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悪役王子だるまにされてハピエンフラグ……か? 7 *

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「見えなくても息子イリアスじゃないとお分かりとは、その心は本物でしたか」
「ひぁっ、あんっ、ぁああっ」

 見抜かれたことで遠慮をなくしたヨゥクォーリ公爵が腰の動きを激しくする。少し右曲がりのそれがゴリゴリとおれのいいところを擦っていく。反応がいいところをうまく突くのは親子で同じだ。

「私は息子のものをこっそり頂くのが趣味でしてね」
「あああっ、あ、や、ああっ」

 ここにきてNTRキター!! 心の中でレベルアップ音が鳴り響く。息子の恋人を寝取りNTRたい性癖もちでしたか! 

「イリアスのやり方に似せていたら気付かない者もいたのに、殿下の息子イリアスに対する気持ちが本物のようで嬉しいですよ」

 常習! NTR常習! イリアスの居所を確実に把握できるから、そりゃできるだろうけど!

「っ……ぁっ……こん、な……ぁう、奥さんに」
「妻は知っています。息子の恋人としたあとに妻とするのが楽しいのです」
「ひっ、いあああっ」

 身体を繋がったままぐるんと回されて、角度が変わる。回転だるま……手足がないから良く回ります……じゃなくて!
 暗くて顔は見えないままだが、シルエットが間違いなくヨゥクォーリ公爵だ。五十過ぎのオッサンなのに、腰使いも腕力も強い。おまえもこの世界の攻め属性(絶倫)か……。しかも奥さん公認。泣けるわ!

「まさか息子が男に嵌るとは思っていませんでしたが、殿下はなかなかの名器でいらっしゃる」
「ぃあっ……やっ、ああっ……ああっ」
「乳首もなかなかの感度で」

 開き直ったヨゥクォーリ公爵はねちっこかった。開発されている乳首をこねられ、前は握られてせき止められて気が狂いそうだ。

「あああっ……もう、もう……っ、イ、イきたいっ……はなしっ」
「年を取ると一回が長くなってしまいましてね。殿下にはお付き合いいただきたく」
「ひぅっ、や、助け……あ、あ、あ、あ、あ!!」
「ははは、出さずともイけますか」

 ドライでイかされた身体をさらに責めたてられる。とんだダークホース登場だ。公爵は悪役でも、性的にはノーマルだと信じていたのに……。

 ご機嫌なヨゥクォーリ公爵が部屋を出ていき、触手がいないから中に出されたものが残ったままだ。久しぶりのその感覚におれは泣いた。
 その時、久しぶりの声が聞こえた。

「遅くなってごめんなさい、ドゥルマ様」


 ∞


「……シャイオ……?」
「はい、貴方のシャイオです」

 ヨゥクォーリ公爵が部屋に来た時、この部屋の周りは人払いされていたようで、シャイオと触手君は真っ最中にこっそり忍び入れたらしい。
 ヨゥクォーリ公爵に危害を加えると厄介なことになると判断したシャイオは部屋の隅に隠れて、おれが犯されている音を聞いてオナっていたらしい。ぶれない変態だ。

 シャイオの股間を綺麗にした触手が、おれの後ろにしゅるっと入り込んできて中を綺麗にしてくれる。いつもはうんざりしていたが、今は嬉しい。

「遅い。お前がいなくて、おれは……」

 もう少し早く来て手足を生やしてくれていれば、公爵に犯されずに済んだのに。シャイオに抱き寄せられながら悔しさに涙が滲んだ。
 これだけ犯され続けていても嫌なものは嫌だし、抵抗できない自分が悔しい。

「申し訳ありません。ドゥルマ様は嫌だと言いながら大層気持ち良さそうにされていたので、そういう趣向だと思……ぐっ」

 ブレない変態に腹が立って、シャイオの顎に頭突きを食らわせた。おれの頭も痛いが、手足がなくてもダメージを与えられたことが嬉しい。
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