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75 常識(※個人差があります)
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「うわあ。凄いね! 魔術書くらいの厚みはあるね」
「凄いですよね。隣国から取り寄せた冊子の倍は分厚いですよ。キャラックさんから貰ったやつで古本ですけど、今はもっと頁が増えてるかもって言ってました。これ以上か……」
ソファー前のテーブルの上にドスンという音を響かせ置いたのは、お貴族様御用達の結婚準備辞典である。『王国内のは見たことある? ない? じゃああげるー! 比較してみなよ!』と、気前よく譲ってくださり有り難かったが、想像の数倍は重く持ち帰るのが大変だった。
驚いただろう、という顔でこれを渡されたときを思い出す。ほんとにな、と思いながらめくってみると、冒頭からすでに狂った額の式場利用料が、質の良い紙にくっきりはっきり記されていた。
「一、十、百……怖い怖い! 桁がおかしい!」
「それ王城内のやつでしょう。それくらいはするんじゃないです? こっちは……あ、全然安くなかったや。焼け石に水だった」
「最低価格でこれかあ。見て、こぢんまりとしたお身内だけでの温かな挙式、とか書いてある。どこがこぢんまりなのさ。十分豪華なんだけど……」
「親戚一同、友達全員呼んでもまだ余りますね。ま、俺の友達なんてもの、二人だけしかいませんけど。連絡も取ってないし……」
「何言ってんの。オレなんて前科持ちなんだよ。呼べるとしたら兄貴くらいしかいないんだけど」
「お客さん呼べばいいですよ。明らかクラースさんと話したいから買い物しにくる女性、めっちゃいるでしょう」
「それを言うなら君だって……いや、やめとこう。君のお客さんはちょっと性質が違う気がする。争い事の種になる。式場が戦場に変わる」
『どんな戦いになりますかね』『その場に魔術師がいないことを祈るよ。良くて硝子が全壊、最悪なら式場崩壊』というやりすぎ妄想会話を楽しみながら頁をめくり、知らない世界を垣間見た。
「で、本日の主役はこちら。隣国トルマリーでの挙式準備冊子です」
「どれどれー? え゙っ。飛馬に乗って空から華麗に登場ってなに!? どういうこと!? 何が始まるの!?」
「えーと、降り立ったところから、式場にする宿屋までの近所をのしのし練り歩いて、今から式が始まるぞーってお知らせするみたいですね。全部絵だけだから雰囲気まではわかんないけど。飛馬には乗ったことありますよね?」
「あるよ。あるけど……あれ大きいから目立つと思う。ちょっと恥ずかしいなあ……」
「嫌ですか? なら普通の馬車もありますけど。普通っていっても飛馬が曳く馬車ですけど」
「嫌ではないな。むしろ久しぶりに騎乗したい。オレが手綱引いていい? あっ、でもそういう贅沢を足しちゃうと、料金が上がるんじゃない?」
「いいえ? ひとつも上がりません。額面ごとに冊子の内容が違うんですよ。だからこの中からなら選び放題」
「合理的だね。じゃあこれに印つけちゃお。次は式場にする宿屋さん……ん? なんかすでに印がついて……」
式場は数件どころか、何十件もの宿屋から選択できる。俺はもちろん、一番人気を選んでやった。絢爛晶で造った式場が名物の、全体的にお城のような最高級宿屋である。
「俺おすすめの式場です。なんか素敵でしょ?」
「ジルくん君……一番ド派手なとこ選んでない? 凄いねこんな建物、王国内には多分ない……あっ!? なにこの衣装!!」
「いいでしょう? 誰でも着られるんですよこれ。繊細な意匠に見えるんですが、すぐ合わせられるから採寸要らず」
「露出狂じゃん!! 背中の布が全然ないじゃん!! ダメダメダメ、ていうかオレさ、傷あるからさあ。こんなの着ても似合わないよー」
「大丈夫ですよ。こういう衣装が多いからか、化粧技術が高いらしくて。色の補正とか跡消しとかが上手い美容家が多くいて、いい化粧品もあるんだってメルヤが熱く語ってましたし。出席ついでに彼氏と出掛けてたっぷり買い物したいそうです」
「えー……、でもなあ、綺麗なものにはならないと思…………なにこれ」
「すげえ。背中一面にドラゴンが。ケツまで描いてあるんだけど」
「この人、火傷跡がありましたって書いてあるけど、ほんとにこんな風になるかなあ」
印刷技術の違いなのか文化の違いか、写実紙はほとんど使われていない。その代わり絵が載っているのだが、まるで画集のように全頁、凝ったもので揃えている。
夢を見させるのもこの挙式準備冊子の役割といえど、どうにも現実感がない。やはり行ってからこんなもんか、とがっかりするんじゃないだろうか。でもキャラックさんのお墨付きだし。お貴族様の保証付き。
しかし文字の表記は若干怪しい。おそらくレースをふんだんに使用した衣装という意味なのであろうその表記は『蜘蛛みたい服』と書いてあるし、デザートのアイスクリームは『つめたいうまい乳椰子』と書いてある。王国語がガバガバである。
「あっ、見てこの宿屋さんの式場の解説さあ、『下見るこわい、おちないへいき』って書いてある。おちない、へいき……!」
「この生花シャワーなんかも、『花もいだばかり、しんせん死にたて』って書いてありますよ。忌み語の概念ないですね」
クラースさんは他にも振る舞い膳の中の解説に『からい、トルマリーじんへいき、隣
のひとつらい』と書いてあるものや、『あまい、トルマリーじん好き、隣のひとびみょう』と書いてあるものを目ざとく見つけてケラケラと笑い転げている。
それに気を取られたのか俺が勝手に印をつけた頁にはほぼ突っ込まず、主に食事関連の決定自体はサクサクと進んでいった。
王国語はゆるゆるでも、あとはきっちりしている──なんてことはなく、キャラックさんから聞いた話だと合わなければ変更に次ぐ変更など、いとも簡単にできるらしい。
だから背中丸出し衣装をクラースさんが渋るようならサクッと変えてしまえるのだ。そこは南国特有の大らかさであり有り難い仕組みである。
日取りが決まり支払いを終えれば、キャラックさんに招待状を送って飛行馬車を押さえねば。黒鳶の面子は別便を押さえて向かうらしいので、俺らと両親、ばあちゃんで、最低五人分の座席確保。
往復で金貨二百枚。クラースさんに言うと『やっぱ高いよ!!』と目を丸くしていたが、渡航費は高くとも全体でかかる金額は、そこそこの平民の家が式を挙げるときの平均的な価格に近いと言っておいた。
……そこそこの平民とは。それは俺の家のことではない。引き合いに出すのは良くないが、母さんの再婚相手であるおじさんの商店の数倍でかい、貴族一、二歩手前の平民、という意味である。
「俺は嘘をつきませんからね。これからもそう誓います」
「何を言い出すかと思えば。君は嘘ついたりしないじゃない。あー、なんかすっごく楽しみになってきたなー。どんなパーティーになるのかなー!」
「怪しいと思ったら指摘してくださって構いません。後ろ暗いことは何一つございませんのでね」
「だからー、疑ったことなんてないってば。あ、でも君、そんな涼しい顔して実は相当エロいよね。お母様がこっそり教えてくれたんだから。あの無造作に突っ込んであるような本棚の奥にはさあ、肌色の…………あー! ほらぁっ、それそれ! そういうとこだって!」
「はい? 好きな人が目の前にいれば誰だってこうなりますが? 普通でしょ」
「え、そうなの……? そういうもん……? 世の恋人たち、いや夫婦か。……って、いつもこういう始まりなの……?」
「……まあそうですね。そんな感じです。至って普通のことですよ」
「そう……? オレの親だとさあ、顔合わせりゃ殴り合いの喧嘩だからさ、いつも片方しかいないか、両方いなくて…………ここで?」
「ダメですか?」
「ダメ……、いや、いいのかな? わかんない。どっちが普通?」
……これはちょっと、悪用したい気持ちになる。『普通』という概念を。悪用と悪戯の境目を決めておかねば後々まずいことになるかもしれない。
俺は今、心の内を出さずに笑えているだろうか。呪術師は、自身の心持ちへの制限が人より大きい生き物だ。でも我慢のしすぎは身体に悪い。こういうことだけ、と決めてしまえば良いじゃないか。
彼の口を塞ぎながら、服の釦を上から順に外しながら。王国一信用できない情欲まみれの頭でそう考えた。良い考えだと思っていた。
しかし当たり前だが、彼は子供じゃないわけだ。大人の頭で考え行動することができる。後に明かされたことで、俺は手のひらの上だったかも、と思い直すことになる。それはまた後日、別の話だ。
「凄いですよね。隣国から取り寄せた冊子の倍は分厚いですよ。キャラックさんから貰ったやつで古本ですけど、今はもっと頁が増えてるかもって言ってました。これ以上か……」
ソファー前のテーブルの上にドスンという音を響かせ置いたのは、お貴族様御用達の結婚準備辞典である。『王国内のは見たことある? ない? じゃああげるー! 比較してみなよ!』と、気前よく譲ってくださり有り難かったが、想像の数倍は重く持ち帰るのが大変だった。
驚いただろう、という顔でこれを渡されたときを思い出す。ほんとにな、と思いながらめくってみると、冒頭からすでに狂った額の式場利用料が、質の良い紙にくっきりはっきり記されていた。
「一、十、百……怖い怖い! 桁がおかしい!」
「それ王城内のやつでしょう。それくらいはするんじゃないです? こっちは……あ、全然安くなかったや。焼け石に水だった」
「最低価格でこれかあ。見て、こぢんまりとしたお身内だけでの温かな挙式、とか書いてある。どこがこぢんまりなのさ。十分豪華なんだけど……」
「親戚一同、友達全員呼んでもまだ余りますね。ま、俺の友達なんてもの、二人だけしかいませんけど。連絡も取ってないし……」
「何言ってんの。オレなんて前科持ちなんだよ。呼べるとしたら兄貴くらいしかいないんだけど」
「お客さん呼べばいいですよ。明らかクラースさんと話したいから買い物しにくる女性、めっちゃいるでしょう」
「それを言うなら君だって……いや、やめとこう。君のお客さんはちょっと性質が違う気がする。争い事の種になる。式場が戦場に変わる」
『どんな戦いになりますかね』『その場に魔術師がいないことを祈るよ。良くて硝子が全壊、最悪なら式場崩壊』というやりすぎ妄想会話を楽しみながら頁をめくり、知らない世界を垣間見た。
「で、本日の主役はこちら。隣国トルマリーでの挙式準備冊子です」
「どれどれー? え゙っ。飛馬に乗って空から華麗に登場ってなに!? どういうこと!? 何が始まるの!?」
「えーと、降り立ったところから、式場にする宿屋までの近所をのしのし練り歩いて、今から式が始まるぞーってお知らせするみたいですね。全部絵だけだから雰囲気まではわかんないけど。飛馬には乗ったことありますよね?」
「あるよ。あるけど……あれ大きいから目立つと思う。ちょっと恥ずかしいなあ……」
「嫌ですか? なら普通の馬車もありますけど。普通っていっても飛馬が曳く馬車ですけど」
「嫌ではないな。むしろ久しぶりに騎乗したい。オレが手綱引いていい? あっ、でもそういう贅沢を足しちゃうと、料金が上がるんじゃない?」
「いいえ? ひとつも上がりません。額面ごとに冊子の内容が違うんですよ。だからこの中からなら選び放題」
「合理的だね。じゃあこれに印つけちゃお。次は式場にする宿屋さん……ん? なんかすでに印がついて……」
式場は数件どころか、何十件もの宿屋から選択できる。俺はもちろん、一番人気を選んでやった。絢爛晶で造った式場が名物の、全体的にお城のような最高級宿屋である。
「俺おすすめの式場です。なんか素敵でしょ?」
「ジルくん君……一番ド派手なとこ選んでない? 凄いねこんな建物、王国内には多分ない……あっ!? なにこの衣装!!」
「いいでしょう? 誰でも着られるんですよこれ。繊細な意匠に見えるんですが、すぐ合わせられるから採寸要らず」
「露出狂じゃん!! 背中の布が全然ないじゃん!! ダメダメダメ、ていうかオレさ、傷あるからさあ。こんなの着ても似合わないよー」
「大丈夫ですよ。こういう衣装が多いからか、化粧技術が高いらしくて。色の補正とか跡消しとかが上手い美容家が多くいて、いい化粧品もあるんだってメルヤが熱く語ってましたし。出席ついでに彼氏と出掛けてたっぷり買い物したいそうです」
「えー……、でもなあ、綺麗なものにはならないと思…………なにこれ」
「すげえ。背中一面にドラゴンが。ケツまで描いてあるんだけど」
「この人、火傷跡がありましたって書いてあるけど、ほんとにこんな風になるかなあ」
印刷技術の違いなのか文化の違いか、写実紙はほとんど使われていない。その代わり絵が載っているのだが、まるで画集のように全頁、凝ったもので揃えている。
夢を見させるのもこの挙式準備冊子の役割といえど、どうにも現実感がない。やはり行ってからこんなもんか、とがっかりするんじゃないだろうか。でもキャラックさんのお墨付きだし。お貴族様の保証付き。
しかし文字の表記は若干怪しい。おそらくレースをふんだんに使用した衣装という意味なのであろうその表記は『蜘蛛みたい服』と書いてあるし、デザートのアイスクリームは『つめたいうまい乳椰子』と書いてある。王国語がガバガバである。
「あっ、見てこの宿屋さんの式場の解説さあ、『下見るこわい、おちないへいき』って書いてある。おちない、へいき……!」
「この生花シャワーなんかも、『花もいだばかり、しんせん死にたて』って書いてありますよ。忌み語の概念ないですね」
クラースさんは他にも振る舞い膳の中の解説に『からい、トルマリーじんへいき、隣
のひとつらい』と書いてあるものや、『あまい、トルマリーじん好き、隣のひとびみょう』と書いてあるものを目ざとく見つけてケラケラと笑い転げている。
それに気を取られたのか俺が勝手に印をつけた頁にはほぼ突っ込まず、主に食事関連の決定自体はサクサクと進んでいった。
王国語はゆるゆるでも、あとはきっちりしている──なんてことはなく、キャラックさんから聞いた話だと合わなければ変更に次ぐ変更など、いとも簡単にできるらしい。
だから背中丸出し衣装をクラースさんが渋るようならサクッと変えてしまえるのだ。そこは南国特有の大らかさであり有り難い仕組みである。
日取りが決まり支払いを終えれば、キャラックさんに招待状を送って飛行馬車を押さえねば。黒鳶の面子は別便を押さえて向かうらしいので、俺らと両親、ばあちゃんで、最低五人分の座席確保。
往復で金貨二百枚。クラースさんに言うと『やっぱ高いよ!!』と目を丸くしていたが、渡航費は高くとも全体でかかる金額は、そこそこの平民の家が式を挙げるときの平均的な価格に近いと言っておいた。
……そこそこの平民とは。それは俺の家のことではない。引き合いに出すのは良くないが、母さんの再婚相手であるおじさんの商店の数倍でかい、貴族一、二歩手前の平民、という意味である。
「俺は嘘をつきませんからね。これからもそう誓います」
「何を言い出すかと思えば。君は嘘ついたりしないじゃない。あー、なんかすっごく楽しみになってきたなー。どんなパーティーになるのかなー!」
「怪しいと思ったら指摘してくださって構いません。後ろ暗いことは何一つございませんのでね」
「だからー、疑ったことなんてないってば。あ、でも君、そんな涼しい顔して実は相当エロいよね。お母様がこっそり教えてくれたんだから。あの無造作に突っ込んであるような本棚の奥にはさあ、肌色の…………あー! ほらぁっ、それそれ! そういうとこだって!」
「はい? 好きな人が目の前にいれば誰だってこうなりますが? 普通でしょ」
「え、そうなの……? そういうもん……? 世の恋人たち、いや夫婦か。……って、いつもこういう始まりなの……?」
「……まあそうですね。そんな感じです。至って普通のことですよ」
「そう……? オレの親だとさあ、顔合わせりゃ殴り合いの喧嘩だからさ、いつも片方しかいないか、両方いなくて…………ここで?」
「ダメですか?」
「ダメ……、いや、いいのかな? わかんない。どっちが普通?」
……これはちょっと、悪用したい気持ちになる。『普通』という概念を。悪用と悪戯の境目を決めておかねば後々まずいことになるかもしれない。
俺は今、心の内を出さずに笑えているだろうか。呪術師は、自身の心持ちへの制限が人より大きい生き物だ。でも我慢のしすぎは身体に悪い。こういうことだけ、と決めてしまえば良いじゃないか。
彼の口を塞ぎながら、服の釦を上から順に外しながら。王国一信用できない情欲まみれの頭でそう考えた。良い考えだと思っていた。
しかし当たり前だが、彼は子供じゃないわけだ。大人の頭で考え行動することができる。後に明かされたことで、俺は手のひらの上だったかも、と思い直すことになる。それはまた後日、別の話だ。
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