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おっさんと再会
呪殺
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夕食は部屋でとることもできるし、食堂でも食べられるらしい。
せっかくなので、俺たち3人で食堂へ向かう。
到着してみると、かなり広い空間が確保されていて、畳の上に長いテーブルが、等間隔で座布団が並べられていた。
食堂内には、おそらくカグヤノムラの特色である陶器や工芸品が飾られていて、村の文化に触れながら食事を楽しめるようだ。
もちろん小さい庭園も併設されていた。
スタッフの軽い挨拶の後、料理が適度な感覚で運ばれてくる。
全て並べられると、かなり壮観というか、月並みな表現をすると豪華だ。
「それでは、ただいまよりお料理について簡単に説明させていただきます」
一礼ののち、柔らかな雰囲気の女性が一品一品の解説を始めてくれる。
「こちらのお刺身は――」
「カグヤノムラの近くの海で獲れた魚が中心となっております。季節によって異なる種類を楽しむことができます」
「お、お魚で言いますとこちらの焼き魚はお塩のみの味付けとなっていて――」
「素材本来の味わいをお楽しみください。もし物足りない場合は、タレをお持ちいたします」
「そ、そうなんです……あはは……」
お姉さんが丁寧に話してくれるのだが、すぐにミヤが割り込んで、おそらく続くはずであろう言葉を言ってしまう。
「ほらミヤ、お姉さんが困ってるだろ」
「いえいえ、大丈夫ですよ。むしろお詳しいですね! こちらの出身の方ですか?」
「はい、そうです」
そう、実はミヤはカグヤノムラの出身なのだ。
「――ってそうなの!?」
思わず大きな声を出してしまい、周囲に謝罪する。
少なくとも、一緒に暮らしていた時には出身がわからない様子だったが、思い出したのだろうか。
「……すっかりお伝えし忘れていました。それでは、残りのお料理について紹介し次第、お伝えさせていただきます」
「は、はぁ……」
ということで、その後も主役を喰ったミヤの解説は続いた。
だし汁によって味付けされた野菜が、口内だけでなく身体にも優しい煮物。
豆をどうにかして白い固形の物体にしたものや、それをフライとはまた違う食感にした揚げ物。後者は、他にも野菜や魚など、いろいろな食材が使われている。
また、カグヤノムラではパンではなく米という炭水化物が主食らしい。
雪のように真っ白なものがメジャーらしいが、今回は赤や黄色の色がついた、珍しいものである。
薄く切った野菜を保存食にしたものや、茶色く食欲をそそる汁物。
俺もよく知っているプリンだが、抹茶の色をしていたりと、どの料理も好奇心をそそるものだった。
「……で、ミヤは山を出た後、どんな日々を過ごしたの?」
さて、ここからが本題だ。
ルーエは興味を示さず、一人黙々と料理に手をつけるかと思いきや、興味津々な様子。
「そうですね……」
艶かしく耳に髪をかけながら話を始める。
「話せば長くなるのですが、ミヤはまず、花嫁修行のために各地を回ろうと思いました」
そういうことか。
各地を回った末にたどり着いたのがこのカグヤノムラだったと。
確かに、ここは奥ゆかしい土地であり、何かを学ぶにはもってこいな気がする。
「そうして最初に訪れたのがこのカグヤノムラです」
あ、全然違った。
「村に一歩足を踏み入れた時、ミヤはすべての記憶を思い出しました。……家族に捨てられたことも」
ここは深掘りしないほうが良さそうだ。
でも、この村でミヤと再開したと言うことは、家族と和解したのだろう。
「もちろん、今更家族に会おうとは思いませんでした。ただ、たまたまと言いますか、偶然と言いますか、アクシデントと言いますか、とにかくちょっとした不幸を家族に起こした……いえ、起こりまして」
「……ん?」
「そうして家族の死を見届けた後は、一度全国を回って多種多様な技術を身につけ、ここでお館様が現れるのを待っていました」
「……ふむ、さぞ辛い道のりだったのだな。自分を捨てた家族に不幸が起こったのは慰めになるだろう」
……ルーエは涙ぐみながら頷いてるけど、これ、多分ミヤさんやっちゃってるよね?
せっかくなので、俺たち3人で食堂へ向かう。
到着してみると、かなり広い空間が確保されていて、畳の上に長いテーブルが、等間隔で座布団が並べられていた。
食堂内には、おそらくカグヤノムラの特色である陶器や工芸品が飾られていて、村の文化に触れながら食事を楽しめるようだ。
もちろん小さい庭園も併設されていた。
スタッフの軽い挨拶の後、料理が適度な感覚で運ばれてくる。
全て並べられると、かなり壮観というか、月並みな表現をすると豪華だ。
「それでは、ただいまよりお料理について簡単に説明させていただきます」
一礼ののち、柔らかな雰囲気の女性が一品一品の解説を始めてくれる。
「こちらのお刺身は――」
「カグヤノムラの近くの海で獲れた魚が中心となっております。季節によって異なる種類を楽しむことができます」
「お、お魚で言いますとこちらの焼き魚はお塩のみの味付けとなっていて――」
「素材本来の味わいをお楽しみください。もし物足りない場合は、タレをお持ちいたします」
「そ、そうなんです……あはは……」
お姉さんが丁寧に話してくれるのだが、すぐにミヤが割り込んで、おそらく続くはずであろう言葉を言ってしまう。
「ほらミヤ、お姉さんが困ってるだろ」
「いえいえ、大丈夫ですよ。むしろお詳しいですね! こちらの出身の方ですか?」
「はい、そうです」
そう、実はミヤはカグヤノムラの出身なのだ。
「――ってそうなの!?」
思わず大きな声を出してしまい、周囲に謝罪する。
少なくとも、一緒に暮らしていた時には出身がわからない様子だったが、思い出したのだろうか。
「……すっかりお伝えし忘れていました。それでは、残りのお料理について紹介し次第、お伝えさせていただきます」
「は、はぁ……」
ということで、その後も主役を喰ったミヤの解説は続いた。
だし汁によって味付けされた野菜が、口内だけでなく身体にも優しい煮物。
豆をどうにかして白い固形の物体にしたものや、それをフライとはまた違う食感にした揚げ物。後者は、他にも野菜や魚など、いろいろな食材が使われている。
また、カグヤノムラではパンではなく米という炭水化物が主食らしい。
雪のように真っ白なものがメジャーらしいが、今回は赤や黄色の色がついた、珍しいものである。
薄く切った野菜を保存食にしたものや、茶色く食欲をそそる汁物。
俺もよく知っているプリンだが、抹茶の色をしていたりと、どの料理も好奇心をそそるものだった。
「……で、ミヤは山を出た後、どんな日々を過ごしたの?」
さて、ここからが本題だ。
ルーエは興味を示さず、一人黙々と料理に手をつけるかと思いきや、興味津々な様子。
「そうですね……」
艶かしく耳に髪をかけながら話を始める。
「話せば長くなるのですが、ミヤはまず、花嫁修行のために各地を回ろうと思いました」
そういうことか。
各地を回った末にたどり着いたのがこのカグヤノムラだったと。
確かに、ここは奥ゆかしい土地であり、何かを学ぶにはもってこいな気がする。
「そうして最初に訪れたのがこのカグヤノムラです」
あ、全然違った。
「村に一歩足を踏み入れた時、ミヤはすべての記憶を思い出しました。……家族に捨てられたことも」
ここは深掘りしないほうが良さそうだ。
でも、この村でミヤと再開したと言うことは、家族と和解したのだろう。
「もちろん、今更家族に会おうとは思いませんでした。ただ、たまたまと言いますか、偶然と言いますか、アクシデントと言いますか、とにかくちょっとした不幸を家族に起こした……いえ、起こりまして」
「……ん?」
「そうして家族の死を見届けた後は、一度全国を回って多種多様な技術を身につけ、ここでお館様が現れるのを待っていました」
「……ふむ、さぞ辛い道のりだったのだな。自分を捨てた家族に不幸が起こったのは慰めになるだろう」
……ルーエは涙ぐみながら頷いてるけど、これ、多分ミヤさんやっちゃってるよね?
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