンのコンロと流しの間に座らされて、エプロンの前掛けの中に祐志が頭を突っ込んできた。
「あっあっあっ、だ、だめだ、ゆ、祐志っ、あーっ!」
前をしゃぶられあっけなくイかされて、後ろが物足りなさに震えている。
「ふっ、今日の料理は、健吾だな」
あくまで新婚さんプレイを貫き通すつもりのようだ。
祐志の嬉しそうな顔に、こちらも嬉しくなって、ついノッてしまう。
「はっ、祐志、俺を、食べて」
足を開いて、グチャグチャになったエプロンをたくし上げた。
「いただきますっ!」
「あーっ、あっあっ、はぁっ、ぁあっ」
アホな掛け声と共に祐志が入ってくる。
笑う間も無く激しく責められて、あっという間にイきっ放しになってしまった。
二人揃って狭い作業台に乗り上げて、落ちそうになって掴んだのが蛇口だったので、シンクに入っていた祐志の足が水浸しになった。
後片付けが大変だったから、キッチンはもうやめようと話し合った。
でもエプロンは良かったようで、またしようね、と祐志が可愛くおねだりしてきたから、またすると思う。
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