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47 呪術失敗
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いつもの道を歩いてゆく。まだ外は明るく、宿の仕事は休みのはずなのにまるで働きに行く日だったかと錯覚をしてしまう。
指定された場所というのは俺とクラースさんが勤めている高級宿屋の中だった。その事を知らされたのが彼が店を出る直前で、断る機会を逃してしまった。
嫌だなあ、知り合いに見つからなければいいんだが。こうなったら、普段食べられない高いものでも頼んでやるか。クラースさんが美味しいと絶賛していたあの三宝牛とか。
初めての知り合いじゃないお客さん。こいつ遠慮がないな、とあえて思われることで疎遠にする手も考えたが、顧客として長い付き合いにする手もある。それを踏まえて、接待する側に回ったほうが良いだろうか。
どっちがいいんだ。全然わからん。今日の様子を見て決めよう、と普段立ち入らない豪華なエントランスを真っ直ぐ進んだ。俺のために従業員が優雅な仕草で扉を開けてくれている。慣れていないのでそのとき若干、動きが固くなっていた気がする。
「こんばんは。来てくださりありがとうございます。でも場所を教えてくだされば、馬車でお迎えに参じましたのに」
「いえ、そこまでしていただくわけには。大丈夫です、近いので」
「そうなんですね。歩いてどのくらいの距離なんですか?」
「えっと……二十分くらいですかね」
嘘である。本当は歩いて十分もかからない。家の場所を聞かれたとき、俺は知られたくない、と即座に思って迎えはいいと断った。
あまりにも近いということがわかると、そこから半円上にある住宅を絞り込める。街中だ、個人宅はそこまで多く建っていない。
家の場所を聞かれたとき、同居しているクラースさんのことが頭をよぎり、なんとなく彼が危ないかもと思ったのだ。
「なんでも頼んでくださいね。三宝牛のローストがありますよ。ここのだったらその辺で売られている端っこよりずっと柔らかい肉質でしょうね」
「そうでしょうね。でも、これは値段が……」
「いいんです。誘ったのは私ですから。ケチな奴だと思われたくない」
「そんな、思ったことないですよ。でも……」
「じゃあ質問です。肉と魚ならどっちが好きです?」
「あー、まあ、肉のほうが好きですけど……あっ、ちょっと、お客さんっ」
彼は手慣れた仕草で店員を呼び、テキパキと注文を済ませ、今日一番の笑顔を向けてきた。やられた。本当に遠慮するつもりだったのに。
「今はお客さんじゃありません。そういうことにしてください。私はイゴルと申します。そうお呼びください、ジルヴェスターさん」
「……はあ、ありがとうございます、イゴルさん」
ここで初めて気がついたことが一つある。警戒される側に慣れすぎて、警戒する側の塩梅というものがわからない。クラースさんに迷惑をかけてはならない、危険に晒すことはしたくない、という視点でしか物事を見られない。
口調が砕けていないだけで、最初から気さくに接してくれたクラースさんとイゴルさんの何が違うのだとも考えていた。
最初の印象は真逆ではある。俺は初めてイゴルさんに接したとき、意識して圧をかけたのだ。でもイゴルさんはすぐに落ち着いて、俺の占いと呪術を買って、今はこうだ。
最初の印象が悪かった、というのは結構大きな差に値するか。けど今の様子を勘定に入れて見てみると、たった少しの違いという気もしてくるくらいに彼は変わった。
「──その童話が大好きでよく読んでたから、イケるんじゃないかと思ったんですよ。子供だから。父の薄手のコートを何とか無理やり羽織ってですね、裾をこうやってぎゅっと握って、屋根に登って、外に向かって一気にポーン!」
「いやもう、大惨事が確定してるじゃないですか。その後どうなったんですかそれ」
「それがね、奇跡が起きたんですよ。そのときたまたま通りかかった魔術師さんが、何やら魔術を使って助けてくれたんです。突然キラキラした光にバーッと全身包まれて、全く状況が掴めませんでしたね。気がついたら道に転がってた。ちなみに父にはめちゃくちゃ叱られました。でも半分は買ったばかりだったコートの汚れの心配をしてましたねえ」
人好きのする笑顔を振り撒き、会話を途切れさせることがない。話しすぎるわけでもなく、こちらの話も引き出してきて、それに対する反応の仕方も心地良いと感じていた。
第三者から見たとしても、目の前の俺にとても上手に接することができていると思うだろう。誰にも好かれないなんて噓だろ、と思われるくらいの朗らかさ。
良かった、呪術は成功した。彼はなりたい自分になれたのだ。これで俺の知らない、意中の呪術師との距離も縮められるだろう。あ、そうだ。その呪術師の詳細も知りたかったのだ。
「美味しかったですね、三宝牛。ジルヴェスターさんは初めて食べたんですか?」
「いえ、同居人にご馳走してもらったことが一度あります。でもそれよりもっと柔らかかった。ここで出すものは違うというのは本当でしたね」
「同居の方がいらっしゃるんですか? ……恋人とか?」
「いえ、そんな。とんでもない。そういう仲ではないんです」
「そうですか、じゃあ遠慮は要らなさそうだ。デザートはいかがですか?」
「いえ、もうお腹いっぱいです。今日はありがとうございました。でも自分の分は自分で……」
「いいえ。あなたは幸福の使者ですから。民草からの感謝の気持ちは受け取っていただかないと。私の心を救うと思って、是非お願いします。ジルヴェスターさん」
今なんか変な名称が聞こえたような、と考えるために止まっていたら、テーブルの上に置いた手に手を置かれ、ぎゅっと握り込まれてしまった。
もう一つ気づいたことだが、俺は相手からの接触にも慣れていない。向こうから告白のようなことをされた後ならまだ納得はできるのだが、それより前や、このように俺に向かって崇拝めいたことを言う人の気持ちなどはわからないし腑に落ちない。
距離を詰めようとされている。あ、手が増えた。さらに手を持って行かれた。何なんだ、まさか額に当てて祈り始めるんじゃないだろうな。困る。俺は神じゃない。元々あなたが自らしていた、緊張を解いただけなのだ。
「あなたがこうやって手を握ってくださったその瞬間、とてつもない幸福感に包まれました。こんなことは生きてきた中で初めての経験です。私はあなたをもっと知りたい。叶うなら私だけを見ていただきたい。私はあなたを愛しています。会ったばかりでおかしな事を、と思われるのは百も承知。私は本気でそう思っているのです」
……幸福感? 愛しています? 俺がやったのは確か、人との交流を上手く行かせるための呪術であって、あんたを振り向かせるためでは決してなかったはずなのだが。大体クラースさんがそうなってないのに、なんで見ず知らずのあんたがそうなってんだ。
グッ、と手に力を入れて振りほどこうと試みたのだが、相手もそれをさせまいと、頑張って抵抗してきている。
何だ、何がいけなかった。彼の未来を変える想像を流し込んであげただけで、そこに俺の介在はなかったはず。俺はどこで間違った。くそ、今すぐ逃げたいところだが、目の前の彼に聞くしかないか。
「……あの。あの! イゴルさん!」
「私と一緒になっていただきたい」
「いや無理ですよ! 無理! 諦めて! 俺は失敗したかもしれません、だって──」
「困りましたね、あなたの願いならなんでも聞いてあげたいんですが、その願いだけは聞けないな」
「いや聞いて!? 大体おかしいとは思いませんか、俺の呪術に何か原因が──」
「あなたの呪術は完璧でした。この哀れな男の人生を変えた。愛しい人を連れてきてくれた」
「連れてねえ!! それは俺じゃないから!! 他を当たってくれません!?」
「なるほど、天使は残酷な生き物だという説もある。あなたもその一人なわけだ。困ったなあ、天使の捕獲方法をまた考えなければいけないな」
ベラベラとよく喋る奴だ。熱に浮かされたような顔をして、視線を痛いほどに注いでくる。こんなことは人生の中で初めてだ。どうすればいい。どうすれば。
結局無理やり手を振りほどき、同居人が心配しますので、と言い捨ててから早足で退出した。目の端に一瞬だけ、悲しそうな顔をした男の顔が映った。そんな顔をしないでくれ。無駄に罪悪感が沸いてくる。
文字通り家に逃げ帰り、クラースさんに事の顛末を聞いてもらおうと家の中を探し回ったが、彼はどこにもいなかった。
指定された場所というのは俺とクラースさんが勤めている高級宿屋の中だった。その事を知らされたのが彼が店を出る直前で、断る機会を逃してしまった。
嫌だなあ、知り合いに見つからなければいいんだが。こうなったら、普段食べられない高いものでも頼んでやるか。クラースさんが美味しいと絶賛していたあの三宝牛とか。
初めての知り合いじゃないお客さん。こいつ遠慮がないな、とあえて思われることで疎遠にする手も考えたが、顧客として長い付き合いにする手もある。それを踏まえて、接待する側に回ったほうが良いだろうか。
どっちがいいんだ。全然わからん。今日の様子を見て決めよう、と普段立ち入らない豪華なエントランスを真っ直ぐ進んだ。俺のために従業員が優雅な仕草で扉を開けてくれている。慣れていないのでそのとき若干、動きが固くなっていた気がする。
「こんばんは。来てくださりありがとうございます。でも場所を教えてくだされば、馬車でお迎えに参じましたのに」
「いえ、そこまでしていただくわけには。大丈夫です、近いので」
「そうなんですね。歩いてどのくらいの距離なんですか?」
「えっと……二十分くらいですかね」
嘘である。本当は歩いて十分もかからない。家の場所を聞かれたとき、俺は知られたくない、と即座に思って迎えはいいと断った。
あまりにも近いということがわかると、そこから半円上にある住宅を絞り込める。街中だ、個人宅はそこまで多く建っていない。
家の場所を聞かれたとき、同居しているクラースさんのことが頭をよぎり、なんとなく彼が危ないかもと思ったのだ。
「なんでも頼んでくださいね。三宝牛のローストがありますよ。ここのだったらその辺で売られている端っこよりずっと柔らかい肉質でしょうね」
「そうでしょうね。でも、これは値段が……」
「いいんです。誘ったのは私ですから。ケチな奴だと思われたくない」
「そんな、思ったことないですよ。でも……」
「じゃあ質問です。肉と魚ならどっちが好きです?」
「あー、まあ、肉のほうが好きですけど……あっ、ちょっと、お客さんっ」
彼は手慣れた仕草で店員を呼び、テキパキと注文を済ませ、今日一番の笑顔を向けてきた。やられた。本当に遠慮するつもりだったのに。
「今はお客さんじゃありません。そういうことにしてください。私はイゴルと申します。そうお呼びください、ジルヴェスターさん」
「……はあ、ありがとうございます、イゴルさん」
ここで初めて気がついたことが一つある。警戒される側に慣れすぎて、警戒する側の塩梅というものがわからない。クラースさんに迷惑をかけてはならない、危険に晒すことはしたくない、という視点でしか物事を見られない。
口調が砕けていないだけで、最初から気さくに接してくれたクラースさんとイゴルさんの何が違うのだとも考えていた。
最初の印象は真逆ではある。俺は初めてイゴルさんに接したとき、意識して圧をかけたのだ。でもイゴルさんはすぐに落ち着いて、俺の占いと呪術を買って、今はこうだ。
最初の印象が悪かった、というのは結構大きな差に値するか。けど今の様子を勘定に入れて見てみると、たった少しの違いという気もしてくるくらいに彼は変わった。
「──その童話が大好きでよく読んでたから、イケるんじゃないかと思ったんですよ。子供だから。父の薄手のコートを何とか無理やり羽織ってですね、裾をこうやってぎゅっと握って、屋根に登って、外に向かって一気にポーン!」
「いやもう、大惨事が確定してるじゃないですか。その後どうなったんですかそれ」
「それがね、奇跡が起きたんですよ。そのときたまたま通りかかった魔術師さんが、何やら魔術を使って助けてくれたんです。突然キラキラした光にバーッと全身包まれて、全く状況が掴めませんでしたね。気がついたら道に転がってた。ちなみに父にはめちゃくちゃ叱られました。でも半分は買ったばかりだったコートの汚れの心配をしてましたねえ」
人好きのする笑顔を振り撒き、会話を途切れさせることがない。話しすぎるわけでもなく、こちらの話も引き出してきて、それに対する反応の仕方も心地良いと感じていた。
第三者から見たとしても、目の前の俺にとても上手に接することができていると思うだろう。誰にも好かれないなんて噓だろ、と思われるくらいの朗らかさ。
良かった、呪術は成功した。彼はなりたい自分になれたのだ。これで俺の知らない、意中の呪術師との距離も縮められるだろう。あ、そうだ。その呪術師の詳細も知りたかったのだ。
「美味しかったですね、三宝牛。ジルヴェスターさんは初めて食べたんですか?」
「いえ、同居人にご馳走してもらったことが一度あります。でもそれよりもっと柔らかかった。ここで出すものは違うというのは本当でしたね」
「同居の方がいらっしゃるんですか? ……恋人とか?」
「いえ、そんな。とんでもない。そういう仲ではないんです」
「そうですか、じゃあ遠慮は要らなさそうだ。デザートはいかがですか?」
「いえ、もうお腹いっぱいです。今日はありがとうございました。でも自分の分は自分で……」
「いいえ。あなたは幸福の使者ですから。民草からの感謝の気持ちは受け取っていただかないと。私の心を救うと思って、是非お願いします。ジルヴェスターさん」
今なんか変な名称が聞こえたような、と考えるために止まっていたら、テーブルの上に置いた手に手を置かれ、ぎゅっと握り込まれてしまった。
もう一つ気づいたことだが、俺は相手からの接触にも慣れていない。向こうから告白のようなことをされた後ならまだ納得はできるのだが、それより前や、このように俺に向かって崇拝めいたことを言う人の気持ちなどはわからないし腑に落ちない。
距離を詰めようとされている。あ、手が増えた。さらに手を持って行かれた。何なんだ、まさか額に当てて祈り始めるんじゃないだろうな。困る。俺は神じゃない。元々あなたが自らしていた、緊張を解いただけなのだ。
「あなたがこうやって手を握ってくださったその瞬間、とてつもない幸福感に包まれました。こんなことは生きてきた中で初めての経験です。私はあなたをもっと知りたい。叶うなら私だけを見ていただきたい。私はあなたを愛しています。会ったばかりでおかしな事を、と思われるのは百も承知。私は本気でそう思っているのです」
……幸福感? 愛しています? 俺がやったのは確か、人との交流を上手く行かせるための呪術であって、あんたを振り向かせるためでは決してなかったはずなのだが。大体クラースさんがそうなってないのに、なんで見ず知らずのあんたがそうなってんだ。
グッ、と手に力を入れて振りほどこうと試みたのだが、相手もそれをさせまいと、頑張って抵抗してきている。
何だ、何がいけなかった。彼の未来を変える想像を流し込んであげただけで、そこに俺の介在はなかったはず。俺はどこで間違った。くそ、今すぐ逃げたいところだが、目の前の彼に聞くしかないか。
「……あの。あの! イゴルさん!」
「私と一緒になっていただきたい」
「いや無理ですよ! 無理! 諦めて! 俺は失敗したかもしれません、だって──」
「困りましたね、あなたの願いならなんでも聞いてあげたいんですが、その願いだけは聞けないな」
「いや聞いて!? 大体おかしいとは思いませんか、俺の呪術に何か原因が──」
「あなたの呪術は完璧でした。この哀れな男の人生を変えた。愛しい人を連れてきてくれた」
「連れてねえ!! それは俺じゃないから!! 他を当たってくれません!?」
「なるほど、天使は残酷な生き物だという説もある。あなたもその一人なわけだ。困ったなあ、天使の捕獲方法をまた考えなければいけないな」
ベラベラとよく喋る奴だ。熱に浮かされたような顔をして、視線を痛いほどに注いでくる。こんなことは人生の中で初めてだ。どうすればいい。どうすれば。
結局無理やり手を振りほどき、同居人が心配しますので、と言い捨ててから早足で退出した。目の端に一瞬だけ、悲しそうな顔をした男の顔が映った。そんな顔をしないでくれ。無駄に罪悪感が沸いてくる。
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