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コーラス遺跡都市防略
第44話コーラル防略、23/消えゆく世界
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「お前があの竜人か。」
ジンが右手に握るロッホバーアックスの石突を地面に叩きつけた。
___灰が空に躍り出る。
どこからか空に躍り出た灰は、空中で長槍に似た形を作りジンの左右と背後にそれぞれ4本ほど浮かぶ。ジンは左に浮かぶ長槍を握った。そのジンの4本の長槍と、それを握るその動作から感じ取れる殺意。そしてその槍を握るてでこの肉塊の山を積み上げたという事実から来る恐怖にアメリナ団長の指示がなくとも構えてしまう兵団大隊員達。
「あぁ、名乗り忘れていた。名乗るのが礼儀というもの___」
ジンはそう呟く。
デイビッドは固唾を飲む。
背後に浮かぶ残り3つの長槍は、バラバラに団子のように小さな塊となって分かれジンの背後へ鳥の羽のように浮かぶ___灰刀の翼。
「___執行騎士序列5位______」
その団子は細長く、小さな短剣のような形へ変形した。
「___灰刀のジン、執行を…」
「叩き潰せ!」
アメリナ達の背後に立つ大隊兵の誰かがそう叫び、ジンが完全に名乗り終える前に突撃を敢行した大隊兵達。
約2万もの帝国兵のはジンへ猪のように迫る。
「き、貴様ら止まれ!」
アメリナ団長はそう叫ぶが時すでに遅し。
大隊兵達はジンの目の前、もうすでに止まれない所まで突撃してしまった。
対して落ち着いたままのジンは目を瞑り全身の力を抜き、自身の状態と状況について頭を回す。
(補給はしたからギフトの使いすぎによる灰化も心配はないな。敵の戦力は約2万弱、多対1を極端に得意とする執行騎士にはおいしい話。)
ジンは目を開き目の前の風景を見つめた。やはり目の前に広がるのは草原を踏み締めこちらを討たんと迫る帝国兵士ども。
そして、その灰刀の翼はゆらめく。
大地を覆い隠し、そこに立つ者らを蹂躙するは灰刀の翼。
「クソ!」
___瞬間、炎が爆ぜる。
アメリナ団長は瞬時に飛び出し爆炎を上げる紅きクレイモアをその灰刀の翼に突き刺すようにぶつけた。
舞う灰刀とそれにぶつかる豪炎。
凄まじい轟音。
それに混じって聞こえる悲鳴
灰の匂いと血の匂い。
暗転する視界。
それらに飲み込まれるのは大隊兵達だけではなく、デイビッド達も例外ではなかった。
~~~
空を青く照らす太陽は、もうすぐ空赤に焼き始めようとしていた。
「くっ…」
目を覚ますデイビッド。視界が暗い上に全身が極端に重い。誰かが自身の上に乗っているようだった。
「よいしょっと。」
デイビッドは腕をなんとか上に乗る何者かの脇腹に両手を回し、なんとか左にその人を転ける。そのままその人の顔を見るが、ぐちゃぐちゃになっていてわからない。
「…庇ってくださってありがとうございました。」
デイビッドはそういうと起き上がると辺りを見回した。
凄まじい量の血と死体の海にデイビッドは思わず狼狽え尻餅をついた。そのまま背後へ少しのけぞると、何かに手が当たる。それには、やや長い柄の上端部に三日月状の斧刃がついている。アルチンゲールから譲り受けたあのバルディッシュだった。それを両手で固く握りしめ再び立ち上がると辺りを見まわす。
(メネはって、探してる場合か…
奪われてない人は、いないかな。)
どうやら冷静さを取り戻したようだ。
デイビッドは、コーラル遺跡都市を見る。
遺跡都市の巨門は閉まったまま、ただそこに聳え立つ。門の周りに人気はなかった。
その時、何故か仲間達の顔がデイビッドの頭の中に過ぎる。ハイミルナン、ヨースト。
(覚悟はしていた事だけど、やっぱり___)
デイビッドはバルディッシュを握る右手に強く、強く力をいれた。
(___辛い。)
まだ17歳の子供には、少しこの戦場は早すぎたのかもしれない。
すると、
「なんだ、生き残りがいたのか。」
~~~
「皇権殿!まずいです、いややばい!」
そう叫びながら玉座の間に駆け込む執行騎士序列7位、賢知のスラー。駆け込んだその先には玉座に座るアンとその玉座の横に立つ鬼狼の姿があった。
「ど、どうしたの、スラー?」
皇権、アンはそう言った。
スラーは玉座の前のレッドカーペットの上に立ち口を開いた。
「ジ、ジンが、ジンの姿が、私のギフトでは見えないのです!?」
それを聞いて、アンは考え込む。
(スラーのギフトは世界規模の未来視と転送___未来視の範疇で無くなったという事。それはつまり鬼狼みたいな認識阻害系統のギフトを持った奴がいるの?)
アンは口を開いた。
「スラー、準備が出来次第エディを転送しよう。」
「了解いたしました!」
スラーはそう言い玉座の間から出て行く。
アンは右手で頬杖をつき目を瞑ると呟いた。
「譲渡の弊害かなぁ…異様に疲れる…
ジン君、無事だといいけど。」
~~~
「___生き残りがいたのか。」
「…!?」
デイビッドはジンに向かってバルディッシュを中段に構え、ジンの左手に握られている"それ"に思わず狼狽えた。執行騎士の左手に握られている"それ"は___
「アメリナ、団長…?!」
顔には痛々しい痣や擦り傷などがついている。
まだ息があるようで、わずかに肩が上下に動き、口からは「ぜぇはぁ」と浅く呼吸をしていた。ジンはその言葉を聞くとアメリナ団長を見つめながら言う。
「なんだ、これの仲間か…この竜人は悪いが渡せない。これには捕縛命令が出ているんだ。それに___」
ジンは右手に持つロッホバーアックスをデイビッドに突きつけた。
「___それに仕事なんでな。お前にも、死んでもらう。」
ジンはアメリナを地面へ投げ捨て、デイビッドに迫った。
そして、灰が地から登る。
デイビッドに迫るジンの足元からは灰が湧き出るように空に少量出現し空中であの長槍の形を2つ作り上げた。その2本は左右からデイビッドへジンと共に迫った。
デイビッドは左右の槍をバルディッシュの斧刃で左薙ぎ払い、右切り上げを行い左右の槍を払いのけた。
そしてジンのロッホバーアックスの兜割を柄の中心で受けそのまま刃と柄の押し合いとなる。
デイビッドはジンの膂力に押され、鍔迫り合いの状態のまま後ろにずるずるとわずかに動いた。
「その左腕…やはり貴様がデイビッドか!」
初対面であるはずなのに何故か自身の名を知っていることを不思議に思うデイビッド。だがそれを追求する余裕などない、相手はあの執行騎士だ。ジンは後ろへ大きく下がりながら左半身を引く。
そして、灰が空に踊る。
左半身を引いたことであらわになったのは灰の戦斧。デイビッドの胴体を狙い左から右へものすごい勢いで大きく薙ぐ動きを見せた。
防御不可の鎧すら破壊する一撃。
デイビッドは左へ前転するように転がりそれを回避しするが、その際にできた隙を逃さずジンはダガーを投げた。
「くっ…」
投げられたダガーはデイビッドの右鎖骨の上をかすり、空中でただの灰となる。避けきれたデイビッドは立ち上がりジンの次の一撃に備え胸の前でバルディッシュを右斜め上段で肩に乗せるように構えた。
「…!?」
途端、デイビッドの左大腿裏に何かが突き刺さるような鈍い痛みを感じたデイビッド。
デイビッドは左膝を地面につきそれを見る。それは先程避けたはずの灰のダガーだった。
どうやら肩に当たった後ただの灰となった直後、再びダガーの形へ戻るとデイビッドの左大腿裏へ飛び突き刺さったようだ。
デイビッドはそれを抜こうと手を伸ばすがジンはそれを許さない。
ジンは再び長槍を4本ほど作り上げデイビッドに飛ばした。足をやられた上、4本ともなると避けるのは困難を極め、防御も難しい。
「クソ…」
「ドーベルから聞いた話よりもずっと良い兵士だった。」
ジンはそう言ったその時___
「なっ!?」
___一人つの影が、デイビッドの前へ飛び出した。
ジンが右手に握るロッホバーアックスの石突を地面に叩きつけた。
___灰が空に躍り出る。
どこからか空に躍り出た灰は、空中で長槍に似た形を作りジンの左右と背後にそれぞれ4本ほど浮かぶ。ジンは左に浮かぶ長槍を握った。そのジンの4本の長槍と、それを握るその動作から感じ取れる殺意。そしてその槍を握るてでこの肉塊の山を積み上げたという事実から来る恐怖にアメリナ団長の指示がなくとも構えてしまう兵団大隊員達。
「あぁ、名乗り忘れていた。名乗るのが礼儀というもの___」
ジンはそう呟く。
デイビッドは固唾を飲む。
背後に浮かぶ残り3つの長槍は、バラバラに団子のように小さな塊となって分かれジンの背後へ鳥の羽のように浮かぶ___灰刀の翼。
「___執行騎士序列5位______」
その団子は細長く、小さな短剣のような形へ変形した。
「___灰刀のジン、執行を…」
「叩き潰せ!」
アメリナ達の背後に立つ大隊兵の誰かがそう叫び、ジンが完全に名乗り終える前に突撃を敢行した大隊兵達。
約2万もの帝国兵のはジンへ猪のように迫る。
「き、貴様ら止まれ!」
アメリナ団長はそう叫ぶが時すでに遅し。
大隊兵達はジンの目の前、もうすでに止まれない所まで突撃してしまった。
対して落ち着いたままのジンは目を瞑り全身の力を抜き、自身の状態と状況について頭を回す。
(補給はしたからギフトの使いすぎによる灰化も心配はないな。敵の戦力は約2万弱、多対1を極端に得意とする執行騎士にはおいしい話。)
ジンは目を開き目の前の風景を見つめた。やはり目の前に広がるのは草原を踏み締めこちらを討たんと迫る帝国兵士ども。
そして、その灰刀の翼はゆらめく。
大地を覆い隠し、そこに立つ者らを蹂躙するは灰刀の翼。
「クソ!」
___瞬間、炎が爆ぜる。
アメリナ団長は瞬時に飛び出し爆炎を上げる紅きクレイモアをその灰刀の翼に突き刺すようにぶつけた。
舞う灰刀とそれにぶつかる豪炎。
凄まじい轟音。
それに混じって聞こえる悲鳴
灰の匂いと血の匂い。
暗転する視界。
それらに飲み込まれるのは大隊兵達だけではなく、デイビッド達も例外ではなかった。
~~~
空を青く照らす太陽は、もうすぐ空赤に焼き始めようとしていた。
「くっ…」
目を覚ますデイビッド。視界が暗い上に全身が極端に重い。誰かが自身の上に乗っているようだった。
「よいしょっと。」
デイビッドは腕をなんとか上に乗る何者かの脇腹に両手を回し、なんとか左にその人を転ける。そのままその人の顔を見るが、ぐちゃぐちゃになっていてわからない。
「…庇ってくださってありがとうございました。」
デイビッドはそういうと起き上がると辺りを見回した。
凄まじい量の血と死体の海にデイビッドは思わず狼狽え尻餅をついた。そのまま背後へ少しのけぞると、何かに手が当たる。それには、やや長い柄の上端部に三日月状の斧刃がついている。アルチンゲールから譲り受けたあのバルディッシュだった。それを両手で固く握りしめ再び立ち上がると辺りを見まわす。
(メネはって、探してる場合か…
奪われてない人は、いないかな。)
どうやら冷静さを取り戻したようだ。
デイビッドは、コーラル遺跡都市を見る。
遺跡都市の巨門は閉まったまま、ただそこに聳え立つ。門の周りに人気はなかった。
その時、何故か仲間達の顔がデイビッドの頭の中に過ぎる。ハイミルナン、ヨースト。
(覚悟はしていた事だけど、やっぱり___)
デイビッドはバルディッシュを握る右手に強く、強く力をいれた。
(___辛い。)
まだ17歳の子供には、少しこの戦場は早すぎたのかもしれない。
すると、
「なんだ、生き残りがいたのか。」
~~~
「皇権殿!まずいです、いややばい!」
そう叫びながら玉座の間に駆け込む執行騎士序列7位、賢知のスラー。駆け込んだその先には玉座に座るアンとその玉座の横に立つ鬼狼の姿があった。
「ど、どうしたの、スラー?」
皇権、アンはそう言った。
スラーは玉座の前のレッドカーペットの上に立ち口を開いた。
「ジ、ジンが、ジンの姿が、私のギフトでは見えないのです!?」
それを聞いて、アンは考え込む。
(スラーのギフトは世界規模の未来視と転送___未来視の範疇で無くなったという事。それはつまり鬼狼みたいな認識阻害系統のギフトを持った奴がいるの?)
アンは口を開いた。
「スラー、準備が出来次第エディを転送しよう。」
「了解いたしました!」
スラーはそう言い玉座の間から出て行く。
アンは右手で頬杖をつき目を瞑ると呟いた。
「譲渡の弊害かなぁ…異様に疲れる…
ジン君、無事だといいけど。」
~~~
「___生き残りがいたのか。」
「…!?」
デイビッドはジンに向かってバルディッシュを中段に構え、ジンの左手に握られている"それ"に思わず狼狽えた。執行騎士の左手に握られている"それ"は___
「アメリナ、団長…?!」
顔には痛々しい痣や擦り傷などがついている。
まだ息があるようで、わずかに肩が上下に動き、口からは「ぜぇはぁ」と浅く呼吸をしていた。ジンはその言葉を聞くとアメリナ団長を見つめながら言う。
「なんだ、これの仲間か…この竜人は悪いが渡せない。これには捕縛命令が出ているんだ。それに___」
ジンは右手に持つロッホバーアックスをデイビッドに突きつけた。
「___それに仕事なんでな。お前にも、死んでもらう。」
ジンはアメリナを地面へ投げ捨て、デイビッドに迫った。
そして、灰が地から登る。
デイビッドに迫るジンの足元からは灰が湧き出るように空に少量出現し空中であの長槍の形を2つ作り上げた。その2本は左右からデイビッドへジンと共に迫った。
デイビッドは左右の槍をバルディッシュの斧刃で左薙ぎ払い、右切り上げを行い左右の槍を払いのけた。
そしてジンのロッホバーアックスの兜割を柄の中心で受けそのまま刃と柄の押し合いとなる。
デイビッドはジンの膂力に押され、鍔迫り合いの状態のまま後ろにずるずるとわずかに動いた。
「その左腕…やはり貴様がデイビッドか!」
初対面であるはずなのに何故か自身の名を知っていることを不思議に思うデイビッド。だがそれを追求する余裕などない、相手はあの執行騎士だ。ジンは後ろへ大きく下がりながら左半身を引く。
そして、灰が空に踊る。
左半身を引いたことであらわになったのは灰の戦斧。デイビッドの胴体を狙い左から右へものすごい勢いで大きく薙ぐ動きを見せた。
防御不可の鎧すら破壊する一撃。
デイビッドは左へ前転するように転がりそれを回避しするが、その際にできた隙を逃さずジンはダガーを投げた。
「くっ…」
投げられたダガーはデイビッドの右鎖骨の上をかすり、空中でただの灰となる。避けきれたデイビッドは立ち上がりジンの次の一撃に備え胸の前でバルディッシュを右斜め上段で肩に乗せるように構えた。
「…!?」
途端、デイビッドの左大腿裏に何かが突き刺さるような鈍い痛みを感じたデイビッド。
デイビッドは左膝を地面につきそれを見る。それは先程避けたはずの灰のダガーだった。
どうやら肩に当たった後ただの灰となった直後、再びダガーの形へ戻るとデイビッドの左大腿裏へ飛び突き刺さったようだ。
デイビッドはそれを抜こうと手を伸ばすがジンはそれを許さない。
ジンは再び長槍を4本ほど作り上げデイビッドに飛ばした。足をやられた上、4本ともなると避けるのは困難を極め、防御も難しい。
「クソ…」
「ドーベルから聞いた話よりもずっと良い兵士だった。」
ジンはそう言ったその時___
「なっ!?」
___一人つの影が、デイビッドの前へ飛び出した。
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