子豚のワルツ

ビーバー父さん

文字の大きさ
上 下
81 / 122

抑えられない感情

しおりを挟む
☆胸糞残虐表現あり。すみません。嫌な方はスルーで、を失念しておりました。☆





外に漏れ出た感情は、疑問や疑惑としてトルクにぶつける事になってしまった。
多分永遠の課題。

ただ、今回は折り合いが付けられなかった。
こんな復讐の連鎖をどうやって止めたらいいのか分からなかったけど、話さなきゃってそればかりに気が急いてトルクの気持ちを置き去りにしてしまった。

「咲季は私が信用できない?」

「そうじゃないよ、さっきトルクが違うって言ってくれたように
 意味が違うんだ」

国際結婚して、うまくいかないカップルみたいでそんなのは嫌だ!
うっふっふって笑いながらエディオンがこっちを見てた。

「えっとね、エディオンはどうして僕たちに真実?を教えてくれたの?
 本当だったら、もう、ここの国王のとこか、魔王の所へ連れて行かれて大変なことになってるくらいじゃない?」

まるで時間稼ぎをしてるみたいだった。

「っと、バレたか。
 もうすぐ、この国は魔族が襲いに来る。
 だからな、アンタたちは見届け人になってもらいたいのさ。」

「何を、あ!!」

この店!人がいない。
人目を避ける為かと思ってたけど違うんだ。

「多分、もしかしてだけど、すでに住民の大多数は逃がしたあと?
 この国の王族を断罪するために、このタイミング?」

「そう、サキ様は賢いね
 何故この国が滅びたか、何故魔族が王族を根絶やしにしたかをね」

必然的に、英雄エディオンの話をしなくてはいけなくなる。
でも、色んな国の王族に殺されたと言っても誰も信用しない。
僕やトルクが言ったら?
信憑性が生まれる。
ライハンの現状を魔族が嘆いているって事?

「エディオン、魔族はライハンの鳥獣人の現状を知ってた?
 交易も無いライハンが僕を拉致するのに関わってるのは考えづらかったよ。
 でもさ、ライハンの現状や、君のことを知らせるためには必要な布石だった?
 他の国のこととか、どこまで把握してこんな事した?」

エディオンはスワラの身体と声と表情で、自分と家族を殺した国々の事情は把握してると。
そして、その国の王族の誰もがライハンの鳥獣人を暗殺に使っていて、その卵を獲るために大抵番で所持していると。
所持、所持ってなんだ!!

「それなら、ハラン様だって犠牲者じゃないか!!」

「う~ん、あの人って儚げで何も悪くないって感じだよね~
 でもさ、それならおかしくない?
 どうして襲われた程度で子供ができる?
 そんなに簡単に仮部屋は出来ないって、知ってるよね?
 中にはでき易い人もいるだろうけど、一般的には、一回や二回ヤッても子供は出来ない。
 魔族になったあの男が嘯いてたけどね、レオハルトの地位が欲しくて、結託したって。
 ところが存外、レオハルトのスキルが強かったわけだな。
 それに、トルク様を人質に取られたせいで計画が変わっちゃったそうだよ。
 蓋を開ければ、こんなもんだよ」

だから、相応でしょ?孕みたがってるんだからって。

「子供の命には、子供には関係ないじゃないか!!!」

「そこは生まれなかった俺の子供と、伴侶は?そして腹を裂いたハランの罪は?、でしょ」

「ハラン様が、腹を?裂いたの?」

「そうだよ、英雄の子が、もしかしたら神の子だったら、って。
 自分たちが最強種の子の親になりたいから、俺の子は産まれちゃいけないんだそうだ」

酷い話だろ?と。
なら、最強種を孕むまで、頑張れって応援したよ、俺!

「お綺麗な魂を持つサキ様。
 俺はね、魔族になった理由が、悲しみを抱えるのが辛かったからさ。
 復讐するためには、嫌なことも冷酷に出来なきゃダメだ。
 だから、魔族になったのさ。
 復讐の感情を捨てたくなかったから」

簡単には捨てられない感情だと言うのがすぐわかった。
ただ、英雄としてでは出来ない所業なら、魔族になればいいとその魂で思ったのか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される

Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木) 読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!! 黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。 死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。 闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。 そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。 BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)… 連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。 拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。 Noah

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜

N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間) ハーレム要素あります。 苦手な方はご注意ください。 ※タイトルの ◎ は視点が変わります ※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます ※ご都合主義です、あしからず

巨人族の1/3の花嫁〜王様を一妃様と二妃様と転生小人族の僕の三妃で幸せにします〜〈完結〉

クリム
BL
一回めは処刑された老臣、二回めは鬼教官、三回めは教師、そして四回めの転生は異世界で小人族ですか。身長一メート僕タークは、御信託で巨人族にお嫁入りです。王様はどう見ても三メートルはあります。妖精族のソニン様、獣人族のロキと一緒に王様になりたてのガリウス様を幸せにします。まず、王様のイチモツ、入りますかね? 三人分の前世の記憶と、豆知識、そして貪欲な知識欲を満たすため、異世界王宮改革をしていく三妃タークの物語。 ※はご高覧注意です。 『小説家になろう』にも同時連載。

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

【R18】満たされぬ俺の番はイケメン獣人だった

佐伯亜美
BL
 この世界は獣人と人間が共生している。  それ以外は現実と大きな違いがない世界の片隅で起きたラブストーリー。  その見た目から女性に不自由することのない人生を歩んできた俺は、今日も満たされぬ心を埋めようと行きずりの恋に身を投じていた。  その帰り道、今月から部下となったイケメン狼族のシモンと出会う。 「なんで……嘘つくんですか?」  今まで誰にも話したことの無い俺の秘密を見透かしたように言うシモンと、俺は身体を重ねることになった。

婚約破棄王子は魔獣の子を孕む〜愛でて愛でられ〜《完結》

クリム
BL
「婚約を破棄します」相手から望まれたから『婚約破棄』をし続けた王息のサリオンはわずか十歳で『婚約破棄王子』と呼ばれていた。サリオンは落実(らくじつ)故に王族の容姿をしていない。ガルド神に呪われていたからだ。 そんな中、大公の孫のアーロンと婚約をする。アーロンの明るさと自信に満ち溢れた姿に、サリオンは戸惑いつつ婚約をする。しかし、サリオンの呪いは容姿だけではなかった。離宮で晒す姿は夜になると魔獣に変幻するのである。 アーロンにはそれを告げられず、サリオンは兄に連れられ王領地の魔の森の入り口で金の獅子型の魔獣に出会う。変幻していたサリオンは魔獣に懐かれるが、二日の滞在で別れも告げられず離宮に戻る。 その後魔力の強いサリオンは兄の勧めで貴族学舎に行く前に、王領魔法学舎に行くように勧められて魔の森の中へ。そこには小さな先生を取り囲む平民の子どもたちがいた。 サリオンの魔法学舎から貴族学舎、兄セシルの王位継承問題へと向かい、サリオンの呪いと金の魔獣。そしてアーロンとの関係。そんなファンタジーな物語です。 一人称視点ですが、途中三人称視点に変化します。 R18は多分なるからつけました。 2020年10月18日、題名を変更しました。 『婚約破棄王子は魔獣に愛される』→『婚約破棄王子は魔獣の子を孕む』です。 前作『花嫁』とリンクしますが、前作を読まなくても大丈夫です。(前作から二十年ほど経過しています)

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

処理中です...