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おっさんと3人の冒険者
ダンジョンボス
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四層の探索は順調に進み、そう時間をかけずに五層への入り口へ辿り着いた。
「みんな消耗してるか?」
「私は大丈夫。まだ行けるよ」
「僕も大丈夫……またここに潜る方が大変だし……早く済ませよう」
ビギニングは各々のコンディションを確認しているようだが、その表情は硬い。
「結構念入りに確認してますけど、この後、何かあるんですか?」
「第五層は最終層。最奥にはダンジョンボスが待ち構えています」
「ダンジョン……ボス……?」
今日は初めて聞く言葉ばかりだ。
「すまぬな。ジオは常識がない故、許してやってほしい」
「もちろんです。書の守護者様が僕たちと同じ視点で物事を見ていないことくらい分かってますから」
ルーエのフォローはありがたいが、常識がないというのは心外だ。
「ダンジョンボスというのは、ダンジョンの最下層、その奥にいる最強の魔物のことです。ボスを倒すことで手に入る証を持って帰れば、僕たちのパーティの強さの証明になります」
「相手を討ち取った時に首を取っていくようなものだな」
「まぁ……そういうことになります。逆に、証がなければダンジョンを踏破したと認めてもらえませんからね。駆け出し冒険者は、このダンジョンの証を持ち帰らなければ一人前と認めてもらえないんです」
物騒なたとえだが理解はできた。
そのダンジョンで一番強い魔物を倒せば、他に苦戦することもないだろう。
そうして自分たちの強さを示すことで、ギルドへ依頼を持ち込む人も安心できる。
彼らの指標になる存在であるとともに、糧になる存在ということだ。
「それじゃあ、ボス目指して行きましょうか」
「一層……気を引き締めて……」
ネンテンが先導し、パーティは奥へと進んでいく。
途中、踏むと罠が作動する感圧板が設置されていたが、彼の眼力によって見抜かれ、事なきを得た。
そして1時間が経過し――。
「ここが……ビギニング初のボスが待ち構える場所です」
上下左右が土でできたダンジョンの中で、ボスへと挑むための扉だけが石で作られていた。
上の方が丸くなっている両開きの扉で、文字のような装飾が施されているが、読むことはできない。
「二人とも、準備はいい?」
「おっけー! いつでもいけるよ!」
「うん……大丈夫……かも……」
ボスがどのくらい強いのかは分からないが、ここまで特段苦戦することのなかったパーティだ。
楽勝とまでは行かずとも、きっとボスにも勝てるだろう。
「お二人も一応入ってきてもらえますか? 見ているだけで良いので」
「もちろんです」
「承認するが……ボスが私の強さに恐れをなして逃げ出さないとは限らない。できるだけ気配を悟られないようにしているか」
そう言ってルーエはスッと背景と同化していく。
「こ、高度の隠密魔術……やはりお二人はただものじゃないですね」
「い、いやぁそんな凄くはないですよ? 私はなにもやってないですし……」
上手く誤魔化し、ついにボス戦が始まる。
しばらく扉を開けたものがいなかったのか、ギイと辛そうな音を立てて石扉が動く。
「…………すごい」
そこから見えたのは、狭苦しいダンジョンとは真逆の広い空間。
奥行きだけでなく、天井もかなり高い。
そして、中央には三メートルほどの威圧感のある魔物が鎮座していた。
「まずは様子見で属性攻撃。弱点が見つかればそのまま押し切ろう」
全員が部屋に入ると扉が自動的に閉まり、魔物が立ち上がる。
牛の頭を持つ二足歩行の魔物、それがボスの正体だった。
両手にはそれぞれ大ぶりの剣を持っていて、一撃の重さですら他の魔物を凌駕しているのが想像できる。
「グオオォォォォ!」
魔物が咆哮を上げると同時に、ビギンとネンテンが左右から走り出した。
少なからず知性を持ち合わせているのだろう、ボスは細いネンテンの方に刃を向ける。
「……ふっ、ふっ、ふっ」
ネンテンは軽快なフットワークでそれを避けていき、その隙にビギンが斬撃を加える。
だが――。
「――だめだっ! 硬すぎて攻撃が通らない!」
力を込めた一撃でさえ、ボスにダメージを通すことは叶わない。
「こっちも魔術が通じない! 火も水も土もダメ!」
手早く詠唱して魔術を打ち込むトアも焦っている。
その焦りが伝播し、身体の動きを鈍らせる。
ボスの攻撃を避けきれず、ネンテンは盾越しに一撃を喰らってしまう。
「くうっ……」
ネンテンは数メートル吹き飛ばされ、壁面に叩きつけられる。
だが、意外なタフネスを発揮した彼は倒れず、ボスの追撃を転がって躱した。
「ど、どうすれば良いんだ……!」
3人はひと塊になり、前方にそびえ立つボスを見上げている。
「みんな消耗してるか?」
「私は大丈夫。まだ行けるよ」
「僕も大丈夫……またここに潜る方が大変だし……早く済ませよう」
ビギニングは各々のコンディションを確認しているようだが、その表情は硬い。
「結構念入りに確認してますけど、この後、何かあるんですか?」
「第五層は最終層。最奥にはダンジョンボスが待ち構えています」
「ダンジョン……ボス……?」
今日は初めて聞く言葉ばかりだ。
「すまぬな。ジオは常識がない故、許してやってほしい」
「もちろんです。書の守護者様が僕たちと同じ視点で物事を見ていないことくらい分かってますから」
ルーエのフォローはありがたいが、常識がないというのは心外だ。
「ダンジョンボスというのは、ダンジョンの最下層、その奥にいる最強の魔物のことです。ボスを倒すことで手に入る証を持って帰れば、僕たちのパーティの強さの証明になります」
「相手を討ち取った時に首を取っていくようなものだな」
「まぁ……そういうことになります。逆に、証がなければダンジョンを踏破したと認めてもらえませんからね。駆け出し冒険者は、このダンジョンの証を持ち帰らなければ一人前と認めてもらえないんです」
物騒なたとえだが理解はできた。
そのダンジョンで一番強い魔物を倒せば、他に苦戦することもないだろう。
そうして自分たちの強さを示すことで、ギルドへ依頼を持ち込む人も安心できる。
彼らの指標になる存在であるとともに、糧になる存在ということだ。
「それじゃあ、ボス目指して行きましょうか」
「一層……気を引き締めて……」
ネンテンが先導し、パーティは奥へと進んでいく。
途中、踏むと罠が作動する感圧板が設置されていたが、彼の眼力によって見抜かれ、事なきを得た。
そして1時間が経過し――。
「ここが……ビギニング初のボスが待ち構える場所です」
上下左右が土でできたダンジョンの中で、ボスへと挑むための扉だけが石で作られていた。
上の方が丸くなっている両開きの扉で、文字のような装飾が施されているが、読むことはできない。
「二人とも、準備はいい?」
「おっけー! いつでもいけるよ!」
「うん……大丈夫……かも……」
ボスがどのくらい強いのかは分からないが、ここまで特段苦戦することのなかったパーティだ。
楽勝とまでは行かずとも、きっとボスにも勝てるだろう。
「お二人も一応入ってきてもらえますか? 見ているだけで良いので」
「もちろんです」
「承認するが……ボスが私の強さに恐れをなして逃げ出さないとは限らない。できるだけ気配を悟られないようにしているか」
そう言ってルーエはスッと背景と同化していく。
「こ、高度の隠密魔術……やはりお二人はただものじゃないですね」
「い、いやぁそんな凄くはないですよ? 私はなにもやってないですし……」
上手く誤魔化し、ついにボス戦が始まる。
しばらく扉を開けたものがいなかったのか、ギイと辛そうな音を立てて石扉が動く。
「…………すごい」
そこから見えたのは、狭苦しいダンジョンとは真逆の広い空間。
奥行きだけでなく、天井もかなり高い。
そして、中央には三メートルほどの威圧感のある魔物が鎮座していた。
「まずは様子見で属性攻撃。弱点が見つかればそのまま押し切ろう」
全員が部屋に入ると扉が自動的に閉まり、魔物が立ち上がる。
牛の頭を持つ二足歩行の魔物、それがボスの正体だった。
両手にはそれぞれ大ぶりの剣を持っていて、一撃の重さですら他の魔物を凌駕しているのが想像できる。
「グオオォォォォ!」
魔物が咆哮を上げると同時に、ビギンとネンテンが左右から走り出した。
少なからず知性を持ち合わせているのだろう、ボスは細いネンテンの方に刃を向ける。
「……ふっ、ふっ、ふっ」
ネンテンは軽快なフットワークでそれを避けていき、その隙にビギンが斬撃を加える。
だが――。
「――だめだっ! 硬すぎて攻撃が通らない!」
力を込めた一撃でさえ、ボスにダメージを通すことは叶わない。
「こっちも魔術が通じない! 火も水も土もダメ!」
手早く詠唱して魔術を打ち込むトアも焦っている。
その焦りが伝播し、身体の動きを鈍らせる。
ボスの攻撃を避けきれず、ネンテンは盾越しに一撃を喰らってしまう。
「くうっ……」
ネンテンは数メートル吹き飛ばされ、壁面に叩きつけられる。
だが、意外なタフネスを発揮した彼は倒れず、ボスの追撃を転がって躱した。
「ど、どうすれば良いんだ……!」
3人はひと塊になり、前方にそびえ立つボスを見上げている。
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