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52 恋の親子対決
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農園は今日もいい天気だ。午前中ではあるのだが、もうすでにカンカン照りだ。長がつく人が日傘持ち役をやりたがるので、その下の人が日傘持ち役の日傘持ち役をやるという謎状態になっている。俺がやりにくいんですけど。
やはり最初に飛ばしすぎていたようで、意識の糸の先が見えにくくなってからさらに深追いする、というやり方をしないよう注意すれば、眠りすぎるようなことはなくなった。
まあ九十分ほど頑張って、あとは食って汗を流してぐっすり眠っているだけなのだが。目覚めはスッキリしているが、起きている時間を通常通りに戻すことは出来なかった。毎日、怖いくらいに眠っている。時計一周半の睡眠時間。
俺としては多少無理をしてでもさっさと終わらせ、クラースさんが待つ家に帰りたかったわけなのだが、馬車に同乗するお偉いさんや従業員の方々、屋敷の使用人さんたちにまで無理をするな、もっと長く滞在しても構わないから、むしろ極力そうしてくれ、と言われるのでそうしたわけだ。
なんか心配をかけてるなあ、としか最初は思っていなかった。だが六日目にやっと理由がわかった。俺が眠れば眠るほど、エッカルトさんとその息子が対立する時間が増える。俺と話せる時間を持てばしばらくの間は満足し、そっちに気が逸れていくので無駄にぶつかることがないと。
それを教えてくれたのはよく顔を合わせる客室係のメイドさんだが、聞いたときは本当に意味がわからなかった。俺もそこまで鈍感ではないはずなので、あの親子の意図するところはわかっているつもりだが、なぜ札束で頬を殴ろうとまでするのかがわからない。珍しいもの好きなのか? その辺、親子だから似てるとか?
彼らに直接呪術を使った覚えはないし、イルゴさんの二の舞いにはなっていないはずなのだ。用心棒が欲しいとか? 呪術師の? どんだけ徹底してんだよ。葡萄農園を狙っている武装集団なんて居るのかよ。いたら相当末期じゃねえか。まず衛兵本部に相談するのが筋だろう。
「ですから。何度も言いますが、僕と結婚してください。そんな叶わない恋にずっとこだわっていたら消耗しますよ。心が壊れてしまいます。もしそうなれば、完全に元には戻りませんよ。事前対策が大事です。今の害虫駆除のようにね」
「ですから。何度も言いますが、あなたとお父様のどちらとも結婚はいたしません。いいんですよ、叶わぬ恋でも。諦める時期は俺が決めます。それに彼は虫じゃない」
「では一歩譲って、いや百歩譲って好きな人がいる事実は許しましょう。心の中は自由ですから。僕と契約をしてほしいんです。結婚という名がつくだけの。あなたの愛は正直とっても欲しいですが、ご契約いただけるのなら断腸の思いで諦めましょう。うちの屋敷とあなたの家の、中間地点に家を買えばいい。そうしましょう! それがいい!」
「よくないよくない! 大体俺のどこがいいっていうんですか! 呪術師はそんなに金になるもんなんですか!?」
「あなたはご自分の魅力をまるでおわかりでない! お願いですから、一度で良いから名前で呼んでくださいよ! 父だけずるくないですか!?」
「名前っていうか家名でしょ!? 馬が待ちくたびれてます。俺はもう行きますから! お疲れ様です! では失礼!」
「契約してくださったとしても、即日手を出したりなんかしませんからー!! あなたが良いとおっしゃるまで僕はちゃんと待てますからー!!」
エントランスに息子の悲鳴がこだまする。最悪の朝である。彼の要求は日を追うごとにあからさまになり、それは懇願になり、ついに泣きが入ってきた。今は地べたに両手両足をついて勝手なことを叫んでいる。
なにがどうしてこうなった。俺のどこが良いのだと真面目に聞いても、『全部』と真面目に答えやがるからタチが悪い。息子も大概酷いのだが、父親も負けず劣らずだ。
「やはり、若い男のほうがいいですか。親の欲目と思うでしょうが、あいつはいい男でしょう。母親に似て容姿が良い。頭も悪くないですし」
「ですから。そんなに薦められても結婚なんてしませんから……」
「そんな息子より、先に死ぬのは私です。人生の折り返し地点は過ぎ去って、老い先短い男です。だからあなたは元気なうちに自由になれる。その間の時間を少し、私に恵んでいただけませんか」
「同情を引こうったって無駄ですよ。昨日までは息子と自分を比較して、勝ち誇ってたじゃないですか」
「言ったでしょう。老い先短い身ですから、情緒が不安定なんですよ。私の妻はね、よその若い男に取られました。お金より大切なものを見つけた、なんて言ってましたよ。私はただの金蔓だった。その金蔓役も首を切られましたがね。でも息子を残してくれました。だから子を貰って育てよ、なんて言いません。すでに居ますから。あなたは私の最後の妻となっていただきたいだけなのです」
「だけ、が非常に重いんですよエッカルトさん。あなた絶対長生きするでしょう。長生きしてもしなくても、俺の意思は変わりませんが。御者さんが待ちくたびれてますからもう行きます。お疲れ様です! 失礼します!」
「私は墓場に近い分、失うものは少ないですし、老いらくの恋は長患いになるものです! 私は絶対諦めませんからー!!」
エントランスに農園主の声がこだまする。毎朝息子と交代で、入れ替わり立ち替わり。よく続くものである。
俺を送ってくれる御者さんはいつも申し訳なさそうな顔をしている。見送りに出てきてくれる来客応対のメイドさんも、頭を下げていて顔は見えないが雰囲気からして沈んだ表情をしているんじゃないかと思う。
主たちの粗相を目の当たりにしてしまうと、従者として多少の責任を感じてしまうものなんだろう。あなた方はしっかり仕事をしているんだから、そんな風に思わなくっていいと思う。可哀想だ。
天候に恵まれた中で地道に続けた駆除の仕事。明日でようやく終わりそうだ。俺は農園主とその息子のしつこい勧誘、及び要求もこれで終わりにしてほしいと強く願っていたため、質問の仕方を変えてみることにした。
俺に対してそういう感情が沸いたきっかけはあったのか。それはどんな風だったのか。一緒にすると親子喧嘩になるため、個別に聞いてみることにした。
「……きっかけですか。そうですね、僕は日傘持ち役をしていたでしょう。あなたは汗をかいていた。ボタボタと落ちるほどでしたので、ハンカチで拭いて差し上げました。そのとき……、確か耳かどこかに触れたんですよね。その瞬間、こう、なんていうか…………」
「なるべくでいいですよ。表現に凝らずとも、単語の羅列だけでもいいんで教えてください」
「そのとき……、そう、この人だ! と強く思いました。僕の心の傷という傷、全てが埋められてゆく感じ。ドキドキというより安らぎですかね。この人と一緒なら夜は深く眠れるだろうし、この人がいてくれたら外でどんなに傷つけられてもまた新しい心を取り戻せる、戦いに行ける気がしました」
息子は瞳をキラキラさせて、至極真面目にこっ恥ずかしくクサい台詞をずらずらと並べていた。何言ってんだこいつと思いながらも、俺はその告白の中に散りばめられた、少し気になる単語を耳で拾っていた。
『安らぎ』『深く眠れる』『新しい』。聞き覚えがあるというか、そういうことを考えながら呪術をかけていた気がするのだ。
以前、この息子に初めて会ったときに何気なく聞かれたこと。あの呪文らしき言葉はどういう意味合いが含まれているのかと。
最初は何を聞かれているのかわからなかった。何かを喋った記憶もないし、呪文などを使った覚えもないからだ。というか、それ自体まだ覚えていない。ばあちゃんに教わり練習はしてみたのだが、発音がとても難しいのだ。
半濁音という鼻にかかった濁音が入っていたり、破裂音や舌打ちのような音が突然混じってきたりする。使わなくても出来るというなら、そうしようと思ってやめた。
きっとどこかで失敗した。そんな気がする。自分で自分を疑いながら、確認のために農園主の書斎を訪ねた。
────────────────────
ここでクイズ!農園主の息子の名前はなんでしょう?
1 エーヴァルト
2 オズヴァルト
3 オスヴァルト
どーでもいー、と思ったお嬢さんは星とブックマークお願いしまーす
やはり最初に飛ばしすぎていたようで、意識の糸の先が見えにくくなってからさらに深追いする、というやり方をしないよう注意すれば、眠りすぎるようなことはなくなった。
まあ九十分ほど頑張って、あとは食って汗を流してぐっすり眠っているだけなのだが。目覚めはスッキリしているが、起きている時間を通常通りに戻すことは出来なかった。毎日、怖いくらいに眠っている。時計一周半の睡眠時間。
俺としては多少無理をしてでもさっさと終わらせ、クラースさんが待つ家に帰りたかったわけなのだが、馬車に同乗するお偉いさんや従業員の方々、屋敷の使用人さんたちにまで無理をするな、もっと長く滞在しても構わないから、むしろ極力そうしてくれ、と言われるのでそうしたわけだ。
なんか心配をかけてるなあ、としか最初は思っていなかった。だが六日目にやっと理由がわかった。俺が眠れば眠るほど、エッカルトさんとその息子が対立する時間が増える。俺と話せる時間を持てばしばらくの間は満足し、そっちに気が逸れていくので無駄にぶつかることがないと。
それを教えてくれたのはよく顔を合わせる客室係のメイドさんだが、聞いたときは本当に意味がわからなかった。俺もそこまで鈍感ではないはずなので、あの親子の意図するところはわかっているつもりだが、なぜ札束で頬を殴ろうとまでするのかがわからない。珍しいもの好きなのか? その辺、親子だから似てるとか?
彼らに直接呪術を使った覚えはないし、イルゴさんの二の舞いにはなっていないはずなのだ。用心棒が欲しいとか? 呪術師の? どんだけ徹底してんだよ。葡萄農園を狙っている武装集団なんて居るのかよ。いたら相当末期じゃねえか。まず衛兵本部に相談するのが筋だろう。
「ですから。何度も言いますが、僕と結婚してください。そんな叶わない恋にずっとこだわっていたら消耗しますよ。心が壊れてしまいます。もしそうなれば、完全に元には戻りませんよ。事前対策が大事です。今の害虫駆除のようにね」
「ですから。何度も言いますが、あなたとお父様のどちらとも結婚はいたしません。いいんですよ、叶わぬ恋でも。諦める時期は俺が決めます。それに彼は虫じゃない」
「では一歩譲って、いや百歩譲って好きな人がいる事実は許しましょう。心の中は自由ですから。僕と契約をしてほしいんです。結婚という名がつくだけの。あなたの愛は正直とっても欲しいですが、ご契約いただけるのなら断腸の思いで諦めましょう。うちの屋敷とあなたの家の、中間地点に家を買えばいい。そうしましょう! それがいい!」
「よくないよくない! 大体俺のどこがいいっていうんですか! 呪術師はそんなに金になるもんなんですか!?」
「あなたはご自分の魅力をまるでおわかりでない! お願いですから、一度で良いから名前で呼んでくださいよ! 父だけずるくないですか!?」
「名前っていうか家名でしょ!? 馬が待ちくたびれてます。俺はもう行きますから! お疲れ様です! では失礼!」
「契約してくださったとしても、即日手を出したりなんかしませんからー!! あなたが良いとおっしゃるまで僕はちゃんと待てますからー!!」
エントランスに息子の悲鳴がこだまする。最悪の朝である。彼の要求は日を追うごとにあからさまになり、それは懇願になり、ついに泣きが入ってきた。今は地べたに両手両足をついて勝手なことを叫んでいる。
なにがどうしてこうなった。俺のどこが良いのだと真面目に聞いても、『全部』と真面目に答えやがるからタチが悪い。息子も大概酷いのだが、父親も負けず劣らずだ。
「やはり、若い男のほうがいいですか。親の欲目と思うでしょうが、あいつはいい男でしょう。母親に似て容姿が良い。頭も悪くないですし」
「ですから。そんなに薦められても結婚なんてしませんから……」
「そんな息子より、先に死ぬのは私です。人生の折り返し地点は過ぎ去って、老い先短い男です。だからあなたは元気なうちに自由になれる。その間の時間を少し、私に恵んでいただけませんか」
「同情を引こうったって無駄ですよ。昨日までは息子と自分を比較して、勝ち誇ってたじゃないですか」
「言ったでしょう。老い先短い身ですから、情緒が不安定なんですよ。私の妻はね、よその若い男に取られました。お金より大切なものを見つけた、なんて言ってましたよ。私はただの金蔓だった。その金蔓役も首を切られましたがね。でも息子を残してくれました。だから子を貰って育てよ、なんて言いません。すでに居ますから。あなたは私の最後の妻となっていただきたいだけなのです」
「だけ、が非常に重いんですよエッカルトさん。あなた絶対長生きするでしょう。長生きしてもしなくても、俺の意思は変わりませんが。御者さんが待ちくたびれてますからもう行きます。お疲れ様です! 失礼します!」
「私は墓場に近い分、失うものは少ないですし、老いらくの恋は長患いになるものです! 私は絶対諦めませんからー!!」
エントランスに農園主の声がこだまする。毎朝息子と交代で、入れ替わり立ち替わり。よく続くものである。
俺を送ってくれる御者さんはいつも申し訳なさそうな顔をしている。見送りに出てきてくれる来客応対のメイドさんも、頭を下げていて顔は見えないが雰囲気からして沈んだ表情をしているんじゃないかと思う。
主たちの粗相を目の当たりにしてしまうと、従者として多少の責任を感じてしまうものなんだろう。あなた方はしっかり仕事をしているんだから、そんな風に思わなくっていいと思う。可哀想だ。
天候に恵まれた中で地道に続けた駆除の仕事。明日でようやく終わりそうだ。俺は農園主とその息子のしつこい勧誘、及び要求もこれで終わりにしてほしいと強く願っていたため、質問の仕方を変えてみることにした。
俺に対してそういう感情が沸いたきっかけはあったのか。それはどんな風だったのか。一緒にすると親子喧嘩になるため、個別に聞いてみることにした。
「……きっかけですか。そうですね、僕は日傘持ち役をしていたでしょう。あなたは汗をかいていた。ボタボタと落ちるほどでしたので、ハンカチで拭いて差し上げました。そのとき……、確か耳かどこかに触れたんですよね。その瞬間、こう、なんていうか…………」
「なるべくでいいですよ。表現に凝らずとも、単語の羅列だけでもいいんで教えてください」
「そのとき……、そう、この人だ! と強く思いました。僕の心の傷という傷、全てが埋められてゆく感じ。ドキドキというより安らぎですかね。この人と一緒なら夜は深く眠れるだろうし、この人がいてくれたら外でどんなに傷つけられてもまた新しい心を取り戻せる、戦いに行ける気がしました」
息子は瞳をキラキラさせて、至極真面目にこっ恥ずかしくクサい台詞をずらずらと並べていた。何言ってんだこいつと思いながらも、俺はその告白の中に散りばめられた、少し気になる単語を耳で拾っていた。
『安らぎ』『深く眠れる』『新しい』。聞き覚えがあるというか、そういうことを考えながら呪術をかけていた気がするのだ。
以前、この息子に初めて会ったときに何気なく聞かれたこと。あの呪文らしき言葉はどういう意味合いが含まれているのかと。
最初は何を聞かれているのかわからなかった。何かを喋った記憶もないし、呪文などを使った覚えもないからだ。というか、それ自体まだ覚えていない。ばあちゃんに教わり練習はしてみたのだが、発音がとても難しいのだ。
半濁音という鼻にかかった濁音が入っていたり、破裂音や舌打ちのような音が突然混じってきたりする。使わなくても出来るというなら、そうしようと思ってやめた。
きっとどこかで失敗した。そんな気がする。自分で自分を疑いながら、確認のために農園主の書斎を訪ねた。
────────────────────
ここでクイズ!農園主の息子の名前はなんでしょう?
1 エーヴァルト
2 オズヴァルト
3 オスヴァルト
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