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10話 シミュレーション実験(Cパート 2)

ルート 3

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「は――い! みんな掴んだ? はずれを引いた人はここで留守番だからね!」

 信人ママが差し出したくじを一斉に引き抜く4人。そして、ペアが決定する。

「まずは高梨さんと信人のペアから出発ね。5分遅れて私と神坂さんも出発するから」

「そういえば、あなた前におかしなこと言ってたわよね」
「んっ?」
「君のお父さんが飛行機事故に見舞われたのは君のせいじゃないって」
「そんなこと言ったけ?」
「でも、私のお父さんは交通事故で亡くなったのよ。確かにお父さんが乗るはずだった飛行機は事故で墜落した。テレビのニュースで絶望したことを覚えているわ。けど、その飛行機にはなぜか乗らずに、お父さんは交通事故で亡くなったのよ。絶望、安堵、絶望、お母さんと私は、その日神様を呪ったわ」

 沈黙する信人。

「なんであんなこと言ったの?」
「なんでって……そりゃ――、君の心の声で、君の記憶を辿っただけさ」

 信人は頭で考えずに即答した。

「だからそれが違うって言ってるのよ!」
「あれ? あの時、僕、飛行機事故って言ったっけ?」
「言ったわよ!」
「じゃあ、この記憶は何だ!? 誰の記憶だ!?」
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