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試験場へ

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ギルド…マスター?!なんで…・・・あっ…
後ろを向き、理由に気が付く。

うぅーっ、成る程ね…そりゃ、自分の縄張りで、暴れられたらね…

「すみません、ギルドマスター、ギルド内で暴れてしまって」

出来るだけ申し訳なさそうに謝る。

「まぁ、良い、其奴は新人いびりの度が過ぎていたからな…殺気までだしやがって…」

やっぱりね…あの殺気は普通の人なら気絶するほどかも…新人いびりをするのに、気絶させようとするなんて、意味がないような…まぁ、効かないから良いけどね。

「それでは…?」

「まぁ、ギルドマスターの権限で罰はなしにしてやろう…」

「本当ですか!」

本心から喜ぶ。

「あぁ、そうだ、だが…」

そういって、チラッと後ろの倒れている男を見る。

「そのままにしておくわけにもなぁ…」

えっ!罰はなしって言ってたのに!

「あの…どうすれば?」

問いかけると、ギルドマスターはジッとこちらを見据え、口を開いた。

「お前、俺にちょっと付いてこい」

ギルドマスターは、そう一言だけ残し、スタスタと奥に向かって歩き出した。

「えっ?あっ、はい!」

(どんな罰だろう…厳しくないと良いけど…)

恐る恐る付いていってみると、試験場に着いた。

「あの、どうして試験場に…?」

「お前が倒したアイツは熟練のCランクだった…そして、お前は始めたばかりのFランクだ…」

「えっ、はい…そうですね…・・・?・・・あっ、新人のFランクが、熟練のCランクを倒した…つまり、私がFランクだと困るんですね?」

「あぁ…そういうことだ…」

確かにそりゃあ新人が熟練を倒したらギルドが、本人の実力を測れなかった、またはイカサマをしたみたいになるしな…まぁ、彼のためにもギルドのためにも必要ってことね…

「分かりました、因みにこれにクリアするとどこまでランクが上がるんですか?」

「Cランクまでだ」

???Cランク?いきなり…?

「えっと、その…私が言うのもなんですが、新人がいきなりCランクになるのは、経験が足りないのでは?」

「でも、お前…魔物を倒した経験あるだろう?それになくたってこの試験でお前がいくつクリアしたかによって上がるランクは変わるし、例えCランクになったとしても、Fランクのミッションをとっても何ら問題は無い」

「えっ、でもFランクのミッションをとったら、Fランクの方々が困るのでは…」

ミッションがなくなったら…

「いや、このギルドでは、Fランクの奴は殆ど居ないんだ…大体次の日には、Eランクにはなっているからな…」

「そうなんですか…?」

それなら、大丈夫かな?

「うーん、まぁ、頑張ってみますね?」

試験場に入ると想像以上に広い空間があった。端の方には武器が仰々しく並べられていた。

壁や床には血が付いたまま乾いているところもあった。

正直なところ、フローディスはワクワクしていた。彼女は冒険者になる以前からの戦闘狂なのだ。強い者と闘うのが大好きな…

まぁ、どういう形式で試験をするのかは知らないが…とにかくワクワクしていた。

(試験…!強い人と闘える試験が良いな!)

彼女は試験場を見ながらそう思った。
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みんなの感想(1件)

スパークノークス

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ディディー
2021.08.18 ディディー

嬉しいです!ありがとうございます!

解除

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